「他の家に生まれたかった…」息子と夫の関係が悪化したとき気づいた、親子関係で1番大事なこと

ライター:林真紀
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発達障害児を抱える家庭から、「夫の理解が得られない」という話をよく聞きます。我が家では、一筋縄ではいかない息子に夫が大声で怒鳴る日々が続きました。そして私は、息子の涙をきっかけに、ある決断をしたのです。

娘には優しい育メンの夫。しかし息子には…

我が家には定型発達の娘と、発達障害の息子がいます。

夫は、娘にとってはとても素晴らしい父親です。そして、近所でも評判の「育メン」でした。ところが、そんな理想的な父親だった夫が、息子にはひどく声を荒げることが多くなりました。

ADHDの息子は、人の話をきちんと聞くことができません。何度言っても同じことを繰り返し、新しい場所に行けば、パニックを起こして道に座り込む息子に対し、激しい罵声を浴びせるのです。

「どうしておまえはそうなんだっ!!!」
「やめろっつってんのがわかんねえのかっ!!!」
「気に食わないなら帰れっっ!!!!」
「だからおまえなんか連れてきたくなかったんだよ、バカ!!」

夫の叱責を恐れるあまり、おかしくなっていった息子

夫に怒鳴られることで、息子はますますパニックに。週末で夫が家にいる日は、息子の調子が崩れることが増えていきました。普段は起こさないような困りごとをたくさん起こすのです。

「どうしてパパやママを困らせることばかりするの?」

私はいつも泣きたい思いで息子に聞いていました。恐らく、その当時は息子にも理由は説明できなかったのでしょう。でも今になると分かります。

息子は、夫に怒鳴られることを恐れて、行動の統制ができなくなっていたのでしょう。そのことでどれだけ息子が困っていたか、私は長いこと気付くことができませんでした

夫に協力を頼んでみたけれど…

夫に怒鳴ることをやめて欲しい、息子に対して穏やかな声かけをして欲しい…。

そんな願いを込めて、私はペアレントトレーニングや発達障害児向けの声かけの本などを買ってきては、「会社行くときに電車で読んでね」、と夫の仕事鞄にそっと入れておきました。

いつも半分ぐらいは読んでいる形跡がありましたが、それを息子に対して実践しようとする素振りは、見えませんでした。息子と一緒にいる時間が短い夫にとって、声かけを学ぶことは、それほど急を要することではなかったのかもしれません。
次ページ「知らぬ間に追い詰められていった息子は、とうとう…」

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