不安障害(不安症)とは?診断基準・種類・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ(2ページ目)

不安障害の相談先と治療先

まずは、全国精神保健福祉センターや身近な精神科、心療内科へ行き相談しましょう。

病院へ行くことに不安や恐怖を感じる方は、電話で相談から始めると良いでしょう。全国保健福祉センターでは相談ダイヤルが設置されており、時間は自治体によりますが、電話で相談できる環境が整っています。

全国精神保健福祉センター

各都道府県、政令市には、ほぼ一箇所ずつ設置されている、精神保健に関する公的な窓口です。

当事者活動の支援や組織化の手伝い、精神保健福祉に関する相談をすることができます。精神科医、臨床心理技術者、精神科ソーシャルワーカー、作業療法士、保健師、看護師などの専門職が配置されています。相談については、予約制、健康保険の適応があるところが殆どです。詳細は、それぞれのセンターにお問い合わせ下さい。

以下はセンターの連絡先一覧です。

精神科

主に心の症状、心の病気を扱う科です。心の症状とは具体的に不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚(幻視・幻聴など)、妄想などのことです。

心療内科

主にストレスと関連して現れた身体の症状を扱う科です。過敏性腸症候群やアトピー、喘息などを扱うこともあります。

精神科、心療内科どちらに行ったらいいか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、不安障害の場合、身体にも心にも症状が出るので、どちらの診療科でも治療対象となります。

不安障害の治療

治療法は、主に薬物治療と精神療法に分かれます。以下の治療法は一例です。疾患やその症状が様々であるように治療法も様々です。医師と相談の上で決めていきましょう。

薬物療法

ここでは主に、社交不安症・社交不安障害(ICD-10では社交不安)の薬物療法について詳しく説明します。

◇主に使われる薬
・抗うつ剤(SSRI):抗うつ剤はうつ病への治療薬というだけでなく不安や恐怖の改善のためにも使用されています。不安や恐怖にかかわる脳内物質であるセロトニンを増やし、恐怖や不安を軽減します。

・抗不安薬(安定剤):上記の抗うつ剤と違い、即効性があります。ですが、長期服用すると依存性と耐性が現れます。

・漢方薬:漢方の中でも不安障害に効く薬がありますが、個人差が大きいです。なんらかの理由で上記の抗うつ剤が使えない場合などに用いられることが多いです。

◇治療の流れ
初めは抗うつ剤と抗不安薬を両方服用しながら、抗うつ剤を徐々に増やし、不安、恐怖心をなくします。抗うつ剤が十分な量まで増えたら、次に徐々に抗うつ剤を増やし、抗不安薬を減らします。これは抗うつ剤の効果が現れるのに時間がかかるためです。そして、完全に抗不安薬をなくします。そこから約一年、抗うつ剤を服用しながら、不安や恐怖の無い状態に慣れていきます。

さらに詳しい薬物療法については比較的分かりやすく記載されている以下のサイトなどを参考にしてみてください。

精神療法

◇認知行動療法
強いストレスにより、私たちの認知はゆがめられてしまうことがあります。それにより過度に不安感や恐怖心を抱き疾患を発症している可能性があります。認知行動療法ではストレスの原因である物や状況への捉え方を変えることでストレスを軽減していきます。
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◇曝露(ばくろ)療法
曝露療法は、不安障害を発症している人が当然ながら避けようとする不安、恐怖に慣れて克服しようとする方法です。自ら、または家族や医師と一緒にその不安や恐怖を感じる場所やものに足を踏み入れ自分をさらしていきます。初めは大きなパニック発作や不安感、恐怖心を伴いますが、一歩踏み入れることができたという事実が自信につながり、徐々に自信を大きくし克服していきます。
◇森田療法  
森田療法は、精神科医、森田正馬(1874~1938)によって創始された神経症に対する精神療法です。森田療法は、対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、不安神経症(パニック障害、全般性不安障害)、心気症などが主たる治療の対象であり、これまでに高い治療効果をあげてきています。人間が本来もっている人間らしい欲望や不安、感情のメカニズムなどを医学的に解明―その理論にもとづき、「あるがまま」の心を育てることによって神経症をのりこえていくのが、森田療法です。
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日常生活でできること

生活習慣の見直し

生活習慣が乱れると精神状態は不安定になり不安が高まってしまいます。睡眠不足や栄養の偏りが続くと、いつもよりネガティブになってしまったり怒りっぽくなってしまったり、精神的に不安定になってしまいます。

まず、決まった時間に寝起きし生活リズムを整えましょう。十分な睡眠は不安感や恐怖心を軽減させます。

次に食生活を改善しましょう。脳へ十分、必要な栄養を送ることで不安感の高まりは軽減します。特に過度なアルコールは控えましょう。

リラックス法を学ぶ

「リラックスなんて誰にだってできる」、と思うかもしれませんが、意識的に不安、恐怖を取り除くためにリラックスをすることは難しいです。不安がどうしても治まらないときに特別なリラックス法を知っておくと、不安や緊張を多少なりともコントロールすることができ、とても役に立ちます。

こうしたリラックス法は、具体的に自立訓練法や呼吸法があります。本やDVDを用いて自分で習得することもできます。症状があるときだけでなく、定期的に行うのがよいでしょう。

不安障害のある人のために、周囲の人はどう対応すべき?

不安障害を発症している人が周りにいる人は以下のことを気をつけ、その人を支えていきましょう。不安障害の克服のためには、その不安や恐怖に立ち向かう必要があります。そんな時、家族やパートナーなどの周囲のサポートは不可欠です。

以下は、不安障害を発症している人と接する際、家族やパートナーが気をつけることです。

・気持ちの問題と性格だと決めつけない
・「頑張れ」と言わない
・辛い時は休める環境を整え、安心感を与える
・できないことがあっても責めない

まとめ

不安障害の症状や原因は、その不安、恐怖の対象別に様々です。この記事では、『DSM-5』の診断基準に準じて、不安障害の種類別にその特徴を紹介してきました。不安障害のある人が、一人ひとりどのような不安、恐怖を抱えているかを考える参考にしていただければ幸いです。

様々な症状と疾患がある分、治療法も多岐にわたります。性格の問題、気持の問題と決めつけずに精神科、心療内科などの専門家に相談し、自分に合った治療法を探していただければ幸いです。
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