子どもの「視覚優位」を活かし、友達みんなと遊べるゲームを紹介

ライター:松本太一
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自閉症のあるお子さんの場合、他者への関心が薄く、1人遊びが中心になることが多いです。そこで、今回は、自閉症の「視覚優位性」という性質を活かし、1人遊びから集団遊びへと繋がるきっかけとなるゲームをご紹介します。

監修者松本太一のアイコン
執筆: 松本太一
アナログゲーム療育アドバイザー
放課後等デイサービスコンサルタント
NPO法人グッド・トイ委員会認定おもちゃインストラクター
東京学芸大学大学院障害児教育専攻卒業(教育学修士)
フリーランスの療育アドバイザー。カードゲームやボードゲームを用いて、発達障害のある子のコミュニケーション力を伸ばす「アナログゲーム療育」を開発。各地の療育機関や支援団体で、実践・研修を行っている。

自閉症の特徴でもある「視覚優位」とは

自閉症のあるお子さんの多くが備えている特性の1つに、音声に比べて、色や形といった視覚認知力が強いことがあげられます。これを「視覚優位性」と呼びます。

この視覚優位の特性を生かして、家庭では「歯磨きしましょう」と声をかける代わりに、「歯磨きしている場面の絵や写真を見せる」といった工夫を行い、お子さんにより伝わりやすくする事は、発達障害と関わる人の間では、よく知られるところです。

一方で、この視覚認知の強さは、特定の対象に対する固執の要因ともなっています。

たとえば、積み木、お絵かき、パズル、Youtubeの動画など視覚的刺激を与えてくれる対象に長時間没頭し、声をかけても頑として応じないことがしばしばあります。

子ども1人遊びばかりを好み、なかなかお友達と遊ばない…

幼稚園・保育園等で、みんなで輪になり歌ったりゲームをしたり、というコミュニケーションを中心にした活動よりも、1人で視覚的にも楽しめるパズルやブロック遊びに熱中することを好むお子さんもいるでしょう。

家で何時間もYoutubeばかりを見ているお子さんの様子をみて、先々のことを心配する親御さんは少なくありません。

このような1人遊びの傾向について、本人の興味が尊重されるべきなのはもちろんなのですが、療育的観点からすると、いずれは他者との関係を結びながら、学び、働いていくわけですから、彼らなりのやり方で集団に参加し、他者との関係作りを学んでほしいと思っています。

そこで今回は、自閉症のあるお子さんの特徴である視覚優位性を生かしつつ、集団参加を促すゲームを紹介します。

「虹色のへび」視覚優位を活かしながら遊べるゲーム

ドイツAMIGO社の「虹色のへび」は、美しい色のカードを並べてヘビを完成させるゲーム。そのカラフルさは自閉症のあるお子さんの心を掴むのに最適です。
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様々な色に変化するのヘビが子どもたちの興味をガッチリ掴む。
Upload By 松本太一
購入先:「虹色のへび」
https://sgrk.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
ルールはシンプルです。

・ヘビの胴体が描かれたカードを、順番に場に並べていく
・色の合うカード同士はつなぐことができる
・繋がる色がない場合はそのまま場に置く

胴体のほか、頭としっぽのカードが各色1組ずつ用意されています。頭としっぽが揃い1匹のへびが完成すると、完成させた人がそのヘビのカードをまとめてもらえます。なお、虹色はどの色にもつなげることができます。

めくる札がなくなった時点で、1番多く札を取った人が勝ちです。
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