「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめ(2ページ目)

感覚統合に問題があるかも...と思ったら?

では実際に子どもが感覚統合に問題があるかもしれないと感じた場合、どのように支援していけばいいかについて紹介します。

◇感覚統合検査、チェックシートなどで自分の子どもの傾向を調べてみる
日本感覚統合学会が紹介しているJSI-R(Japanese Sensory Inventory Revised)という子どもの感覚統合の状態をチェックするための質問紙があります。この質問紙に沿って子どもの感覚統合の発達状態やどこにつまずきがあるのか確認することができます。

ただし、これはあくまでも子どもの行動チェック表に過ぎません。この結果だけで子どもの状態や優劣を判断するものではないので、目安として利用することが大切です。質問紙は以下のサイトから簡単にダウンロードすることができます。
◇感覚統合療法を受けてみる
感覚統合のつまずきへの支援には、感覚統合療法を取り入れることも1つの方法です。感覚統合療法では、作業療法士(OT)が子どもに寄り添いながら、子どもが「楽しい!」と思うような遊びや運動を通して、感覚機能の未熟だったり苦手だったりする部分を伸ばしていくことをねらいとしています。感覚統合療法に興味がある方は、自治体の療育センターやリハビリ、小児科医などの医療機関へ足を運び、相談してみるのも一つの手かもしれません。

◇家庭や保育園・幼稚園・学校で感覚統合が促進されるような遊びや活動をやってみる
家庭や学校など、感覚統合は遊びや日々の活動を通してどこでもトレーニングすることができます。ボールを投げ合いっこする、積み木を高く積み重ねていく、ブランコ遊びなど身近にあるおもちゃや遊具でも感覚統合を促進するような遊びにつながります。家庭や保育・学校環境でできる感覚統合を高める遊び・トレーニングは以下の書籍に紹介されているので、参考にして取り入れてみるのもよいでしょう。

感覚統合の難しさと、発達障害との関係は?

数々の発達障害の症状には、感覚統合がうまくいかないことが深く関わっている場合があります。発達障害の症状の一つに感覚統合の問題があるため、感覚統合の仕組みを理解することは発達障害への理解にもつながります。感覚統合の仕組みをもとに生み出された感覚統合療法は、学習障害(LD)、発達性協調運動障害、自閉症スペクトラム(および自閉症、アスペルガー症候群)、自閉傾向がある子どもによく利用されている療育方法でもあります。

発達障害がある子どもに感覚統合という面でつまずきがある、感覚統合療法を受けているという体験談をご紹介します。このお子さんは2歳の時点で自閉症スペクトラム、そして発達性協調運動障害という、手・目・足のそれぞれの部位の動きを一緒に行う運動(キャッチボール、縄跳びなど)が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であったりするという障害であると診断されたそうです。

2歳の時に主治医に書いていただいた診断書を見返してみて、「発達性協調運動障害」の文字を見つけ、やっぱり感覚統合が必要だったのだと、改めて思いました。

現在の年齢(小学三年生)になり、療育を受けられるところがなくなったので、いろいろ家庭でできることを調べていると、訓練に通っていたときにやっていた遊びがどのようなことに関係しているか、分かってきました。

たとえば、
・ボールプールに入ることは、ボールの感触が背中に伝わることによって、自分の背中を認識できる
・ビーズコースターを使うことは、手と目の協調運動を促す
などです。

6年間の訓練の成果かどうかはわかりませんが、自転車に乗れるようになったり、縄跳びがとべるようになったりしています。

出典:https://h-navi.jp/qa/questions/1409
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まとめ

感覚統合の発達には子ども自身の「楽しそう!」「やってみたい!」という気持ちと周囲の大人の励まし、成功体験ができるような環境づくりと工夫が重要です。

感覚統合がうまくいかない子どもに対して「ちゃんとしなさい」「~してはいけないよ」と言っても、子どもにとっては何がいけないのか、どうしていけないのかわからない、わかってはいるけどやめられないという場合が多くあります。また、うまくできないという不安から緊張をもたらし、ますます失敗してしまうという悪循環に陥り、ストレスを抱えたり自信をなくしてしまったりすることがあります。

パパ・ママや周りの大人は、子どもができていないことだけに着目するのではなく、できていないという背景には感覚統合がうまくいっていないのではないか、感覚の使い方がうまくいっていないことが影響しているのではないか?と考えてみることが重要です。

子どものある動作が気になる、どうしてこんなに不器用なのか、他の子と一緒にできないのか...そう思ったら、一度その動作を支える"感覚"の発達に戻ってみましょう。そして、子どものやる気、成長体験を大事にしながら、もう一度感覚統合を積み上げなおしてみることで、子どもの気になる行動を少しずつでも良い方向へ導いてあげたいですね。

参考文献

乳幼児期の感覚統合遊び
高畑 脩平・田中 佳子・大久保 めぐみ (編著),‎ 加藤 寿宏 (監修)
クリエイツかもがわ
学校・家庭で楽しくできる 発達の気になる子の感覚統合あそび (発達障害を考える心をつなぐ)
川上 康則
ナツメ社
親子で楽しめる 発達障がいのある子の感覚あそび・運動あそび
杉並区立子ども発達センター,‎ 秦野悦子
ナツメ社
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