発達性協調運動障害の息子の「テレビ体操」奮闘記!母と一緒に見つけた攻略法は…

ライター:GreenDays
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学校に行かずに家で穏やかに過ごしている子供たち。一日中家に引きこもっているわけではありませんが、最近少し運動不足気味になってきました。そこで、「テレビ体操」を録画して毎朝一緒にやってみることに。そこから見えてきた発達性協調運動障害の息子の苦手なこととは…

発達性協調運動障害の息子は体を動かすことが苦手で…

発達性協調運動障害の診断が下りている息子は、何をするにも不器用で時間がかかります。それは幼い頃からのことで、ご飯を食べていてもすぐにスプーンを落としてしまったり、少し歩けば物や壁にぶつかったりしていました。

そんな息子も、体操教室に通って「前転」「逆上がり」など手順の決まった動きはできるようになりましたが、日常生活ではまだまだ困難がたくさん。そんな息子とテレビ体操に取り組んでみた時のことです。

一緒に体操をしながら息子を見ていると、身体の動かし方がぎこちなくて、とても同じ体操をしているようには見えません。はたから見ると、ゆらゆらと身体を動かしているような状態に見えたのです。

どうしてできないんだろう。気づかなかった盲点とは…

発達障害についての知識がない頃だったら、

「ふざけてないで真面目にやりなさい!」「ちゃんとやらないのなら、もうやめるよ!?」

そんな風に声を荒らげてしまったかも知れないな、と思いながら息子を観察していました。

そして、あれこれアドバイスをしながら毎日体操を繰り返すうちに、問題点は意識していても指と腕をまっすぐに伸ばすことができない点だということに気がついたのです。

本人は精一杯腕を伸ばしているつもりなのですが、指は丸まり、肘は曲がった状態で身体を動かしているので、体操というよりはくねくねと体を揺らしているだけのように見えていたのです。

そういえば体操教室でも、跳び箱に手をつく時に指が曲がっているのできちんと体重を支えられていないと指摘され、「指を全部ペタンと跳び箱につけるんだよ」と声をかけてはいました。しかし、まさか本人が伸ばしていると思っていも、指は曲がっていたとは気づきませんでした。

どうしてこんな大切なことを見落としていたんだろう。「指を伸ばして」と言われれば普通は伸ばせるだろうという私の思い込みが息子の成長を妨げていたかも知れない。後悔の念が押し寄せて来てすごく落ち込んだ気持ちになりました。

でも、落ち込むだけ落ち込んだら後は前進あるのみ!前に進むしかないのです。

まずは体の状態を認識していくことからスタート!

まずは「指を伸ばす」というのがどういうことなのか、私と息子の認識をすり合わせていくことにしました。

私「手をグーパーグーパーってしてみて?」
息子「こう?」
私「グーはすごく上手だね!あれ?でもおかしいな?パーの時に指が丸くなってるね?パーは指がピーンと伸びてお外に広がってないとパーに見えないよ?」
息子「やってるよ?」
私「うんとね、こうやって指先に力を入れて、もう無理~!!っていうくらい、伸ばすんだよ」

そんな話をしながら息子の指を一本一本広げていきます。しかし指は元のようにすぐ丸まってしまうので、すかさずまた指を伸ばしてあげます。焦らずにできたら盛大に褒めて、少しずつ感覚を掴んで行けるように練習を重ねました。

もちろんすぐには出来るようにはなりませんが、2週間ほど続けると、自分で意識をしながら指をぐんと伸ばせるようになりました。

まだまだ力の入れ方をコントロール出来ていないので、開いた手はぷるぷると震えていますが、「これが指を伸ばした状態である」という共通の認識を持つことができました。

そうして指を伸ばせるようになったら、今度は腕の番です。視覚優位の息子にわかりやすいように、バンザイをしている姿を写真に撮って本人に確認してもらいました。

そうして客観的に自分の姿を見ることで「あれ?腕が曲がってる?これはおかしいね?」と自分で気づけるようになってきました。

でも、私が手を添えて腕を伸ばした状態にすると、指が自然と曲がってしまいます。指を伸ばそうとすると、今度はせっかく伸ばした腕が曲がってしまいます。どんな風に力を入れれば自分の体が思うように動くのかわからない状態なんだということを改めて感じました。

まだやり始めて間もないので完全に腕も指も伸びたバンザイはできていません。ですが、いつか自分が思うように体を動かせる感覚を掴めればいいなと考え、練習を続けています。
次ページ「練習を続けたことで思わぬ成果も!」

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