大人のアスペルガー、仕事で困っている10のポイントと周りの対処法

ライター:shoko
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最近世の中にも認知され始めた「アスペルガー症候群」。大人になってから障害があることが分かるケースも少なくありません。アスペルガー症候群の人が抱えている仕事での困難と、周りの対応の仕方をお伝えします。

目次

アスペルガー症候群って?

アスペルガー症候群(AS)とは、

・コミュニケーションの問題

・対人関係の問題

・限定された物事へのこだわり・興味


の3つの症状がみられる脳の機能障害であり、発達障害の1つです。

知的障害や言葉の発達の遅れがないため、障害と認知されづらく、本人が生きづらい思いをしたり周りが理解に苦しんだりすることが少なくありません。

アスペルガー症候群は約4000人に1人の割合で発症するとも言われていますが、本人や家族に自覚がない場合も含めると、その数はもっと多いと考えられます。

では、アスペルガー症候群のある大人は仕事をしてどんなことに困っているのでしょうか?

アスペルガー症候群の人が仕事で困りやすい10のポイント

1. あいまいな表現や指示をうまく飲み込めない

普通の人が理解できる会話であっても、アスペルガー症候群の人は言葉の意味が読み取れず、理解できないことがあります。「これ」「それ」「あそこ」といった代名詞や比喩、あいまいな表現が苦手です。

また、指示が分からず質問しようとしても「何が分かっていないのか」「何をどのように質問したらいいのか」が分からず、固まってしまうこともあります。

2.指示待ち人間になりがち

きちんと指示されれば自分で仕事をこなすことができますが、いわゆる「気を利かせる」という暗黙の了解のようなものを理解するのが苦手です。他の人が忙しそうにしていても手伝おうとしなかったり、共同作業に参加しなかったりします。

3.空気が読めず、人を傷つけることを意図せずに言ってしまう

アスペルガー症候群の人は人の気持ちに共感したり、想像したりすることが苦手な傾向があります。相手の容貌の変化などについて「太ったね」と率直に口にしたり、上司のミスを見逃せず面と向かって注意してしまいます。

そのため、職場でのコミュニケーションがうまくいかずに、自分でもよく分からないまま周囲から孤立してしまうことがあります。

4. 相手との距離感がつかみにくい

アスペルガー症候群の人は、相手との心理的な距離感を適切に取ることが苦手で、自分で気付かないうちに相手を不快な思いにさせてしまうことがあります。

相手の立場に応じて自分の態度や言葉遣いを変えにくく、上司に向かってなれなれしい態度をとったり、逆に家族や親しい人に対して丁寧すぎる言葉づかいをすることがあるようです。

5.社交辞令が通じにくく、言葉を文字通り受け取ってしまう

相手の表情や口調から、その言葉が本音か建前かを察することが苦手です。「今度遊びにおいでよ」「今度誘うよ」といった言葉のはずみの口約束を文字通り真に受けてしまうことがあります。また、皮肉っぽい叱り方をしても通じないことがあります。
わたしの弟はアスペルガーですが、学校で教師に「やる気がないなら帰れ」と言われ、はいわかりましたと頷いて帰りました。
アスペルガーの人は、コミュニケーション障害があるので、言葉を額面通りに受け取ってしまうことが多々あります。言葉の裏にある真意を読み取ることは大変困難です。
出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14162934179

6.細部にこだわりすぎて仕事が進まない

作業の一部分にこだわってしまい、それに熱中しすぎて他のことに手をつけられないことがあります。その結果、仕事の中でも些細なことが気になって自分が納得いくまでやり直し続けるので、納期に間に合わなくなってしまうこともあります。

7.急な予定変更に対応できない

規則性を好むため、計画的に行動を行うことは比較的得意です。しかし、急なスケジュール変更やハプニングに対応することが難しい傾向があります。たとえば定例会議が都合で中止になると、その時間何をしたら良いかが分からず混乱してしまうこともあります。

8.仕事に優先順位をつけられない

今やっている仕事の途中で他の仕事を頼まれたり、一度に複数のタスクがあると混乱してどうしたらよいか分からなくなってしまうことがあります。
決まった手順で黙々と作業をするのが好きで、書類の細かな不備等を見つけるのは得意な方です。しかしルールが複雑(コロコロ変わる)だったり、集中している時に他の作業が入ってくるとグチャグチャになります。
出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13158294768

9.デスクが整頓できない

モノに対して強い好みを持つことが多く、モノを捨てることを極度に嫌がることがあるため、整理整頓が苦手な場合があります。また、散らかっている状態にしか見えない状態でも、本人とっては規則性があり、何がどこにあるかは分かっていることが多いです。

10.人の顔をなかなか覚えられない

アスペルガー症候群の人は、「ワーキングメモリー」といわれる短期記憶機能が弱いため、人の顔を覚えることが苦手な場合があります。何回か会っているのに「はじめまして」と挨拶をするなど、会社で取引先などの外部の人とかかわるときに支障が出ることがあります。
私も、人の顔と名前がなかなか覚えられません。

なので、職場などでも人の名前はわざわざ自分から聞かないようにしています。きいてもおぼえられないのに、きいてしまうと名前で呼ばなければいけなくなるので…。名前呼ばなくても「すいません 、⚪︎⚪︎どうします?」みたいな聞き方で相手も、まさか自分の名前をおぼえていないとか気付かないし、気にしてないと思います。私の場合は、接する機会が多ければ覚えていけるのですが、覚える必要性を感じた時はメモですね。メモにどこの席に座っている、こういう人(似顔絵を描く)雰囲気、声の高さなど。あと、手帳の会った日付けのところに記入したりします。いつ、どこで会ってどんな話をした誰なのかを。顔と名前より、どこでその人と会って、どういう話をしたかの方が覚えやすいので。
出典:https://h-navi.jp/qa/questions/32843

会社にアスペルガー症候群の人がいたら、周りはどうすればいい?

アスペルガー症候群の診断がなくても、仕事をするうえでこのような傾向がある方はもしかしたら多いかもしれません。そんなとき、周りはどう対応すれば良いのでしょうか。

業務内容を一つずつ、具体的に伝える

あいまいな指示では何をすればいいか分からなくなってしまうため、「○○さんの書類整理を15分手伝ってほしい」というように、できるだけ具体的に指示すると良いでしょう。「ちょっと」や「すぐに」といった言葉もどの程度を指すのか良く分からないことがあるので、「5分間」「3時までに」というように時間をはっきりさせることも大切です。

また、一度に多くの仕事を頼むのではなく、一つの仕事が終わってから依頼すると、本人の混乱が少なくなります。

予定や業務内容を視覚化する

アスペルガー症候群の人は、耳から聴いた情報よりも目から入った情報のほうが処理しやすい傾向にあります。

仕事を予定通りに進められない場合、スケジュールを視覚的に把握しやすい場所に置いたり、朝起きてからの準備をルーティンワークにして紙に書いて予定通りにできるか実行してみることが有効です。

どのような支援が必要なのか、本人に直接聞く

本人が障害を自覚しており、また会社にも障害を報告している場合は、どんなことが苦手でどのようなサポートが必要なのか、本人と相談し合うのも一つの方法です。本人も周りの理解を得ることで仕事がしやすくなり、悩みを相談しやすくなります。

一方で、特にADHDであると共有されていない場合は、診断の有無を本人に聞くのはなかなか難しいですよね。
まずは「どうすれば◯◯さんは仕事がしやすくなりそう?」と一声かけて、お互いの業務がきちんと完了する方法をさがしてみるのも良いでしょう。
次ページ「「アスペルガーだと仕事ができない」というわけではない」

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