聴覚過敏に対処するためのイヤーマフの選び方とオススメ4選をご紹介【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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聴覚過敏で困っている方には非常に便利なイヤーマフ。今回は、その効果や選び方、価格や比較するときのポイントなどを踏まえたオススメの商品をご紹介していきます。

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監修: 野田遥
作業療法士
LITALICO研究所 研究員
作業療法士として教育センターや障害児入所施設等で勤務したのち、現在は自閉スペクトラム症者の感覚処理に関する研究や、発達障害に関連したプロダクトの研究・開発に取り組んでいる。
目次

イヤーマフとは?聴覚過敏って?

イヤーマフとは

イヤーマフとは、耳全体を覆うタイプの防音保護具です。イヤーマフは、もともと工事現場や飛行場、射撃、モータースポーツなどの騒音が大きい場所で、それらの仕事に携わる人の耳を守る道具として使用されてきました。

近年では、防音効果が高いことから、一般の方にも広まってきており、特に大きな音が苦手な、聴覚の過敏さがある方にとって、音から自分を守るツールの一つとなっています。

聴覚過敏とは

聴覚過敏は、一般の多くの人よりも、五感などの感覚が敏感である感覚過敏の一つです。

聴覚過敏があると、耳の中で音が響いたり、割れたり、エコーがかかったように聞こえ、それにより体の不調や不快感、恐怖、苛立ちなどを伴う症状を示します。耳痛、頭痛、めまい、首などの違和感や痛み、共感覚で生じる場合もあります。不調や不快のきっかけになる音は、特定の音の種類(例:赤ちゃんの泣き声、サイレンの音)である場合もあれば、大きな音の場合もあり、人によってさまざまです。

ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害のある人の中には、この聴覚過敏をはじめ、感覚過敏のある人が多いといわれています。
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聴覚過敏の原因と、具体的な改善方法は?【専門家監修】

イヤーマフの効果

イヤーマフには、周囲の不快な音を遮断する効果があります。イヤーマフの効果は「遮音率(NNR)」という、周囲の音をどれくらい遮断することができるのかを表す指標で定められます。あくまで目安となりますが、例えば、「普通の声で会話(60dB)」している際、遮音率26dBのイヤーマフを着用すると、60dB-26dB=34dB となり、イヤーマフを着用している人にとっては、「小さなささやき声」のように聞こえます。

実際の場面を考えると、例えば、ショッピングモールなどへのお出かけや、運動会といった行事に参加する際など、苦手な音や大きな音が聞こえてしまう場面に役立ちます。また常にイヤーマフを着用していなくても、イヤーマフをいつでも使える安心感があることで過敏さが和らぎ、聴覚過敏が理由で嫌がっていた場所で過ごせるようになる場合もあります。


イヤーマフを着用する際は、以下に注意をして使用するとよいでしょう。
・苦手な音があり苦痛を感じる場面では、積極的に活用する(我慢しない/させない)
・長時間の着用が過敏さを助長する可能性が指摘されているため、外すことができる時間や場所をつくる


参考:日本耳鼻咽喉科学会会報/120 巻 (2017) 9 号|聴覚過敏の診断と治療 坂田 俊文
https://doi.org/10.3950/jibiinkoka.120.1184
ささやき声が20db、飛行機の離陸音が120dbといったような騒音のレベルを示した表
ささやき声が20db、飛行機の離陸音が120dbといったような騒音のレベルを示した表
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イヤーマフの選び方

イヤーマフにはさまざまな種類・形があります。遮断できる音(低音域・高音域・全音域)も種類により違います。実際に試してみることで、どのイヤーマフが適しているかを考えてみましょう。子ども用、大人用と分かれている場合もありますが、遮音性能に大きな差はありません。ただ、サイズや締め付けの圧力の強弱、重量などに差があることがあります。

選ぶ上で注目すべきポイントは以下です。

・遮音性
・装着方法
・締めつけ感
・持ち運び
・価格
・重さ


上記のような点を踏まえながら、比較検討するとよいでしょう。
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人混みの中での音が苦手みたい…そんなときは


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