異食症とは?「氷、髪の毛などを食べたい衝動がとまらない」主な症状やタイプ別特徴、対応方法まとめ
ライター:発達障害のキホン
食事として食べないものを継続して摂取してしまう、異食症。口にしてしまうものによってさまざまなタイプがあり、症状は人それぞれです。短期間で症状が治まる場合もありますが、口にするものによっては身体に重大な危険をもたらすこともあります。症状が気になるときは専門機関に相談することが重要です。
異食症(Pica)とは?
異食症とは通常食べることのないもの日常的に食べてしまう摂食障害の一つです。摂取してしまうものの例として、紙、ねんど、泥、毛髪、氷などが挙げられます。特に氷、土、毛髪を食べることは多く知られており、氷食症、土食症、食毛症という個別の症状名がつけられています。いずれの場合も症状が1ヶ月以上持続している場合に診断されます。
しかし乳幼児のように、まだ十分に認知機能が発達していないことから生じる突発的な異食行動や、熱帯地域などの場所で慣習的に土が食べられているといった、異食行動がその地域にとって普通の行為である場合は異食症とはみなされません。
文化的にも社会的にも通常食べられないものを摂取してしまう場合に限り、異食症とみなします。
異食症は年代や性別などによってもさまざまなタイプがある疾患です。おもに、子ども・妊婦・他の疾患を発症している人と3つのタイプに分けることができます。タイプごとにどういう症状や原因があるのか、どういった対応・治療をしていけばよいのか見ていきましょう。
しかし乳幼児のように、まだ十分に認知機能が発達していないことから生じる突発的な異食行動や、熱帯地域などの場所で慣習的に土が食べられているといった、異食行動がその地域にとって普通の行為である場合は異食症とはみなされません。
文化的にも社会的にも通常食べられないものを摂取してしまう場合に限り、異食症とみなします。
異食症は年代や性別などによってもさまざまなタイプがある疾患です。おもに、子ども・妊婦・他の疾患を発症している人と3つのタイプに分けることができます。タイプごとにどういう症状や原因があるのか、どういった対応・治療をしていけばよいのか見ていきましょう。
子どもの異食症の症状・原因
症状
乳幼児期は物の区別を苦手とする上に好奇心が旺盛で、何でも口に入れてしまう傾向があります。そのため、幼児期の異食行動は自然に起こるものという考えが一般的です。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)によると、幼児期に土を食してしまう割合は1歳児で35%あるのに対し、4歳児では6%ほどになるとされています。このように異食行動を行う頻度は年齢とともに低下していく傾向にあるため、2歳以前の異食行動自体がすぐに問題になるわけではありません。
そこで、子どもにおいては生後24ヶ月(2歳)以降に栄養のなく、通常食べることのないものを継続して摂取してしまうという症状があった時、異食症とみなされる場合があります。
子どもが摂取してしまう異物は、子どもの身近にあり手に入りやすいものと考えられます。例えば氷、毛髪、土、絵具、ひも、鉛筆の芯、布、ほこり、糞便、紙片が挙げられます。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
そこで、子どもにおいては生後24ヶ月(2歳)以降に栄養のなく、通常食べることのないものを継続して摂取してしまうという症状があった時、異食症とみなされる場合があります。
子どもが摂取してしまう異物は、子どもの身近にあり手に入りやすいものと考えられます。例えば氷、毛髪、土、絵具、ひも、鉛筆の芯、布、ほこり、糞便、紙片が挙げられます。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
原因
先述したとおり、2歳までは知的好奇心による正常な行動の場合が多いです。しかし、それ以降も異食行動が習慣化するまで継続してしまうと、異食症と診断される場合があります。
異食行動を続けてしてしまう原因として、保護者のネグレクトなどにより空腹感から異食してしまうなども考えられますが、決してそれだけではありません。子どもがストレスをため込みやすい性格をもっており、その発散方法として異食行動を行ってしまう、周囲の人が知らない間に異食行動を見逃し、それが常態化しているなど、さまざまなケースがあります。
異食行動を続けてしてしまう原因として、保護者のネグレクトなどにより空腹感から異食してしまうなども考えられますが、決してそれだけではありません。子どもがストレスをため込みやすい性格をもっており、その発散方法として異食行動を行ってしまう、周囲の人が知らない間に異食行動を見逃し、それが常態化しているなど、さまざまなケースがあります。
妊娠中の女性の異食症の症状・原因
症状
女性は妊娠期間中に衝動的に異食行動を行ってしまうことがあります。この場合は妊娠中のみに発症し、自然に治ることが多いと言われています。口にするものとして、土、石、氷、生のジャガイモや小麦粉がよく挙げられます。
原因
妊娠中の女性による異食症は、鉄や亜鉛などの栄養不足が大きな原因と言われています。妊娠することによって女性のからだは、自分自身ではなく赤ちゃんに優先して栄養や酸素を供給するように自然とはたらき始めます。
栄養や酸素は血液を通して赤ちゃんに送り込まれるため、からだは体内の血液量を増やそうとします。しかし、通常摂取している1人分の栄養素で多くの血液を体内で生成しようとすると、成分に影響が出てくる可能性があります。その成分が鉄や亜鉛です。
妊娠中に必要な栄養素を摂取していない場合、身体が通常の鉄分・亜鉛でたくさんの血液をつくろうとするため、これらの成分が不足してしまいます。
血液中に鉄分が少なくなり、貧血がおこると体内で酸素をうまく運ぶことができなくなります。この鉄欠乏性貧血は、妊娠中に特に起こりやすくなる貧血の一つです。妊娠中の氷や石・土の異食症は、身体が無意識に鉄分を補おうとして引き起こされることが多いとされています。
しかし、妊娠中に発症する異食症の原因は栄養不足だけではありません。脳への酸素供給量が不足することによって、「おなかいっぱい」だという感覚を失ったり、からだの温度調節の機能が鈍くなったりすることで異食症が引き起こされる場合もあります。
またその他にも精神的ストレスによって、精神を安定させる働きのある脳内の神経伝達物質の一つ、セロトニンが不足してしまい、感情や欲求が抑制できなくなったりするなど、さまざまな要因が重なり合っている場合があると考えられます。
栄養や酸素は血液を通して赤ちゃんに送り込まれるため、からだは体内の血液量を増やそうとします。しかし、通常摂取している1人分の栄養素で多くの血液を体内で生成しようとすると、成分に影響が出てくる可能性があります。その成分が鉄や亜鉛です。
妊娠中に必要な栄養素を摂取していない場合、身体が通常の鉄分・亜鉛でたくさんの血液をつくろうとするため、これらの成分が不足してしまいます。
血液中に鉄分が少なくなり、貧血がおこると体内で酸素をうまく運ぶことができなくなります。この鉄欠乏性貧血は、妊娠中に特に起こりやすくなる貧血の一つです。妊娠中の氷や石・土の異食症は、身体が無意識に鉄分を補おうとして引き起こされることが多いとされています。
しかし、妊娠中に発症する異食症の原因は栄養不足だけではありません。脳への酸素供給量が不足することによって、「おなかいっぱい」だという感覚を失ったり、からだの温度調節の機能が鈍くなったりすることで異食症が引き起こされる場合もあります。
またその他にも精神的ストレスによって、精神を安定させる働きのある脳内の神経伝達物質の一つ、セロトニンが不足してしまい、感情や欲求が抑制できなくなったりするなど、さまざまな要因が重なり合っている場合があると考えられます。