アスペルガー症候群の特性で料理が超苦手!私のストレスを激減させたキッチンお助けツール

ライター:GreenDays
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自閉症スペクトラムと診断されている9歳の娘、7歳の息子を育てている中で、私自身にも当てはまる特性があることに気がつきました。

そんな私が憂鬱な気持ちになるのは1日3回、必ずやってくるご飯の時間。各家庭ではどうやってこの試練を乗り越えているのかと思うほど、私にとってご飯づくりは頭痛の種でした。

毎日避けることができない苦痛の時間を快適にするために私がたどり着いたのは、いろいろなツールに頼ることでした。

生活の妨げになっていたのは「努力不足」ではなく…

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言語能力に頼って生きている私は、目の前にあるものの形を捉えたり認識したりすることはできるのですが、脳内でそれを再生できません。それによって人の顔が覚えられない、道が分からずしょっちゅう迷子になる、服を着た自分を想像できないため服選びが困難といったことがあります。

長い間、それが当たり前だと思って生きました。なので、何もかも一生懸命にやらなければ人並みにこなすことができない自分をでき損ないだと思い続けてきました。

しかし、子どもを育てながら発達障害についての勉強をしていくうちに、私に当てはまるそれらは努力不足なのではなく“脳の構造の問題”なのだと気づいて心がかなり楽になりました。同じような特性がある私の子どもたちには、自分自身を卑下することなく生きていってほしいという願いが大きくなるばかりです。

そこで、私自身の苦手なことは子どもたちに折に触れて「ママ、こういう理由でこういうことが苦手なの」と伝え、「だからこんな風にしているよ」とどんな風に乗り切っているのかを伝えていくことにしました

この作業を行うことで、私にとっても何を苦手とし、どこにその原因があるのかを真剣に考えるよいきっかけとなっています。

今回は、アスペルガー症候群の特性がある主婦の私が、家事の中でもっとも苦痛を感じる「食事の用意」について考えたいと思います。

掃除や片付けとは違う、料理の難しさ

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どうして食事の用意が私にとって大きな負担となっているのか、改めてじっくりと考えてみることにしました。部屋の片付けや掃除・洗濯は面倒ではあるけれど、そこまで気持ちが重くなる家事ではありません。

なぜなら…

片付け=決まった位置に戻す
掃除=汚れを取り、きれいな状態に戻す
洗濯=洗濯機を回して干し、畳んで収納する

つまり、どの状態がゴールなのかが始める前から分かっているので、取りかかる前のストレスが少ないのです。では、料理はどうでしょう?

食にあまり興味のない私と息子は同じものを食べ続けても平気ですが、娘と夫はそういうタイプではないので、毎日同じ献立というわけにはいきません。そうすると、まず「献立を決める」という難関が立ちはだかっています。

これは特性のない人でもとても面倒な作業だと思いますが、私の場合は今口の中にある料理が好きか嫌いかは判断できても、「食材やレシピをから味を想像する」ことができません。

つまり、“こういう味になればよい”という「料理のゴール」が皆目分からないのです。

できることなら毎日外食や総菜で済ませたいと思うのですが、私や子ども達には卵や乳製品、エビといったいくつもの食物アレルギーがあるため、簡単にはできません。そのため、特にしっかりとしたおかずをつくらなければならない夕方になるといつも憂鬱になるのでした。

味をイメージできない!頼っているのは…

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そんな私の役に立ってくれているものの一つが、レシピサイトです。

私が参考にしているサイトでは、有料会員になるとレシピのランキング表示ができるようになります。そのレシピでご飯をつくった人が「美味しかったよ」「こんな風にアレンジしてみたよ」とレポートを投稿する機能があり、投稿の多い順にレシピを並べ替えられます。

味を想像できない私にとって、これはとてもありがたい機能です。多くの人が美味しいと思って何度もつくっているのなら、と安心して調理することができます。

上位のいくつかのレシピの中からシンプルな手順のものを選んだら、食材と調味料がすべて揃っているかを入念にチェックします。味を想像できない分、確実にレシピを再現するために1つでも足りない調味料があると、もうつくることはできません。大さじ・小さじ・計量カップ・量りといった道具もレシピに忠実に従って使います。

ちなみに、調理工程を記憶することもできないので、1つ終わるごとにレシピサイトをのぞいて手順を確認します。さらには、途中でキッチンを離れてしまうとほかのことに夢中になってしまい、すっかり料理のことを忘れてしまいます。そのため「10分煮る」と書いてあればコンロの前で10分待機するのです。

同時に何品も調理することも混乱のもとになるのでできません。やっと1品ができあがったころには疲れてしまいぐったりです。その後、食に興味のある娘が「美味しい」と言ってくれてはじめて1つの料理が「ゴールにたどり着いた」ということになります。
次ページ「調理器具の活用で手順の大幅カットに成功!」

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