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[第1回]

 ADHDでアスペルガー。ハイブリッドな僕にとっての「仕事の面白味」

今回お話を伺う岩本友規さんは、外資系企業でデータアナリストとしてご活躍されています。社会人10年目でADHDとアスペルガー症候群と診断されるまでは、「どうして努力しても結果がでないのだろう」と悩みが尽きなかったといいます。

編集部:お忙しい中ありがとうございます、よろしくお願いします!

岩本:こちらこそ、よろしくお願いします。
実は先日、別の媒体でインタビューをお受けしたとき、話が止められず、3時間ほど喋ってしまい・・・今日は気をつけたいと思います。(笑)

特性をフル活用して取り組む、仕事の面白味とは

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編集部:成人になって発達障害と診断された、という事で最近出版もされたんですよね。

岩本:はい、少しでも「大人の発達障害」と向き合った経験が活きれば、と執筆させていただきました。

編集部:現在は、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

岩本:今は、外資系企業でデータアナリストをしています。こんな風に言うとかっこいいですが、かなり地道な仕事ですね。(笑)

日本の過去の売上の数字をみて、今年の動向についてアジア全体を管理している部署に報告する仕事です。
マーケティング担当者と日本の購買状況を確認、最新情報を仕入れて検討して、「次に売っていく商品はこれがいい」と意見を言います。

編集部:なるほど。今のお仕事に就いてどのくらいですか?

岩本:もう2年ほどになりますね。

売上データを分析して結論を出すのですが、数字を見て、仮説を立てて、必要な情報をあつめて・・・というのを実験のように何度も繰り返し行います。

私は物事の理由を探して、それがスッキリ分かる瞬間が好きなので、すごく面白いです。
もし思う通りの結果がでなければ、また一からやり直しなのですが、結果がでたときは嬉しいですね。

そうやって出した分析結果が、会社の役に立っているのは、もっと嬉しい。仕事の面白味というのでしょうか。
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編集部:そうなんですね。ADHDの傾向があると、コツコツ積み重ねる作業系の仕事よりも、営業や接客に向いていると聞くことが多いですが、デスクワークをされてらっしゃるのですね。

岩本:仕事が向いている向いていないというのは経験値も含めての話だと思いますが、確かにADHD傾向のある方は、作業系の仕事だとなかなか力を発揮しにくいと聞きますね。

ただ、私はADHDでありアスペルガー症候群なので、二重苦といいますか、特性がハイブリッドなんですよね。(笑)
アスペルガーの特性で、理屈っぽくロジックで攻める事もできる。それが、すごく活きていますね。

なぜか電話番ができない。社会人になって初めての挫折

編集部:岩本さんは、現職のデータアナリストの前はどんなお仕事をされていたのですか?

岩本:最初は営業のような仕事を3年ほどしておりました。

編集部:今と全く違いますね!

岩本:ええ。本当に。(笑)
新卒で法人営業として入社し、最初は電話を取るのですが、これが全く思うように出来なかったんです。

電話を聞きながらメモをして、質問に答えたり、いくつかお伺いをしたり。一般的な電話番の仕事で、難しいこともないはずなのですが・・・。まさか自分が電話番ができないとは思ってもいなかったですね。

社会に出てはじめて、一生懸命取り組んでも上手く行かない、どうにもならない、というのを経験しました。
編集部:そうなんですね。その時は、どうされていたのですか?

岩本:電話中には、言葉の頭文字をなんとかメモをして、電話を切ってから急いで書き足していました。ただ、電話番号を控えるのは本当に苦労しました。電話番号は全て覚えなくてはいけませんから。(笑)

編集部:社会人になるまでの学生生活や幼少期も、板書などではお困りだったのでしょうか。

岩本いえ、それが全く。板書は見て書き写すだけなので問題ありませんでした。

学生時代の困りごとを強いて言うなら、正しいことしか言えずに友人とはよくぶつかっていました。部活の仲間に正面から「それ間違っているよ」と言ってケンカになったりしていました。
それでも、学校生活の中では、社会人の電話番ほど困った事はありませんでしたね。

次回は

「子ども時代に失敗体験なんてなかった。そんな私が鬱になった理由」をお届けいたします。
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