出産をきっかけに、うつと神経症が悪化。そのとき私を救ったのは…

ライター:ヨーコ
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発達障害の二次障害で神経症、うつを20歳過ぎに発症した私。妊娠して切迫流産などのトラブル続きで約半年入院して出産しました。急激な環境の変化、ホルモンバランスの崩れなどから神経症が急激に悪化した私を救ってくれたのは、入院していた病院から繋がり続けた保健センターのネットワークでした。

切迫早産の可能性のため入院。そして出産後も消えない不安

妊娠したら、しばらくは普通に妊婦として生活して、直前になったら病院に担ぎ込まれて出産するんだとばかり思っていました。

しかし、私の出産経験は、想像と全く違う結果となりました。

妊娠4カ月半で切迫早産で入院、その後の検診で大きなトラブルが判明、出産までの長期入院を言い渡されてしまったのです。

私が入院した病院では、切迫早産や切迫流産、合併症、胎児の病気などのトラブルを抱えた妊婦がたくさん大部屋で同室入院していました。

基本的に体は元気な人が多いので、病室では人間関係のトラブルが耐えません。私が一番苦手な「女の園」の中で、逃げ出せない拘束生活…しかも、いつの間にか私が最古参に。くれぐれもトラブルに巻き込まれないようにと、心すり減らす日々が続きました。

いつまで妊娠が継続できるかわからず、緊急手術で取り出さなくてはいけない可能性があるという日々はものすごいストレスを感じるもの。妊婦雑誌を読むと涙が出そうでしたね。

やっと生まれた娘は検査のため、すぐに新生児として入院。いろいろとあったものの、幸い退院するころにはすっかり元気になりました。

しかし長い間、ストレスを抱えながらも病院の中でスタッフに守られる日々を送っていたのに、出産を終えて病院を出た途端、

「さぁ、これからあなたはお母さんですよ。頑張って。」

というプレッシャーがかかるこの落差。それまでのストレスとホルモンバランスの崩れもあったのでしょう。私の心はあっという間に故障してしまいました。強迫神経症が悪化してなかなか次の行動に移れなくなったうえに、ひどいうつ状態がやってきたのです。

入院中、実家、自宅…私の心を救ってくれたのは保健師さんのネットワークだった

そんな私を見て、入院中から保健師さんとの面談が始まりました。

精神的なつらさ、この先の不安な気持ちをしっかり聞いてもらい、退院後も実家から保健師さんに何度も電話してつらい気持ちを聞いてもらいました。時間を割いてしっかり対応してもらい、ずいぶん私の心は救われました。

さらにその保健師さんは、実家が管轄下に入っている保健所につないでくれ、実家にも保健師さんが訪問してくれるようになりました。娘の発育状況を診たり、私の話もじっくりと聞いてくれて心強かったです。

そして、自宅に帰ってからも保健師さんが訪問するよう手配してくれたのです。入院中から実家、そして自宅へと管轄がそれぞれ違う保健所が、ネットワークをつないで私を救ってくれました。

赤ちゃんとふたりきりの生活で壊れた心。保健師さんのおかげで子どもとの時間を楽しめるように

実家から自宅に戻ると、昼間は赤ちゃんとの二人きりになる生活が始まりました。当時は近所にまだ知り合いがおらず、まだ公園にも連れて行けない赤ちゃんとの二人きりの生活は泣くほどさみしかったです。

そんなときに訪問してくれた保健師さんはとても頼りになる存在で、育児のアドバイスをしてくれたり、私の悩み相談にも乗ってくれました。そして孤独に悩む私を、近くの保健所で行われる赤ちゃんとママ教室に誘ってくれました。

初めて出会う他の親子たち、そして優しく見守ってくれる保健婦さん。出産してから初めて他のママと会話して、心が緩んでくる感じがしました。

だけど、やはり日中のほとんどを赤ちゃんとふたりで過ごす孤独と、赤ちゃんを守らなければならないプレッシャーは私の心を蝕んでいきました。強迫神経症が悪化して日常生活が送れないレベルに達してしまったのです。

当時は赤ちゃんを寝かせたまま、何時間もかけて哺乳瓶の消毒、掃除をするまでになってしまいました。

私のSOSを聞いて母が世話に通ってくれましたが、その状況を見かねた父から強制帰還命令が出され、実家へ帰ることになりました。このときの父の決断力には今でも感謝しています。あのままだったらきっと親子共倒れになっていたことでしょう。

その時も保健師さんは私を助けてくれました。そのころかかっていた実家近くの精神科はどうしても私に合わず、症状がひどくなっても対応してくれませんでした。それを知って自宅から通える精神科を調べてくれ、つないでくれたのです。

結果的に紹介された精神科にかかったおかげで、だんだん症状は落ち着き、子どもとの生活を楽しめるようになりました。
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