ウチの子、この支援級で大丈夫?4つのチェックポイントで見極めよう!

2017/03/13 更新
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支援級を検討しているけど、「実際どうなのかよく分からない」「本当にうちの子に合っているの?」と、迷われているお母さんも多いかと思います。支援級は、千差万別。実際のところはフタを開けてみないと分かりません。お子さんに「その」支援級が合っているのか、どうやって確かめればいいか、支援級と通常級、両方経験した私達親子の経験則による、現実的な見極めポイントを教えます。

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楽々かあさん
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うちの学校の支援級、わが子に合ってる…?

「支援級か、通常級か…迷ってるけど、どうやって判断すればいいの?」
「うちの子が通う学校の支援級、どんな環境だろう? どういうところを気にしたらいいの?」

現在、希望者急増で過渡期にある、特別支援学級(以下、支援級)をめぐる状況は様々です。

情報を探すと、「うちの子も是非お願いしたい!」と思える素晴らしい支援級もあれば、残念ながら、現場の事情が追いつかずに、十分な理解や子どもに合った対応が得られない支援級もあるようです。

支援級をご検討の際には、実際に、お子さんが通う「その」支援級がどうなのか、自分の目で確かめてみることが必要です。

長男が自ら通常級から支援級への転籍を希望した際、私はまず、特別支援コーディネーターの先生の案内で、実際にクラスを見学させて頂き、事前に疑問な点、不安な点の詳しいご説明をお願いし、長男本人も見学・体験させて頂きました。

それでも、後から「もっと早く確認しておけば良かった」と思ったことも少なからずありました。

そこで、支援級を選択する前に「確認してよかったこと」「確認しておけばよかったこと」の、判断のポイントを、あくまで「うちの経験上」ではありますが、楽々かあさんこと、大場美鈴がお伝えします。

支援級見学の際にぜひ確認しておきたい!4つのポイント

1. クラス分けと学習内容は、その子の理解度に合ったものか?

長男が通っている支援級は、身体・知的に障害のあるお子さんのクラスと、長男のように、大きな知的・言葉の遅れの心配はないものの、発達障害の傾向のある子が中心となる、情緒級に分かれています。

学校によっては、どの障害の状態のお子さんも一緒のクラスになる場合もあります。

その場合でも、個別に学習内容を調節して頂ける場合はいいのですが、そうでない場合、お子さんに学習面での理解力がある程度あっても、学習内容や課題が簡単過ぎるケースがあります。

そうなると本人の理解度とのミスマッチが起こり、その支援級がその子の力を伸ばせる環境とは言いがたくなる可能性があります。

逆に情緒級がある場合も、その子の学習の進度に合わせた課題でない場合もあります。

本人の能力や理解度に合わせた学習ができるかどうかは、よく確認しておきたいポイントの一つです。万が一合わない場合でも、先生と学習内容を調整して頂けるか、相談の余地があるかどうか、見極めておいたほうがいいでしょう。

また、基本的に支援級の成績表は、「国語は漢字ドリルをがんばり、丁寧に漢字を書けるようになりました」というような、言葉による表現がされることが多いようです。

特に将来的に、中学受験の可能性がある場合には、念のため希望した際には通常級と同じ評価で対応可能かどうか、確認しておいたほうがいいでしょう。

(中学受験の際、全ての学校で成績表の提出が必須という訳ではないようですが、一部の入試日程や推薦、A.O.入試の場合などには、成績表のコピーの提出が必要になる場合があります。)

2. 先生は子ども達を肯定的に見てくれているか?

次に気をつけたいのは、今のところ、すべての支援級の担任の先生が、特別支援教育の知識・経験が豊富であるとは限らない、ということです。

支援級の担任には、特別な資格などは必須ではなく、今まで通常級で担任してきた先生が、急に支援級を受け持つ場合も多いようです。長男の今年の担任も、長年通常級を受け持ったベテランの先生ですが、支援級の担任は人生初でした。

ただし私は、支援に詳しくない先生=子どもにとって良くない先生、とは限らないと思っています。

確かに、凸凹のある子に伝わりやすい方法を多く知っている先生なら心強いと思います。

しかし、詳しい先生1人に負担がかかり過ぎてしまったり、クラスの他のお子さんの状況などによって、少人数であっても十分に子ども一人ひとりを見ることができない…など、先生お一人の力では解決できない現場の事情がある場合もあります。

そのため支援に対する知識・経験の有無で、一概には判断できないと思います。もし、先生が支援に詳しくないからと、あからさまに保護者が落胆してしまうと、それが子どもや先生にも伝わって、その後の信頼関係に影響が出てしまうかもしれません。

私は、知識・経験の有無よりも、

・先生が子どもを肯定的に見ようとしてくれるか
・子どもに合わせた指導をしてくれるか
・親の話に耳を傾ける余力があるか

のほうが大事だと思っています。

しかし、見学の時点で気持ちよく応対してくれた先生に会えたとしても、翌年に我が子を担任してくれるとは限らないというのは注意したい点です。通常級に比べれば、支援級の先生は比較的長く同じクラスを担当することが多いようですが、異動がないわけではありません。

また、大変残念なことながら、今まで毎年のように支援級の補助教員や介助員の先生が、年の途中で1人、2人とお辞めになってしまうことも、私は学校のお便りで度々知らされてきました。厳しい現場の現実があるように感じます。

3. 支援級で過ごす子どもたちや教室環境はどんな様子なのか?

