苦手克服はもういいや!私が「個性を伸ばす」に方向転換した理由
ライター:林真紀
3歳後半の発達相談で「自閉症スペクトラムの可能性が高い」と言われた息子。「なんとかしなければ」という私の思いが暴走し、息子の気持ちは置いてきぼりになりました。ある日息子が放った「お母さん、僕は出来ない子だったんだね」という言葉に、私は自分の間違いに気づいたのです。
幼稚園から脱走?!
2歳を過ぎたあたりから息子の「育てにくさ」を感じるようになりました。
強いこだわり、癇癪、指示の通りにくさ、多動、アイコンタクトのなさ、一つ一つ挙げていけばキリがないほどです。
当時は息子とどうコミュニケ―ションして良いものか分からず、一緒に過ごす時間がとても苦痛だったのを覚えています。
幼稚園のお試し入園に行ったときのことでした。
息子は突然パニックになり、「ぎゃーーー」と叫んで幼稚園の教室から脱走。
その日はショックで一日寝込んだ私でしたが、思い切って市が提供している無料発達相談に連れていきました。
息子は発達検査を受けさせられ、臨床心理士さんから告げられた言葉は「自閉症スペクトラムの傾向が強く見られます」というものでした。
強いこだわり、癇癪、指示の通りにくさ、多動、アイコンタクトのなさ、一つ一つ挙げていけばキリがないほどです。
当時は息子とどうコミュニケ―ションして良いものか分からず、一緒に過ごす時間がとても苦痛だったのを覚えています。
幼稚園のお試し入園に行ったときのことでした。
息子は突然パニックになり、「ぎゃーーー」と叫んで幼稚園の教室から脱走。
その日はショックで一日寝込んだ私でしたが、思い切って市が提供している無料発達相談に連れていきました。
息子は発達検査を受けさせられ、臨床心理士さんから告げられた言葉は「自閉症スペクトラムの傾向が強く見られます」というものでした。
習いごとを開始、なんとか苦手を克服したい
それからというもの、私はインターネットにかじりつき、毎日のように発達障害についての情報を検索しました。発達障害関連の書籍を山のように注文し、家には毎日のように宅配便が来ていました。
そのとき私の考えていたことは、「何とか息子の苦手なことをなくして、劣等感なく過ごさせたい」ということばかり。
息子の体幹の弱さと運動能力の遅れが気になり、すぐさま近所の有名な体操教室へ入会。週末にはトランポリン教室にも通わせることにしました。
しかし苦手なことを無理にやる事に対する息子の拒否反応は凄まじく、教室では暴れたり脱走したり奇声をあげたりの繰り返しでした。
先生方や見学の父母からの冷たい視線に耐えきれず、どちらも一か月足らずで辞めました。辞めた日は、それはそれは落ち込んで、息子の手を引いて歩きながら、涙が止まりませんでした。
そのとき私の考えていたことは、「何とか息子の苦手なことをなくして、劣等感なく過ごさせたい」ということばかり。
息子の体幹の弱さと運動能力の遅れが気になり、すぐさま近所の有名な体操教室へ入会。週末にはトランポリン教室にも通わせることにしました。
しかし苦手なことを無理にやる事に対する息子の拒否反応は凄まじく、教室では暴れたり脱走したり奇声をあげたりの繰り返しでした。
先生方や見学の父母からの冷たい視線に耐えきれず、どちらも一か月足らずで辞めました。辞めた日は、それはそれは落ち込んで、息子の手を引いて歩きながら、涙が止まりませんでした。
体操教室を退会した息子が一言
その日の夜、息子とお風呂に入っていました。すると、沈んだ顔をする私に息子が言ったのです。
「お母さん、僕は出来ない子だったんだね」
私は息が止まりそうになりました。これまで息子を育ててきて、これほど悲しく、これほど辛かった言葉はありません。
そして私は、「この子をなんとかしよう」と焦るあまり自分が犯した失敗に気づいたのでした。
「お母さん、僕は出来ない子だったんだね」
私は息が止まりそうになりました。これまで息子を育ててきて、これほど悲しく、これほど辛かった言葉はありません。
そして私は、「この子をなんとかしよう」と焦るあまり自分が犯した失敗に気づいたのでした。
それは「出来ないことだけに集中していた」ということ。
発達障害の子どもは、どうしても「出来ないこと」が目立ちます。
ですが、「出来ないこと」に集中し苦手の克服だけを目標にしていると、ただでさえ「出来ないこと」に打ちのめされている子どもの自己肯定感をどんどん下げてしまうのです。
「僕は出来ない子なんだね」という息子の言葉は私の考え方の転換点になりました。
こんな悲しい言葉を二度と言わせてはいけない、「君は出来る子なんだよ」と言ってくれる人が沢山いる場所を探そう、この子の得意を伸ばしてくれる場所に行こう、そのときそう誓ったのでした。
発達障害の子どもは、どうしても「出来ないこと」が目立ちます。
ですが、「出来ないこと」に集中し苦手の克服だけを目標にしていると、ただでさえ「出来ないこと」に打ちのめされている子どもの自己肯定感をどんどん下げてしまうのです。
「僕は出来ない子なんだね」という息子の言葉は私の考え方の転換点になりました。
こんな悲しい言葉を二度と言わせてはいけない、「君は出来る子なんだよ」と言ってくれる人が沢山いる場所を探そう、この子の得意を伸ばしてくれる場所に行こう、そのときそう誓ったのでした。