おうむ返し・・・?アスぺとアスぺの不思議な会話
ライター:鈴木希望
おうむ返し。自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)である息子も、ときどきですがしています。「話をちゃんと理解したい気持ちの現れだからなあ」なんて付き合っているだけのつもりのわたしと、いつの間にか立場が入れ替わっている、なんてことも。そんな我が家のある日の会話をお伝えしますね。
それはいつも突然始まる。
ある日、人差し指で鼻の横を掻いていた私。
すると、反対側にいた息子・ハル、すかさず「はなくそほじってるん?」と。
わたし:「あー、鼻くそほじってるっぽく見えたかもしれないけど、鼻くそじゃないよ。鼻くそほじるときもあるけど、そのときは素手の指は突っ込まないんよ、指に鼻くそ付くのやだから」
ハル:「そうか、鼻くそほじってるっぽく見えたけど、鼻くそじゃないんだ。鼻くそほじるときもあるけど、そのときは素手の指は突っ込まないんね、指に鼻くそつくのやだもんね。のん、鼻くそほじるときはどうするん?」
わたし:「ティッシュを使うんよ。鼻くそが指に付かないように」
ハル:「ティッシュを使うんね。鼻くそが指に付かないように」
すると、反対側にいた息子・ハル、すかさず「はなくそほじってるん?」と。
わたし:「あー、鼻くそほじってるっぽく見えたかもしれないけど、鼻くそじゃないよ。鼻くそほじるときもあるけど、そのときは素手の指は突っ込まないんよ、指に鼻くそ付くのやだから」
ハル:「そうか、鼻くそほじってるっぽく見えたけど、鼻くそじゃないんだ。鼻くそほじるときもあるけど、そのときは素手の指は突っ込まないんね、指に鼻くそつくのやだもんね。のん、鼻くそほじるときはどうするん?」
わたし:「ティッシュを使うんよ。鼻くそが指に付かないように」
ハル:「ティッシュを使うんね。鼻くそが指に付かないように」
アスぺっぽいのはお互いさま
わたし:「ハル、アスペってるな」
ハル:「ハル、アスペってるん?」
わたし:「うん、さっきからのんの言うこと繰り返しながら質問してるでしょ。それ、アスペっぽい」
ハル:「さっきからのんの言うこと繰り返しながら質問してるねえ。これ、アスペっぽいん?」
わたし:「そうだね。アスペの人がみんな、いつもやるわけじゃないけどね。でもハル、なんで今は繰り返してるん?」
ハル:「うーん、大事なことだから」
わたし:「大事なことなん?」
ハル:「うん、鼻くそをほじってるかとか、鼻くそをほじるときはどうするかとか、大事だねえ」
わたし:「鼻くそをほじってるかとか、鼻くそをほじるときはどうするかとか、大事かあ」
ハル:「うん、鼻くそ大事。大事なことだから繰り返したよ」
わたし:「鼻くそ大事かあ。大事なことだから繰り返したのかあ」
ん?
ハル:「ハル、アスペってるん?」
わたし:「うん、さっきからのんの言うこと繰り返しながら質問してるでしょ。それ、アスペっぽい」
ハル:「さっきからのんの言うこと繰り返しながら質問してるねえ。これ、アスペっぽいん?」
わたし:「そうだね。アスペの人がみんな、いつもやるわけじゃないけどね。でもハル、なんで今は繰り返してるん?」
ハル:「うーん、大事なことだから」
わたし:「大事なことなん?」
ハル:「うん、鼻くそをほじってるかとか、鼻くそをほじるときはどうするかとか、大事だねえ」
わたし:「鼻くそをほじってるかとか、鼻くそをほじるときはどうするかとか、大事かあ」
ハル:「うん、鼻くそ大事。大事なことだから繰り返したよ」
わたし:「鼻くそ大事かあ。大事なことだから繰り返したのかあ」
ん?
ハル:「あ、のんもアスペってる!」
わたし:「あ、のんもアスペってた?」
ハル:「うん。アスペってた」
わたし:「まあ、アスペだからなあ」
ハル:「うん、アスペだもんねえ」
わたし:「あ、のんもアスペってた?」
ハル:「うん。アスペってた」
わたし:「まあ、アスペだからなあ」
ハル:「うん、アスペだもんねえ」
繰り返したって大真面目
こんな話を真面目にしているハルとわたし。
おうむ返し以前に、鼻くそを真剣に考えるってどうなんだろう…。
おうむ返し以前に、鼻くそを真剣に考えるってどうなんだろう…。