もうすぐ8月15日がやってきます。終戦記念日が近くなると、いつも決まって思い出し頭の中に響く詩があります。
茨木のり子さんの『わたしが一番きれいだったとき』と初めて出会ったのが自分も若さの只中の頃でした。戦争の罪深さと理不尽さに強い憤りを覚えたことを思い出します。
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかがみえたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗毛色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争に負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの袖をまくり卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた 出来れば長生きすることを
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオ-爺さんのようにね
茨木さんは二十歳で終戦を迎えました。戦争に青春を奪われた悲しさと虚しさと悔しさと、やり場のない気持ちを抱えながらそれでも前を向いて生きて行こうとする健気さに胸を打たれました。
『だから決めた 出来れば長生きすることを』彼女の強さと真っ直ぐな姿勢に何度も励まされ救われたものです。しかし、この国の子どもたちが、二度と彼女のような青春時代を過ごさなければならない時が来ないことを願います。
今日の第一は『プール』そして第二はクッキ-作りです。
お盆のお休みが始まり、お父さんやお母さんもお休みになり帰省やお出かけのお友達も多いのか、いつもよりライズにやってくる人が少なくてちょっぴり寂しくもありますが、やってくるみんなはどの顔もニコニコでこちらもやっぱり元気を貰えます。特に今日はプールにおやつ作りのレク。どちらの訓練室も人数が少ないとは思えない大きな歓声でライズ全体に元気が充満しています。
こまめに手洗い。いつも消毒。そして距離も測りましょう。明日も元気でライズで会いましょう。
(土)「プール」&「クッキ-作り」
教室の毎日
23/08/12 17:00