大自然の中で多様性を学ぶ!「ユニバーサルキャンプin八丈島2017」に注目!

ライター:発達ナビニュース
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八丈島の大自然の中2泊3日のスケジュール、年齢、国籍、性別、障害の有無…そのような違いによって差別されず、ともに協力しあえる社会をめざして毎年開催される「ユニバーサルキャンプ」はダイバーシティを学ぶために企業研修でも取り入れられている大人気のイベントです。本イベントの全貌、参加者インタビュー、参加方法について盛りだくさんでお伝えします。

多様性のある社会を目指して―「ユニバーサルキャンプin八丈島2017」とは

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年齢、国籍、性別、障害の有無…そのような違いによって差別されず、ともに協力しあえる社会をめざして―。

2017年9月9日から11日の3日間、多様性のある社会―ダイバーシティを体験することを目的としたイベント「ユニバーサルキャンプin八丈島」が開催されます。

多様な人々がともに協力しあい活躍できる社会をめざすこと、年齢や障害の有無に関係なく「みんながいっしょに活き活きと暮らせる社会(ユニバーサル環境)」へ意識をむけ行動してけるようになることを目的にさまざまな立場の人が交流できるような仕組みが取り入れられている本イベント。

今年で13回目を迎えるユニバーサルキャンプには、毎年100人以上、これまで述べ2000人以上の人が参加しており、ダイバーシティ(異質な人々が融合するダイナミズムに価値をおく考え方)をテーマに多様な立場の人々が交流してきました。
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八丈島の大自然の中で過ごす2泊3日のイベントでは、キャンプという少し不便な環境にあえて身を置く中で相互理解を促すことをねらいとし、さまざまなプログラムが用意されています。

昨年のキャンプでは、「ユニ・キッチン」という、参加者同士で晩御飯を作るプログラムや、「ダイバーシティどっぷり・コミュニケーション」という、視覚・聴覚・身体・発達障害などのある参加者がそれぞれの障害理解を促すための時間をつくるプログラムなど、参加者同士での理解・協力を促進するためのプログラムが各所で開催されました。

また、ユニバーサルキャンプのプログラムは企業研修にも利用されており、これまで多くの企業がダイバーシティ理解のために参加してきました。

企業研修コースでは事前研修と事後研修を組み、キャンプ体験前に障害に関する予備知識を入れた状態で本番参加することができるのが特徴です。終了後にもしっかりと振り返りの時間を設けているため、多様性をどう受け入れていくのかを、座学と実践を通して考え抜くことができるようになっています。

主催はNPO法人ユニバーサルイベント協会

充実した研修内容から好評の「ユニバーサルキャンプ」。
その主催団体であるユニバーサルイベント協会とは一体どのような団体なのでしょうか。

ユニバーサルイベント協会は、2001年に設立された特定非営利活動法人です。

さまざまな人が集う「イベント」は、誰もが喜びと感動を得ることを目的として作られる空間。
その空間づくりにこそダイバーシティの理念が必要と考え、1999年に日本イベントプロデュース協会内に「ユニバーサルイベント委員会」が発足されたことが協会設立のきっかけなのだそうです。
ユニバーサルイベント実現のために必要な4つの視点

①ユニバーサル・アクセシビリティ
会場へのスムースなアクセスのための経路・通路の安全性・容易性

②ユニバーサル・コミュニケーション
誰もが理解できるプログラムのための情報受発信機能の充実

③ユニバーサル・オペレーション
会場運営の内容・体制の充実による安全性とホスピタリティの実現

④サスティナビリティ
廃棄物やゴミを極力出さない会場施設構成と運営構成の実現
出典:http://u-event.jp/02u-event/u-event1.html
4つの視点をもったイベントづくりのため、企業への研修や「ユニバーサルキャンプ」をはじめとした自主イベントを開催し、誰もが参加可能なイベントづくりを広めていっています。

発達障害のある子どもは参加できる?実際の参加者にインタビューしました

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だれもが分け隔てなく楽しめることを目的としているので、参加する人の立場もさまざま。
もちろん発達障害のある人たちの参加実績もあります。

今回は、おととしのキャンプに参加経験のあるAくん(仮称)親子にインタビューし、イベントの感想を伺いました。

編集部:キャンプへの参加のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

-我が家の息子Aは今年で15歳、キャンプに参加したのは当時中学1年生の13歳ごろなんですが、それまでずっと不登校だったんです。

2歳から発達障害の可能性があると言われて療育に通っていたんですが、イジメに遭って小学6年生で不登校になってしまいました。

中学校進学後も周囲との関係性への不安が強く、不登校状態が続きました。
そんなある日、友人の勧めがキッカケでユニバーサルキャンプを知ったんです。

小学校のときのイジメから外に出ることが怖くなってしまっていた子どもをみて、「世の中にはいろんな人がいる」ことを知ってもらえたらと思い参加しました。

編集部:そうだったんですね。イベント中、Aくんはどのように過ごしたんでしょうか?

-昼間の活動は親子バラバラの班になったんですが、理解ある大人たちに囲まれて過ごせたのがよかったのか、息子自身にとっても良い思い出になったようです。

イベント内容的にも大人向けなこともあり、普段交流を避けがちだった同年代の子どもがほとんどいなかったことも良かったようです。

なかでも楽しんでいたのは、みんなでの夕食作りタイム。
缶詰めをつかった炊き込みご飯を作ったんですが、普段関わりのない人と協力しあい調理する経験は印象的だったようです。

途中で疲れが出て、参加できなかったプログラムもあったんですが、無理のないように配慮してもらえたのもよかったですね。
参加できるときだけ顔を出して疲れた時は自分のペースで休んでいい環境にいられたのが、安心感につながったのかもしれません。

編集部:「全員が楽しめる場所づくり」が発達障害のある子どもたちにもしっかり反映されているのは頼もしいですね。
キャンプを通じて、いろんな人と交流できることが出来たことで大きな変化はありましたか?


-本人が言っていたわけではないのですが、視野が少し広がったんじゃないかと思います。

親切にしてくれる人・そうではない人、自分と関わる人にはいろんな立場の人がいます。でも、全員ではないけれど自分をありのままに受け入れてくれる人もいるということに気づけたんじゃないかなと思いますね。

外に出かけることも、まだ近所のコンビニに行く程度ですが、できるようになりました。まだ同年代の子と外で遭遇すると戻ってはしまうのですが、少しずつですが行動が変わってきているように思います。

編集部:最後にイベントに参加しようか迷っている方へ一言お願いします。

参加を迷っている人はぜひ一度参加してみてほしいです。思い切って飛び込むことで見えてくることもあるかもしれません。
次ページ「イベントの詳細はこちら」

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