9月1日、新学期。子どもたちは親の想像以上に追いつめられている

ライター:ヨーコ
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学校に行けなくなった子どもたちに、親が無意識にプレッシャーをかけてしまっていることは多いかもしれません。でも、夏休みが明けるころ、子どもたちは親が想像している以上に追い詰められているのです。

娘が学校に行かなくなった

一見普通に学校に通っているように見える子ども。でも、人間関係がうまくいかない、いじめにあっている、授業についていけない、部活がつらい、進路に不安があるなど、隠れた悩みを持っているかもしれません。

特に発達障害のある子どもは、特に心が繊細で学校という場に潜む問題にいち早く気づくようです。発達障害に理解のない先生から適切な支援を受けられず、つらい状態で頑張って学校に通う子どもも多いでしょう。

アスペルガー症候群のある私の娘は、「どうしてみんなは先生の言うことを聞かないのか」、「どうしてケンカばかりするのか」、「なぜ先生はケンカや言うことを聞かない子を放置するのか」といった学校の問題に悩み、心を痛めていました。

そして学校という場になじめなくなり、力尽きるように行けなくなってしまいました。

今回は、不登校になってしまった娘と私の夏休みについてお話します。

夏休みの終わりに娘が出したSOSサイン

私の娘は不登校になってから7年が経ちます。

娘が学校に行かなくなったばかりのころは、「本当は怠けているだけなのではないか?」「頑張れば行けるようになるのではないか?」と考えていた時期がありました。

夏休みの終わりごろは特に、「新学期になれば娘は学校に通うのではないか」と期待する自分がいました。今思うと、これは無意識のうちに娘へのプレッシャーになっていたでしょう。

不登校の娘も、「新学期になったら行かなくちゃ」と親の期待に応えようと苦しんでいたと思います。

学校へ行かない娘にとって、夏休みはやっと来た休暇であり、ホッとできる期間でした。でも2学期がいよいよ始まるという夏休みの終盤は、娘はとてもストレスを抱えていたようです。例えば娘は、

・宿題をやっていない
・気力がない、腹痛や頭痛がよく起こる、体調不良を訴える
・夜に眠れず昼間に寝てしまい、昼夜逆転生活になる
・身なりに構わなくなる
・視線を合わせない

といったSOSサインを出していました。夏休みが終わることにおびえていたのです。

9月1日、子どもは追い詰められている

娘がSOSを出していたにも関わらず、私は「また学校に行って欲しい」という期待をもとに娘に厳しく接してしまいました。すると娘はますます学校に行く気力を失い、心身ともにどんどん弱っていきました。

実は、夏休みが終わった次の日の9月1日は、18歳以下の子どもの自殺が1年の中でも多い日になっています。
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内閣府平成26年度版「自殺対策白書」より
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夏休みが終わるころ、子どもたちはそれほどまでに追い詰められているのだと思います。

私が参加している不登校の親の会でも、私と同じように子どもに厳しく接してしまい、子どもが不登校のままという方が大勢います。みなさん「あの時厳しく子どもを責めなければ良かった…」と言っています。

SOSを出している子どもに厳しくしてしまうと、親子の信頼関係が崩れてしまうのだと痛感しました。

子どものSOSサインに気づいたら、決して問いただしたりはしないで、さりげなく「困ったことがあったら話してくれてもいいんだよ」と伝え、注意深く見守ってあげてください。
次ページ「親に必要なのは、子どもを休ませる勇気」

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