kids space リフライズ 代表の山口です。
先日、学校関係者の方と話していたとき、こんなやりとりがありました。
「やっぱり、不登校支援って最終的には学校に戻すことを目標にして欲しいと思っていますがどうですか?学歴って大事だと思うんです」
と
確かに、学歴が今の社会で有利に働くのは事実です。
でも、子ども時代に人生のすべてが決まるわけではないと私は思います。
もし子ども時代で人生が終わるなら、学校に戻すことが最優先でしょう。
でも、人生は子どものうちに終わりません。
むしろ、大人になってからの時間のほうがずっと長いんですから。
ここでふと、アニメでいよいよ最終回をむかえる『チ。—地球の運動について—』を思い出しました。(ちょっと前のブログでも触れさせてもらいました)
時代が「地球は動かない」と信じていた頃、それを疑い、動いていると考えた人々がいました。
しかし、そんな考えは当時の「常識」では異端とされ、異端者として処刑されることさえあった時代。
今の社会でも、「学校に行くのが普通」「学歴がなければ生きづらい」という考えは、ある意味で固定観念になっています。
しかし私は、学校に行くことが子どもにとって苦しみでしかないなら、無理に戻すことが正しい判断とは思いません。
「未来のために今を犠牲にする」のではなく、
「今を大切にしながら未来を作る」ことのほうが、ずっと大事ではと思います。
無理に学校に戻して、心をすり減らし、自己を潰してしまうことが、本当に「正しい」のか。
子ども時代にたくさん遊んで、楽しい思いをして、余裕があれば勉強する。
学校に行きたくなったら行けばいい。
学校を否定するわけではなく、「必要なところだけ選んで使う」くらいの自由があってもいいのかなと思います。
『チ。』の登場人物たちが、世界の常識を疑い、新しい視点を見出したように、不登校支援のあり方も、もっと自由でいいはずです。
そして、考え方がより増えればまた普通も変わってくると思います。
リフライズ、リトリート府中では、不登校傾向の方には学校復帰を前提にはしていません。
「学校より楽しく学べる環境」 を提供することを大切にしています。
「学校に戻るべきか」ではなく、「どんな場所なら自分らしく生きられるか」を、一緒に考えています。
そして『チ。—地球の運動について—』もついにアニメが最終回となります。(観てない方は是非最初から見てください)
常識を変えるために命をかけた人たちの物語、その結末がどうなるのか、気になります。
彼らが求めたのは「真実」そのものではなく、「知をつなぐこと」 だったように思います。
時代に抗い、圧倒的な力に押しつぶされそうになりながらも、
自分たちの信じる「地動説」を次の世代へと受け渡していく姿は、
まさに「個人の人生は有限でも、思想や知識は受け継がれる」というテーマを体現していました。
そして、これはリフライズの行っている支援にも通じる話かもしれません。
今の時代の「常識」は、「学校に通うのが当たり前」「学歴がなければ生きづらい」という価値観。
でも、それが本当に唯一の正解なのか?
学校に行かなくても、学び、生きる道を切り開く方法はあるのではないか?
「子どものうちに人生が決まる」なんてことはない。
むしろ、大人になってからの時間のほうが長いのだから、
子ども時代は「今を大切にしながら未来をつくる」時間であってもいい。
『チ。』の登場人物たちが「知」をつなぎ続けたように、
私たちもまた、子どもたちに「学校だけがすべてじゃない」という選択肢をつないでいく。
その積み重ねが、いつか「当たり前」を変えていくかもしれない。
最終回を迎える『チ。』のように、不登校支援のあり方も、
「未来の誰かが自由に選べるようにする」 ことが、本当に大事なのかもしれません。
kids spaceリフライズ
代表 山口
人生は決まらない
代表のひとりごと
25/03/15 22:30
