今回は、「模倣」をテーマにお話しします。
模倣にとって一番大切なことは、模倣から発語に繋げることが目的です。
模倣すること自体が目的ではありません。
(行動の前) → (行動) →(行動の後)
いいことなし → 指導員のまねをする → いいことあり
最初の模倣は、外部からのご褒美を渡すことによって、「まねをする」という行動にメリットを与えて、その行動を増やしていきます。
無発語のお子さんは、言葉で欲しいものが伝えられないため、抱っこなのか好きなおもちゃなのか、周囲の判断によってご褒美が決まるため、必然的に外部からのご褒美になります。
模倣の流れを(行動の前)→(行動)→(行動の後)に当てはめると、
次のようになります。
(1)いいことなし → 動作模倣 → いいことあり
(2)いいことなし → 連続模倣 → いいことあり
(3)いいことなし → 口形模倣 → いいことあり
(4)いいことなし → 音声模倣 → いいことあり
最初の動作模倣では、手を頭に置くなどの簡単なものから始め、指先を使った模倣へ。その後は、複数の動作模倣を組み合わせる連続模倣、口の形を見てまねしてもらう口形模倣へ続きます。
より注意して相手を見てまねできるようにレベルアップしていきます。
音声模倣の獲得後は、絵カード等を使って命名のトレーニングを行います。
(行動の前) → (行動) → (行動の後)
喉が渇いている → ジューシュと言う → 喉が潤う
ジュースなし ジュースあり
上のとおり、モノの名前を言うとモノが出てくるようになる、つまり音声で要求が叶う経験を得られることができるようになると、あえて外部からご褒美を渡さなくても、音声を使うことにメリットが生じます。
※「ジュース」のことを「ジューシュ」などの不完全な発音であっても、そのお子さんにとってジュース=ジューシュと命名が出来ていることがまずは重要です。
命名とセットで言葉(音声)を覚えることで、爆発的に言葉の語録が増えることが期待できます。
バンブーハットキッズでは、無発語のお子さんに対する発語を促進する支援として、模倣に取り組んでおり、少しずつ成果が見られるようになっています。
これからのキッズの成長が楽しみです。
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12/10 模倣の大切さ
教室の毎日
19/12/10 17:18