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アナログゲームを活用した療育

教室の毎日
よよこ~クラブ大和での療育の一つの支援が、アナログゲームを活用したものです。
 アナログゲームというのは、カードゲームやボードゲームの総称です。テレビゲームであるプレステやSwitchなどと違い、基本的に電気を使わないので、非電源ゲームなどと呼ばれたりもします。
 日本で有名なアナログゲームといえば、トランプやUNO、百人一首などの、カードゲームや人生ゲームなどの、ボードゲーム。オセロ、将棋、チェス、麻雀などの対戦型ゲーム。なつかしいところだと、おはじきやメンコなど。あとは、ジェンガなどのおもちゃなどが挙げられますが、実は世界にはもっとたくさんのゲームがあります。
 アナログゲームを活用した療育の良い点は、まず何よりも「面白い」ことです。
療育は、トレーニング的な側面も強いですが、よよこ~クラブ大和では、できるだけ、こどもたちが楽しんで取り組めるものでありたいと思っています。
アナログゲーム療育との関わり
 元々はスタッフの一人が私物のとあるカードゲームを持ち込み、子ども達と一緒に遊んでみようと言い出したのが最初のきっかけです。その際子ども達の食いつきが余りによかったため気をよくしたスタッフが引き続きボード・カードなどのアナログゲームを持ち込みつづけ現在80個のゲームを活用しています。
 アナログゲームが能力開発に活用でないかと考えるきっかけは、他団体から「キャット&チョコレート」(幻冬舎エデュケーション製作)を借りて遊んだときでした。
プレゼンテーションゲーム、というジャンルに当たるこのゲームは、3枚のアイテムカードを使用し、アクシデントカードに書かれた問題を解決できるかどうかを競うというゲームです。
アイテムをどう使うかはすべて口頭で説明、つまり解決法をプレゼンするゲームです。
解決できたかをどうかを判断するのは他のプレイヤーなので、限られた手段の中で如何に他者に認めてもらえるかが重要になります。面白いから解決、納得できるから解決、色々な判断基準がそれぞれにあり、普段コミュニケーションが苦手な子どもにも大いにうけて、笑いの中で各々自由な発想を言葉にすることができました。自己表現の練習になるのではと考えた結果、ゲームのルールを応用して放デイオリジナルの「キャット&チョコレート」を製作しました。上級生の子ども達にも手伝ってもらって完成した際にはもちろん皆で遊び、非常に盛り上がりを見せました。これ以降、ゲームを購入する際や遊ぶ際に、これはどんな能力開発につながるだろうかという視点ができました。
オリジナルゲーム完成からしばらく後、ボードゲームショップのウェブサイトで出会ったのがアナログゲーム療育 コミュニケーション力を育てる ~幼児期から学齢期まで~」(ぶどう社)の著者である松本太一先生でした。東京でボードゲームを療育に活用している所があると知って大変驚き、またうれしく思いました。 当団体で行っていた支援の中で、
方針となっていたのは青少年自立援助センター理事長工藤定次氏の、「自力で食べていける人間に育てる」という考え方です。
では、アナログゲームで培われる力にはどんなものがあるでしょうか。思いつくままにあげてみます。
・1枚ずつカードをめくったり配ったり、コマを持つ、バランスを取るなどの、指先の巧緻性を高めること。
・相手のカードは何かな?自分が勝つためにはどうすればいいかな、といった、判断力や思考力、推理力など。
・「相手はこう来るだろうから、自分は次はこうするぞ」といったように、他者の気持ちを想像し、それを自分の行動に組み入れる必要があること。
・「神経衰弱」など、記憶力が要求されるものもあること。
・トランプゲームの「ダウト」のように、ときにわざと嘘を言ったり、ハッタリをかましたりする必要があるものもあります。これはかなり高度な心理的技術が必要です。
・順番を待つ、順番を守るなどのゲームのルールを守るという、ソーシャルスキルトレーニング的な要素。
・点数やコマなどのやりとりをすることで生まれるコミュニケーション。
・相手の好きなものを当てたり、自分の好きなものをプレゼンしたり、と言ったゲームもあるのですが、そうした中で他人に興味を持ったり、他者への関心を高めるきっかけとなること。
・勝敗があることで、「勝った!嬉しい!」という気持ちや、「悔しい、次は勝つぞ!」という気持ちを育むこと。もっとうまくやるためにはどうしたらよいか、という試行錯誤を育むこと。
・「小さな失敗」を試せることで、失敗や敗北にめげず、次につなげようとする気持ち。
ざっと思いついただけでも、こうした様々なポジティブな側面があります。このように、アナログゲームを活用した療育には、様々な可能性があります。
一つひとつのゲームの魅力については、また順次、このHP・facbookなどで、お知らせしていきますが、こうしたゲームの側面に注目しながら、よよこ~クラブ大和では療育に活用していきたいと思っています。
アナログゲーム療育についてより詳しく知りたい方は、この分野の第一人者である、松本太一さんのブログなどをご参照ください。

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