外では温厚なのに家では怒りっぽくなる?――身近な人にイライラをぶつけてしまう自分へのとまどいと改善策

2019/12/27 更新
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私は昔から「怒らない人」とか「怒らせたらすごい」と人からいわれるくらい「怒」という感情に縁がありません。しかし最近、余裕がなくなってきたり疲れていたりすると、親しい人相手に「怒」がものすごく出ているということに気づきました。
少し興味深かったので子どものころの自分を振り返りつつ、なぜ普段は温厚なのに親しい人の前では怒りっぽくなってしまうのかを書いてみようと思います。
突然怒りっぽくなる当事者の方への理解の助けになれば幸いです。

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凸庵(とつあん)
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すごく温厚な普段の私と自分勝手に振舞う余裕がない私

私は普段、誰かに対してほとんど怒ることがありません。特に仕事中は顕著で、周りの人が初歩的なミスをして自分が全部対応しなければいけなくなったときも「なんでこんなミスしたんだ!」というような気持ちにはならず、「ああ、こういうミスをするとへこむよね。さっさと解決して立ち直ってもらわなきゃなぁ」と思うことが多いです。

自分は温厚な人間だと思っていましたが、ある日、家に帰ってから妻に対して「これ片づけるって言ってたじゃん!」とか「これとこれはやっておかないとダメだよね!」と小言ばかり言っている自分に気づきました。

普段は怒ることがほとんどない自分がイライラと小言ばかり言っていることが自分でも不思議で、その日の夜、お風呂に入って色々と考えているうちにふと、子どものころの自分の怒りの表現はどうだったかな・・・と思い返していました。

幼稚園時代――他人にも感情があることを知らず、気に入らないと叩く

幼稚園時代は、気にくわないことがあると怒ってほかの子を叩いたり、ほかの子が話している内容に自分が知っていることが含まれていると「それ知ってる!F1ってセナがかっこいいよね!」みたいに口をはさんで勝手に話し始めたり...とても自分勝手な子どもでした。

いま考えると顔が真っ赤になるくらい恥ずかしい話なのですが、そのころの私は「自分以外の人間も感情をもっていて、自分と同じようにいろんなことを考えている」ということがまったく想像できていませんでした。

そのため、自分の感情や感じたことを何も考えずに周りにそのまま表現していました。

その後父にたしなめられたことで、自分以外の人間も自分と同じように感情があり、いろいろなことを考えているということを想像できるようになり、だんだん自分勝手な振舞いは減っていきました。
(父にたしなめられたときの出来事は以前記事に書いていますので、気になる方はご参照ください)
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学生時代――自己肯定感の低下から怒りの感情をもたなくなる

他人の感情が想像できるようになった私は、小学校にはいってからは従順な生徒として生活するようになっていました。

その後不登校を経験してから高専に入ってある程度年数を経るまでも、他人に対して「自分が怒っている」と感じたことはありませんでした。不登校を経験したことにより自分自身への評価がかなり低くなっていたためか、いつの間にか「自分は誰かに怒りの感情を抱いてはいけない人間なんだ」と思い込んでいたのだと思います。納得できないことがあったときには、怒る代わりに納得できるまで説明を求めて問い詰めることで解決していました。

「期待しない」「とりあえず受け入れる」処世術で温厚に仕事をこなす

こうして社会人になったのですが、周りの人たちには「怒らないけど余計な質問が多くて面倒なやつ」と認知されていたことと思います。それからもいろいろな経験をしてきましたが、相変わらず仕事でもプライベートでも他人に対して怒りの感情を覚えることはほとんどありませんでした。

例えば新卒で入社した会社では、先輩から「いじり」という名目で「おまえならだいじょうぶだよな?」とか「テレビのアレまねしてみろよ」みたいなことを言われていたことがありました。

いま考えてみると人によってはとても耐えられない状況だったとは思うのですが、私としては嫌な気持ちはありつつ「自分が話すのが下手だから輪にいれようとしてくれてるのかな」と思い、その言動を受け入れようとしていました。

このころは自分自身への評価の低さに加えて、独自の処世術として「自分以外の人に期待しない」だったり「相手が言ってきたことはとりあえず受け入れてみる」という考え方をしていたこともあり、そもそも誰かに怒りという感情を抱く以前に処理していたような気がしています。

人には怒りを感じない一方で――思い通りにしたいものにはイライラが募るように

しかし、人に対しては怒りを感じない一方で、パソコンやアプリなど、自分がこう動いてほしい!と思っているのにそう動いてくれないものについてはイライラすることがよくありました。

