放課後等デイサービス・児童発達支援BEAR KIDS(ベアキッズ)
代表のかじたです。
さて、本日は全員がお話を知っているであろうイソップ寓話
アリとキリギリス。
を題材としてお話が出来たらと思います。
簡単にあらすじを伝えますと、
アリは来る日も来る日も働き、キリギリスはお気楽に楽しんでいて
いざ、冬がきたら備えをしていなキリギリスが痛い目に合い
それみたことか、となる「備えあれば憂いなし」の教訓として
話される絵本です。
いきなりですが、この絵本には問題があります。
アリが正義でキリギリスが悪というポジションが浸透しすぎたことです。
人に置き換えます。
●アリ
一生働き続けて、プライベートを蔑ろにし、75歳で引退して貯えをある程度持っている人。
●キリギリス
その日暮らしで若くから好き放題して全くお金を残していない人。
こう記載すると本当にアリの人生は幸せなのでしょうか?
キリギリスの人生は悪くないのではないでしょうか?
75歳にして貯えを持っていても、もう富士山を登る体力も
海外を飛び回る体力もありません。
いつかどこどこに行きたいと言っていた夢も75歳から行動する気力もありません。
子供と過ごせたはずの貴重な時間も、思い出も経験も犠牲にした先の貯えは
一体何に使うお金なのでしょうか?
データによると高齢者のほとんどが使いもしないお金を残して亡くなってしまうそうです。
優里さんのビリミリオンという曲があります。
裕福な老人が若者にお金で人生を交換して欲しいという内容の歌詞です。
アリとキリギリスの一番の問題はバランスです。
絵本では、アリの良いとこもありキリギリスの良いところもあるという補足がなされることはありません。
人生は80年~90年程度平均すればあります。
その中でバランス良くアリとキリギリスを使い分けないといけない。
というのが答えだと思います。
経験、体験、旅行、思い出は全てキリギリスです。
人生を終えるとき思い出すことがアリの記憶だけではツラすぎますよね。
さて、ようやく子供たちの話です。
お子さんのお年玉、どうされてますか?
貯金しとくね、という答えが9割ほどになるのかなと創造しております。
確かに小さい子はそれで良いかもしれません。けど小学生に入ったら
経験としてお金を使って何か好きなものを買う経験をさせてあげて頂けたらと願ってやみません。
75歳で持つ1億円と30歳で持つ1億円の価値が全く違うように
小さいころの千円はそのときの価値基準ではとても大きな買い物と経験を手に入れることが可能です。
とても大切なことですが、同じ金額でもその金額を使うタイミング(年齢)で
全く違う価値になっているということを、アリとキリギリスでは教えてくれないことです。
3歳からお年玉を貰って15歳まで使えないとしたら
おおよそ20万円~40万円溜まるようです。
社会人になり働けば3~4カ月もあれば十分に稼げる額ではないでしょうか。
考え方は人それぞれなのですが、
小学生、中学生時代に自分のお金で何かをするという機会と引き換えにするには20万円~40万は小さい額だと感じてしまいます。
大切な人と過ごす思い出にお金や時間を投資することは、とても有意義で価値のあることです。長い人生をアリで終えないよう、キリギリスとアリをバランス良く使い分けることこそが、満ち足りた人生には必要ではないでしょうか。
多くの大人は「将来の為」という漠然とした未来のために今を犠牲にしすぎていると私は感じます。
お子さんと一緒にお風呂に入れる時間はごくわずかです。
1歳、2歳、3歳、どんどん時は流れます。
その時にしかできない会話や経験、思い出があるはずです。
将来を蔑ろにしろとは言いません。
もっと今も大事にしないと、タイムマシーンができない限り、過去には戻ることができません。
お子さまに残すのはお金より経験や思いでの方が、幸福度の高い大人になってくれるそうです。
お金事体は変わりませんが、年齢は絶対変わるということ、それにより使ったときの価値が変わるということをこの本では語られることはありません。
絵本の教訓が危険な教訓でもあることを取り扱う我々は知っておくべきですね。
それでは、また。
アリとキリギリスが根付いてしまった日本
代表かじたのつぶやき
23/04/11 17:11