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園への行き渋り、どうする?②

教室の毎日
今回は、前回に続き、「園の行き渋り」に関するT先生のエピソードをご紹介いたします。

T先生:2児の母。幼稚園の教諭・保育士・学童保育の指導員を経て、LITALICOへ入社。

私は、長女が3才・長男が1才のときにフルタイムの仕事に復帰しました。そのため、原則「体調不良以外はお休みしない」が家庭でのルールとなっていました。

ですが、もちろん子どもたちは、園に行きたくない日もありました。

長女の場合、朝になるとテンションが低くなるなどの様子から、「言葉にはしないけれど、園に行きたくないんだろうな」と気づくことがありました。長男は大した理由がなくても「行きたくない」とすぐ言える子でしたが、長女は、言わずに我慢するタイプなので、親としてはとても心配をしていました。

お休みはさせられないものの、子どもの気持ちには寄り添いたいと思い、ある日私から長女に「園、行きたくないの?」と聞きました。すると、娘は「お迎えが遅い、さみしい」と話してくれました。

私は長女に対し、「そう思っているんだね。教えてくれてありがとう。すぐに帰れないこともあるけれど、お母さんは長女のことを一番大事に思っているよ。仕事の人にも相談して、なるべく早く帰れる日を作るね」と言いました。長女との話し合いの内容は、園の先生にも伝え、しばらく様子を見守るようにしました。

すぐに改善できる内容ではなくても、長女と向きあって話ができたことは本当によかったと思っています。私から話さなければ、長女はずっと我慢をして黙っていたはずです。また私も自分の気持ちをしっかり子どもに話すことで、それまでは仕事をしていることに迷いや負い目がありましたが、自分の心にも踏ん切りを付け、それ以来仕事に対して前向きに考えられるようになりました。

もう1つ、長女が小さいときの思い出があります。園の行事があり、仕事を一時抜け出して長女が待つ園に駆けつけたことがあります。行事が終わったので私は仕事に戻ろうとすると、「一緒に帰れないなら、来てくれなくてよかった」と娘から言われました。

周りの子が親子で帰る様子を見て、寂しかったんだろうと思います。ただ、いくら子どもの言葉といえども自分も傷つき、すごく悲しい気持ちになったことを覚えています。

私も自分の経験から、子どもが園を行き渋ったときに、保護者の方が「そこまでして園に預けなきゃいけないんだろうか?」と思う気持ちがよくわかります。

そうした保護者さまの気持ちを踏まえたうえで、ここからは、自分自身が幼稚園の先生や保育士として働いて感じたことをお伝えいたします。





▼子どもは一日中泣いている訳ではない

通園のときも泣き、お迎えに行っても泣いているお子さまの様子を見て、「うちの子はずっと園で泣いているんじゃないか」と心配される方もいると思います。

ただ多くの場合、子どもはあるタイミングで気持ちを切り替え、園では楽しく過ごしています。お迎えの時間になりお母さんやお父さんの顔を見た瞬間、子どもは親と離れていたことを思い出し、そこでまた泣き始めることがよくあります。

「うちの子は園でずっと泣きっぱなしなんだ」と思い悩むのではなく、気になる方はぜひ園の先生に様子を聞いてみてください。


▼親の存在、意外と子どもは気づいています!

時々園に送り出した後もお子さまのことが気になって、隠れてお子さまの様子を見られている保護者さまがいます。これ、意外とお子さまにバレています(笑)

親のことが見えているためになかなか気持ちを切り替えられないお子さまもいるので、園でのご様子はやはり先生に聞くのが一番ですね。


▼笑顔でお見送りを!

保護者さまの不安な気持ちは、お子さまに伝わることもあるので、保護者さまが別れ際に「笑顔でバイバイする」ことはとても大事です。

先生と保護者さまのお話が長くなり、お子さまの切り替えが難しくなる場合もあるので、先生に伝えたいことがある場合は、さっと先生にメモを渡すのがおすすめです!


最後に・・・
幼稚園や保育園は、子どもにとって初めて集団社会を体験する場所になります。ご家庭では学べない大事なことも、お子さまは園でたくさん学びます。ぜひ保護者さまは、お子さまの成長を信じて背中を押してあげてください。そしてお迎えのときには、ギュッと抱きしめて、お子さまも保護者さまも両方ががんばったことを褒めてあげてください。

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