きまった状況に身をおいたり、きまった動作をすると、自然に次のきまった行動に移ってしまうということがあります。イチローさんは、毎朝、カレーを食べ、五郎丸歩さんは、ゴールキックする前には、必ず同じポーズをして、心を整え、次の行動に移っていました。普通に暮らしていても、生活のリズムがきまってくると、無意識に行動してしまうことが、よくあります。いつも、小銭を持ってからケータイを持って出かけていると、小銭を忘れて、ケータイも忘れるみたいなことがあります（実話です）。
ふれあい教室では、ごはんは基本的に床に座ってテーブルで食べています。そんななか、手をよごし、床にごはんをこすりつけたりしていた男の子がいました。ところが、先日、家や学校では椅子に座ってテーブルで食べている、と聞き、ためしに、ふれあいでも、椅子に座ってテーブルで食べてもらいました。すると、ひとりで、きちんと、箸をつかって、きれいに、ごはんを食べられたのです。あまりにちがいに、いつも食べるサポートをしていたスタッフ一同驚いてしまいました。もっと、はやく気付いてあげたかった、と思ったのです。もちろん、床に座っても、きれいに食べられれば、それにこしたことはないのですが、やりやすいことからはじめて、少しずつ、できることをひろげていければ、いいと思います。人はみんな異なるのですから、人の成長の過程も、人それぞれだと思っています。