30代半ばで目の病気を患い視力を失った。以来街のあちらこちらから聞こえてくる音と白い杖が外出時の頼り。そんな生活を続けていた男性は自暴自棄に陥り、『もう勤めを辞めてしまおうか。家から一歩も出たくない』と日々考えるようになっていました。
バスを使っての通勤も億劫で、その日も沈んだ気持ちでバスを待っていました。その時『バスが来ましたよ』の優しい声。つられるように立ち上がるとバスのステップを上がる時背中に小さな手を感じました。小さな手が腰のあたりを温かく押してくれている。
小学生の女の子はそれから毎日バスに乗る背中を押してくれました。バスの中での他愛もないおしゃべり。その時間が男性にとってとても楽しみになっていきます。
何度かの春が過ぎ、女の子が卒業の日を迎えます。『ああ。今日からまた一人か』とバスに乗り込もうとすると、腰のあたりに昨日まと同じに小さな暖かい手を感じました。誰に言われるでもなく、女の子と男性の姿を見ていた後輩の女の子が見よう見まねで同じことをしてくれたのです。そんな小さな手のバトンがもうかれこれ10年以上も静かに受け継がれていると言う事です。和歌山県での出来事です。
今日は『おやつセレクト』です。好きなおやつを選べるこのレクはみんなの楽しみなレクのひとつです。
おやつの山の前でどれを選ぼうか考える時間はとても楽しい時間。4月からライズに入った一年生には初めての『おやつセレクト』です。たくさんのお菓子の前で目を丸くしています。
自分の好きなお菓子があるかな。みんな美味しそうだな。すいすいと選ぶお兄さんお姉さんたちはさすが先輩ですね。
みんな大好きなおやつをちゃんと選べたでしょうか。
今日も楽しかったね。
マスク、手洗い。デイスタンス。そして消毒を忘れずに。明日も元気でライズで会いましょう。
(月)「おやつセレクト」
教室の毎日
22/04/18 19:15