ブロッサムジュニア流山教室です。
今回は、保護者様のお悩みの中で多い「発語の支援」について、私たちの施設でできる支援についてお伝えします。
「子どもが言葉より先に手が出てしまって…お友達がケガしないか心配です。」
「子どもが今私に何をしてほしいのか言葉にしてくれないからどうしていいかわからないんです…。」
このようなお悩みを抱えている保護者様もいらっしゃるかもしれません。
今回は保護者様の状況に合わせてできる支援の一例についてご紹介します。
①「とって」、「やって」の要求語や要求語に似たお子様のサインを引き出す。
発語がなかなか出てこないお子様の中には、「言葉にしてみてよかった」、「言葉にするって楽しい!」と思う経験があまりない場合もあります。
また周囲の保護者様や保育者などがとてもお子様のことを思っていて、お子様の気持ちを汲み取り、寄り添い丁寧に関わる中で、「言葉にしなくてもわかってもらえるから、言葉で言わなくても大丈夫」と感じているお子様もいるかもしれません。
そのため、遊びを通してお子様の要求を引き出していくこと、その要求を言葉で言えるように周囲の支援者や保護者や保育者がお手伝いしていくことで、「言葉は自分の気持ちを伝えるときに必要で役に立つものだ!」という成功体験を増やしていきます。
例えば、
①お子様の好きなおもちゃを目に届くけれど高い場所に置く
②お子様が気づき、要求するまで待つ
③お子様が「ちょうだい」がいえるように、「ちょうだいだね」とお子様のサインや言葉を言おうとする様子を丁寧にくみ取りながら、言葉やサインで伝えた経験を沢山増やしていきます。
これを「機械利用型指導法」と呼んでいます。
こうすることで言葉で伝えてよかったと思ってもらえるように支援ができます。
参考:http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~nagasawa/2007language.pdf
私たちの療育の中では、個別療育の中で1対1で丁寧に、お子様の要求を汲み取りながら支援し、個別でできたことを集団療育の中で支援者の力を借りながら挑戦し、成功体験を増やしていけます。
※どんなことをしているのか気になる方はぜひ一度ご連絡ください。
②子どもの言動やサインを肯定的に受け止めながら「分かってもらえた」体験を増やす。
こちらは、「インリアルアプローチ」と呼ばれ、大人と子どもが相互に反応しあうことで、子どもの学習とコミュニケーションを促進しようとするのに有効なアプローチの1つのことです。
インリアルアプローチでは、
〇 子どもの発達レベルに合わせた声掛けや、イントネーションを心がける。
〇会話や遊びの主導権を子どもにもたせ、お子様自身が色々な遊びに挑戦できるような状況を作る。
〇お子様自身が始められるように、時間をゆったりととれるような環境にする。
〇子どものリズムに合わせ、イントネーションや声のトーンを変える
等を大切にし、お子様自身が楽しいと思えるような会話のやり取りを楽しみます。
お子様が行っている行動を、いわば実況中継の様に言葉がけすることで、「●●はこんな時に使う言葉なんだ」と知識を蓄えていくことができ、お子様が語彙を増やしていくことができます。そうすることである時必要にお子様自身が迫られたときに言葉やサインで伝えてくれる可能性があります。
お子様の遊びや行動を丁寧に見守りながらお子様のペースやリズムに会った言葉かけをすることで、言葉は心地よいものだとお子様が実感するかもしれません。
私たちは集団療育や自由遊びの中で丁寧にお子様と関わりながら、言葉で伝える楽しさや嬉しい気持ちを一緒に共有しながら支援をしていきます。
お子様の「話すって楽しい!」という気持ちがお子様の発語のモチベーションになる可能性があります。
参考:http://www.edu.pref.kagoshima.jp/research/result/siryou/shido/h14/h1407/S01380.pdf
③微細運動や粗大運動を通して、お子様の心地よい時間が増える様に支援していく。
3つめに、お子様が心地よいと思えるような、感覚を満たしながらお子様の発達を促していくことも重要です。
感覚統合の理論の中で、コミュニケーションや発語はお子様にとって高次な機能となっていて、これらが上手に使いこなせるようになるために、微細動作や粗大動作を通して、お子様の土台を整えていくこともお子様に無理のない形で支援をするという意味では重要かもしれません。
参考:http://www.yamariha.com/pdf/20160309.pdf
私たちも、普段の遊びの中でお子様一人一人の興味関心に合わせながら、様々な遊びを提案します。その中で粗大運動、微細運動などを行う機会があります。その際に、お子様の状況に合わせて遊びの提案をしたり、お子様の状況をアセスメントをし、ご家庭でどのようにかかわっていけばよいか一緒に考えながら支援の方向性を共有し、お子様に対してできる支援を行っていきます。
今回はかなり専門的な内容まで踏み込んで記載してしまいましたが、お子様の状況やご家庭での状況に合わせてできる支援も変わる可能性もあります。
お子様の状況や保護者様の状況に合わせて、支援ができればと思っているので、何かありましたらいつでもお気軽にご相談や質問下されば嬉しいです。
お子様や保護者様に無理のない形でできる限りサポートさせていただけましたら幸いです。
保護者様だけで支援しているケース、幼稚園や保育園で保育者や先生の支援を受けながらお子様は成長しているかもしれません。
それに追加して、児童発達支援事業所に通うことで、お子様にとって様々な刺激となり、できた!が増えるかもしれません。
私たちは力になりたいと思っています。
何かありましたらいつでもお気軽にご連絡ください。
発語の支援の一例|遊びの自然なやり取りを大切にします。
療育マメ知識
22/09/05 19:41