「感覚統合訓練、本当に意味があるのですか?」
昨日、保護者の方から相談を受けました。月2回、感覚統合訓練に通い始めたが、何のために必要か分からないという相談でした。
私はいつも思うのです。「なぜ、その訓練が必要なのか?」と。
感覚統合訓練を否定する考えはありません。私もトレーニングを受けた専門家の一人であるので。
ただ、「月2回、1時間程度の訓練だけで力が育つか」と問われれば、それは難しいと思うのです。
訓練室は、必要な器具が整っていますし、専門家もいます。一見すると、「訓練を受ければ子どもの力が伸びる」、と思えますが、訓練室でできることは限定されます。これは、どの療育でも同じです。
私は、療育や訓練での学びを普段の生活の中で「般化」することが大切であると思うのです。ただ療育や訓練を受けるだけでなく、家庭の中でも取り組むことができる課題を専門家に教えてもらい、親子で取り組むということです。
訓練室でなくても、公園の遊具を使った遊びを通して、子ども達のからだや感覚を育てることはできます。親子で楽しい遊びの時間を過ごすことで、コミュニケーションの力も育つことでしょう。
私は、身近な地域の中で親子が一緒に取り組むことができる課題設定が大切であると思っています。特定の領域の機能を伸ばすことも大切かもしれませんが、将来の社会的自立に向けて基本的な生活能力、社会適応能力を育てることが一番大切であると考えています。
センター長 黒葛原健太朗
「訓練室」での訓練だけで力は育つのか?
教室の毎日
20/09/25 14:20