NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えます

ライター:発達ナビニュース
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2017年5月16日にNHKが「発達障害プロジェクト」をスタート。1年間かけて複数の番組横断で、発達障害のある人や周囲の人たちの、様々な暮らし方や働き方、悩みや対策を伝えていきます。今回のコラムでは、プロジェクトの概要とコンテンツ、そしてプロジェクト番組第一弾となる5/21(日)21:00の「NHKスペシャル」の見所を紹介します! 記事中画像: (c)NHK

人口の9割が「定型発達症候群」!?NHKが発達障害プロジェクトをスタート

「およそ20年前に、アメリカの研究所が残した報告から、全人口の9割以上がある深刻な症状にあることが判明しました。」
人口の9割が「定型発達症候群」!?
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とあるニュース番組で、キャスターが紹介した「衝撃のレポート」

以下のチェック項目に一つでも当てはまったら、人間関係に深刻な問題を引き起こしかねない、「定型発達症候群」の可能性があるというのです。

・暇な時はなるべく誰かと一緒に過ごしたい
・集団の和を乱す人を許せない
・社会の慣習にはまず従うべきだ
・はっきりと本音を言うことが苦手
・必要なら平気でウソをつける
以下のチェック項目に一つでも当てはまったら、人間関係に深刻な問題を引き起こしかねない、「定型発達症候群」の可能性があるというのです。
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…実はこれは、NHKが制作した架空のニュース動画なんです。

NHKが2017年5月から1年をかけて展開する、「発達障害プロジェクト」のページ上で公開されています。
NHKが2017年5月から1年をかけて展開する、「発達障害プロジェクト」
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NHK「発達障害プロジェクト」
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/
「定型発達症候群」という言葉にびっくりした人もいるかもしれませんが、これは、医学上の病名でも、公式に定められた障害の名前でもありません。

1998年、発達障害のひとつASD(自閉スペクトラム症)と診断された海外の一般女性が、ASDに関するさまざまな報道への皮肉の意味で「創作」した言葉が発端であると言われています(諸説あり)。

「定型発達」とは、発達障害と対比して、心身の発達が「定型(平均的)」という意味で、「発達障害ではない人」をさす言葉として用いられます。

つまり「定型発達症候群」とは、発達障害の人から、いわゆる「普通の人」を見た視点です。

でも、「普通」ってそもそもなんでしょうか?全人口の大半の人が定型的(平均的)に感じているから「フツウ」?それじゃあ、違った感じ方をしている人は「フツウ」ではないの?

そんな問題提起の意味も込めて、冒頭の架空のニュース動画はつくられました。


NHKの発達障害プロジェクトでは、これまで当たり前に考えられてきた「普通」の概念にとらわれず、発達障害のある人々の感じ方・考え方を様々な角度から紹介していくことで、発達障害のあるなしに関わらず、一人ひとりの多様な感じ方や生き方への理解の促進をめざしていきます。

NHKスペシャル、あさイチ、ハートネットTVをはじめ、番組横断で、継続的に発達障害を取り上げていくことが今回のプロジェクトの特徴です。

知ってるようで知らない発達障害のこと、みんなの投稿で“トリセツ”をつくろう

知ってるようで知らない発達障害のこと、みんなの投稿で“トリセツ”をつくろう
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生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)によって、社会生活に困難が発生する発達障害。

「なんとなくは知っているけど、結局どういうことかわからない」
「漠然としたイメージはあるけど、何に困っているのかわからない」
という方も少なくないのではないでしょうか。

プロジェクトページでは、「この際、はっきり知っておきませんか?」という呼びかけと共に、発達障害の定義や特徴、困りごとなどが、イラスト付きでわかりやすく紹介されています。

コンテンツ監修は、LITALICO発達ナビの監修も務める、鳥取大学大学院の井上雅彦教授です。


また、「みんなで作る発達障害の“トリセツ”」と題したコーナーでは、日常生活の様々な場面での困りごとや対応策を、発達障害の当事者やその家族、学校や職場などの周囲の人々の投稿を通して集め、公開していく企画もスタート。

「生活・暮らし」
「対人関係」
「学校・職場」
と、大きく3つのカテゴリーの中で、様々なテーマに対するみなさんの投稿を募集しています。

サイトオープン時の2017年5月16日現在では、事前に集めた投稿の中から「聴覚過敏」に関するエピソードを18件公開しています。

以下のリンクの投稿フォームから、それぞれのテーマに対する体験談を随時投稿することができます。
様々なテーマに対するみなさんの投稿を募集しています
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みんなで作る発達障害の"トリセツ"投稿フォーム
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/toukou/index.html

5/21(日)21:00から「NHKスペシャル」で生放送特集!

「目に見えにくい」障害を描き出す
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NHKスペシャル, 「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170521
ウェブ上のプロジェクトページと連動して、NHKの様々な番組で、継続的・多角的に発達障害について取り上げていくのが、今回のプロジェクトの特徴。

テレビ特集の第1弾は、NHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~ (仮)」

初回放送は、2017年5月21日(日) 午後9時00分~9時59分です。

「目に見えにくい」障害を描き出す

これまで、主に社会性やコミュニケーションに問題がある障害として知られてきた発達障害ですが、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきました。

多くの人にとっては何でもない日常空間が、耐えられないほどまぶしく見えたり、小さな物音が大音量に聞こえてパニックになったり…NHKスペシャルでは、こうした発達障害当事者の方々の独特の感覚・認知や、それによって生じる生きづらさを映像を通して再現し、「目に見えにくい」障害の実態を伝えることに挑戦します。

番組中では、大阪大学と東京大学が共同研究・開発した「自閉症知覚シミュレータ」も登場。発達ナビでは、当事者やご家族の方をお招きしての体験会兼取材・撮影に協力しました。

生放送、リアルタイムで視聴者の声を紹介

今回のNHKスペシャルの最大の特徴は、生放送・リアルタイムで視聴者からのコメントを紹介しながら展開していくこと。

たとえ同じ診断名でも、一人一人の特性や感じ方は、本当に様々です。十把一絡げに「発達障害」をまとめてしまうのではなく、一人一人の多様な暮らしぶりや思いを紹介していくことこそが、発達障害への理解・関心を広げていく上で大切だという趣旨からの企画だそうです。

ご自分の経験について伝えたい思いやご経験、発達障害に対する疑問や悩みがある方は、ぜひ以下のメールフォームからご投稿ください。
NHKスペシャル, 発達障害特集メール投稿フォーム
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/toukou/apply.html

番組終了後にはウェブでのアフタートークも! 

番組終了後にはウェブでのアフタートークも! 
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NHK, 「発達障害プロジェクト」
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/
また、NHKスペシャルの生放送終了直後から、「発達障害プロジェクト」ページ上でライブストリーミングが始まり、番組のアフタートークが催されるようです。

ここでは、生放送中に紹介し切れなかった視聴者からの投稿を追加で紹介していくとのこと。あなたの投稿も紹介されるかも…!?
次ページ「発達ナビTwitterでNHKスペシャル&アフタートークを実況中継!」

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