挨拶は「すみません…」子どもを連れて謝ってばかりだった日々。

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育てづらい発達障害の子を育てていると、いつの間にか「謝り癖」がついていたりします。人の顔を見るのも怖くなって、私はいつも下を向いて歩いていました。ある日それを習い事の先生に指摘され、そんな自分を初めて自覚したのです。

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息子を連れて行った先では、その場から逃げるように謝る日々

発達障害を持つ息子との生活で、私は「謝ってばかり」いました。

かつて、多動やこだわりが強かった息子を外に連れ出すのは、気を揉むことばかり。

気になるものがあれば親の手を振りほどき全力ダッシュ!スーパーに連れていけば、ありとあらゆる品物に指をブスっ!

欲しくもない鶏肉や豚肉を買い取ることになったことなど何度あったでしょう。

そして、公園に連れていけば順番が待てず、絶叫。お友達の物を勝手に使い、「返しなさい」と言えば息子はパニック。

私は周囲に「ごめんなさい」「失礼しました」「申し訳ないです」と謝り倒しながら、息子の手を引いて大急ぎでその場を離れる毎日でした。

謝っているときは怖くて相手の目を見られませんでした。きっと、冷たい目で見てる、きっと白い目で見られてる、そう思うと泣きたくなりました。
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私の口癖は「すみません」

そんな日々を繰り返し、いつの間にか私の挨拶は「すみません…」になっていました。

幼稚園に行っても、病院に行っても、公園に行っても、枕詞は「すみません…」。怖くて相手の顔を見ることもできません。きっと軽蔑されている、迷惑だと思われている、この子はまた迷惑をかける、そう思っていました。

「こんなに迷惑をかける子を連れてきて、堂々と顔をしていたらきっと反感を買うだろう」そう思っていました。だからせめて、申し訳なさそうな顔をしていよう、少しでも許してもらえるだろうか、と。

習い事の先生が私に一言。「お母さん、…」

そんなある日、私は息子の習い事の先生からこう言われました。

「お母さん、息子くんはすごく一生懸命頑張ってるよ。

なんでいつもそんなに申し訳なさそうな顔をして下を向いているの?」

私は周囲の目を気にしすぎるあまり、いつの間にか申し訳なさそうな顔をして下を向いて謝るのが癖になっていました。


その謝り癖」に気付いてからは、意識して上を向いて笑うようにしました。「すみません…」を挨拶にせず、「お願いします」「ありがとうございます」と言うようにしました。

自分の中で決めたのです。

人に迷惑をかけたときはきちんと謝る。でも、そうではないときには必要以上に謝らない」と。

下を向いてばかりだった自分も、否定せずにいよう

そう思い、続けるうちに周囲はそれほど息子を迷惑がってなかったことに気がつきました。そして、私が思っていたよりもはるかに「面白い子」「可愛い子」と、息子を認めてくれている人がたくさんいたということを知ったのです。

何よりも、息子のとんでもない行動は少しずつ減っていきました。

上を向いて笑顔で過ごせば、息子が少々騒いでも「可愛いねえ。いい子だねえ。」と言って声をかけてくれる人は沢山いました。当時、このちょっとした一言がどれだけ励みになったことでしょう。

今、息子が成長してこんな風に当時のことを振り返れるようになりました。下を向いて謝りながら歩いていたあのときの自分のことも、否定することなく受け入れていこう、と考えています。
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