私がイライラするポイントは相手に対してこう動いてほしいという希望や、こうしてくれるだろうという期待を持っていて、その通りにならなかったとき。このあたりにヒントがあったのかなと思います。

身近な人にイライラしてしまう自分に気づいて

自分が期待しているものが期待どおりに動いてくれないととたんにイライラしだす傾向にあることを踏まえると、最近妻に対してイライラするようになったのは、自分の中で妻との距離が近くなったために、自分自身と同じようなレベルで妻に期待してしまうことが原因なのかなと思います。

この状態は妻にとってかなり窮屈な状態だと思っているので、今後どうやって改善していこうか考えているところです。今のところは以下のように振舞うことで対応しています。

自分と他人は違うことを頭におき、なぜそうしたのかを考える

私が家族以外の人間関係でイライラしないのは、「人に期待をしない」考えがベースにあるから。

身近な人間に対してはこの考え方をするのがなかなか難しいですが、良くも悪くも自分と妻は違う人間であることを意識して、自分が期待していることと違うことをされた場合には、なぜ妻がそのような行動をしたのかを考えたり想像したりするようにしています。そうすることで、お互いの違いを理解していくことができると考えているからです。

そもそもイライラしている自分に気づく・イライラポイントを分析する

あっ!いまイライラしてる!と、自分の気持ちに気づくことはとても重要だと考えています。そして、何に対して・なぜイライラしたのか、そのときの自分のコンディションはどうだったかなど、可能な限りで振り返るようにしています。

その上で、また同じような状態になったときに、自分にも周りの人にとってもよりよい状況になるような対処法を日々考えています。ちなみに私の場合、不必要に声が大きくなっていたり、説明している理由が論理的でない感情的な発言をしていたりしたら、自分が怒っていると判断するようにしています。

イライラしたときはいったんその場を離れる

自分がイライラしていることに気づいたときには、そのまま妻にぶつけてしまわないようすぐにお風呂に入ったり、自分の部屋にこもったりして物理的に妻と距離をとるようにしています。私は妻よりも口ゲンカが強いため、イライラをぶつけてしまうことで妻に嫌な思いをさせてしまうのが嫌だからです。

ひとりになれば誰も傷つけることなく、なぜ自分がそのときイライラしたのかをじっくり考えることができるため、個人的にはかなり安全な策だと思っています。

落ち着いてから、イライラしたことを理由とともに説明する

妻からは突然怒ったように見えると思うので、原因や理由を説明しないと「理由はよくわからないけどささいなことで夫が突然怒り出した」という状況になってしまい、かなり怖いのではないかと思います。

そのため、怒った理由を言語化できるときにはなるべく妻に伝えるようにしています。「リモコンがいつも自分が置いている場所とは違う場所に置かれていたから、イラッとしてしまった」のようなささいなことでも、気づいたら言語化して伝えるようにしています。こうすることで自分で自分の怒りの原因を知ることができますし、妻にもそれを知ってもらうことで、今後同じような状況になったときに自分も妻も前回とは違う振舞いができるのではないかと期待しています。

自分勝手に振舞うことは甘えていることの表現なのかも

身近な人に自分のイライラをぶつけてしまうことについて、もう一つ思い当たる要因があります。私は感覚過敏のためか他人との身体の接触があまり好きではないので、小さなころから両親にべたべたくっついて甘えることはあまりありませんでしたが、「自分の考えを好きなだけ話す」ということが私にとってべたべたくっついて甘える行為に相当していたのかなと今では思います。

家族も仲の良い友人も、自分の考えをしっかり聞いてくれるしその考えについてちゃんとコメントをしてくれていたので、そのコミュニケーションが安心感を生み、自分なりの甘え方になっていたような気がします。

そう考えると、自分自身の期待を投影してしまい妻にイライラしてしまうということも、妻に対して「なんで自分のことをわかってくれないの!」というような、かなり子どもっぽい甘え方をしている側面もあるのかなと思っています。

これは私だけの感覚で他の発達障害当事者の方はまた違う感じ方になるのかもしれませんが、物理的に近づく以外にも甘えを表現する方法があるところをご参考にしていただけますと幸いです。

社会人になってから家族にもこういう甘え方をしなくなっていたので、この状況にどう対応するのが良いのか戸惑っているところです。自分なりのコミュニケーションで人との距離感を縮めようとしている自分自身の特性を把握しつつ、これから状況を改善するためにいろいろと試していってみようと思います。
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