人事異動がある先生方と違い、子どもたちは比較的同じメンバーでともに支援級で過ごすことが多いです。

もちろん、入学や卒業、転籍などによる入れ替わりはありますが、クラス替えもなく、ほぼ同じメンバーで何年間も過ごすことになります。

支援級は、学年を越えて、多種多様な子ども達の集まりとなるため、それが合う子、合わない子がいると思います。

支援級の低学年のお子さんは、かなり自由気ままな印象がしたりで、見慣れてないと「これで大丈夫かしら…」と少々不安に感じられるかもしれません。そういう時は、何年もその環境で過ごしてきた、高学年のお子さんの様子が参考になると思います。

その子なりに落ち着いていたり、交流級に意欲的に参加している様子が見られれば、その支援級の環境がプラスに働いていると受け取ってもいいのではないかと私は思っています。

また、掲示物が破れっぱなしになっていないか、といった備品の様子、ロッカーに分かりやすいマークなどの工夫があるか、といった教室環境も、その支援級が安定しているかの参考になると思います。

(ちなみに私は、教室の備品の乱れが放置されている場合、先生に余裕がなく、かなりお疲れ気味…というシグナルだと受け取っています。)

4. 「交流級」は活用できているか?

私が見学した時、1クラス6~7名と聞いていた支援級の情緒クラスには、いつも低学年の2~3人のお子さんしかいませんでした。他のお子さんは「交流級」に行っているのだそうです。

長男の学校の場合、大抵は学年が上がるほど交流級で過ごす時間が増えていき、最終的に通常級に移籍する子も多いそうです。

ご家庭で「いずれは、できれば通常級へ」と希望している場合には、交流級の活用状況は要チェックです(また、そもそも支援級から通常級への転籍が可能かどうか、よく確認しておく必要がある学校もあるようです)。

交流級の活用状況は学校によって様々です。長男の小学校はかなり積極的なほうだと思います。

後に担任の先生からその理由を伺うと、

「年々、支援級への希望者が増えているので、◯太郎くんのように、交流級の授業に意欲がでてきたお子さんは、どんどん”卒業”して、通常級に戻って頂けると助かります」

…とのこと。なかなか厳しい内情もうかがえます。

とはいえ交流級を充分に活用できている学校は、通常級の子達も支援級の子に日頃から馴染んでおり、支援級”卒業”後も、比較的クラスに溶け込みやすいのではないかと思います。

交流級の活用については、見学時、私はあまり気にしていませんでした。でも今思うと、重要なポイントだったと思います。

どんな状況の支援級も、本人が体験してみるのがイチバン!

見学をする際には、参観日のようなよそ行きの状態ではなく、支援級のありのままの状態を子ども本人が、できるだけ何回も見られるほうがベターです。

長男が普通級から支援級へ転籍する前に、私は長男本人が何度も支援級を見学・体験できるよう、お願いしました。

でも見学を予定していたある日、突然見学がキャンセルになったことがありました。先生によると、

「今日は、落ち着けてないお子さんがいたので、見学は中止させて頂きました。また日を改めて、予定を調整させて下さい」

とのこと。それを聞いて、私はこう言いました。

「是非、そういう時も本人に見せてください。ご迷惑になるようでしたら、廊下からでも構いませんので。支援級は、皆が落ち着いている時もあれば、そうでない時もあることを、本人が十分知って、納得したうえで転籍したいです。」

支援級は、長男と同じように、あるいはそれ以上に、特別な配慮・支援を必要とするお子さんの集まりです。当然のことながら、少人数とはいえ、いつもクラス全体が落ち着いているとは限りません。

そんな支援級で過ごすイメージを本人が持てると、入級後の環境の変化にもついていき易いと思います。

長男の場合は実際に何度も授業を見学させて頂き、給食の時間を支援級の子達と一緒に過ごしたり、といった機会を作って頂きました。

すると、「今日はすんごい泣いてる子もいたよ」「一年の子が途中で教室出てっちゃった」なんて言うときもありました。

私は「支援級はそういう時もあるよ。それでもいい?」と聞きましたが、長男は「それでもいい。支援級に行く」と決心は変わりませんでした。

「うちの」支援級には良いところも、そうでないところもあることを、十分納得の上で転籍をした私達。結果的にこの一年は、長男の成長のプラスになりました。

実際に自分の目で確かめて、後悔のない選択を

長男の先生からの話にもありましたが、近年、支援級を希望する子どもが急増している傾向があります。なかなか現場がそれに追いつけないという裏事情もあり、全てが保護者の希望どおり、理想どおりという訳にはいかない場合も、多いかと思います。

それでも、事前にメリット・デメリットを良く比較検討し、納得のゆくまで説明をして頂き、実際に自分の目で確かめて、体験して、自分たちの意思で決められれば、後悔するリスクを減らすことができます。

学校生活でお子さんが自信をつけてゆける、プラスの選択ができるよう、祈っています。

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