自閉症の長男が発した深夜の叫び。たたき起こされた両親が大喜びしたワケは?

ライター:シュウママ
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我が家の8歳の長男は、重度の自閉症です。ある夜、長男が叫んだある一言が、私達家族を喜ばせてくれたのです。

ずっと言葉が出なかった長男。少しずつ単語が出始めた!

長男は重度の自閉症で、5歳を過ぎても言葉がなかなか出てきませんでした。焦燥感にかられて主治医の先生に相談したりもしました。
ずっと言葉が出なかった長男。
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「シュウくん、今は言葉を頭の中に溜め込んでいる最中なんですよ。沢山話しかけてあげて下さい。言葉の理解が深まれば話せるようになりますよ」

考えてみれば「お着替えしようね」というと自分で服を着ようとしたり、「いただきます、だよ」と言うと手を合わせたり、言葉は出ないものの、こちらの言葉を理解できてるなという場面が少しずつ見られるようになっています。そのうちきっと、喋るようになる…気持ちを切り替え、ゆったり見守るようにしました。

すると7歳を過ぎたころから少しずつ単語が出るようになってきました。オウム返しや、私が指差したものを答えるだけで、まだまだ言葉でコミュニケーションできる訳ではありません。でもそれだけで十分です。やっと単語が出た長男の成長が、たまらなく嬉しかったのです。

深夜に突然泣き始めた長男。起こされた私が声をかけると…

深夜2時、家族全員ぐっすり眠っていた時のことです。

突然耳元で叫び声がしました。何事かと思い跳ね起きます。
突然耳元で叫び声がしました。何事かと思い跳ね起きます。
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すると布団の上で長男が足を投げ出し真っ赤な顔をして泣いていました。それはそれは大きな声です。とてつもない音量で、長男は「あ~!」と泣き叫んでいました
長男は「あ~!」と泣き叫んでいました。
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赤ちゃんの頃は夜泣きがひどかったのですが、こんな風になることはここ最近ではありませんでした。

とりあえず落ち着かせようと背中をさすってやりますが、長男は泣き止むどころか、どんどん音量を上げていきます。あまりの騒ぎに夫も起きてきます。

初めて自分の欲求を口にした長男

「どうしたの?なぜ泣いてるの?」

いつも通り、答えはないだろうと思いながら、私は話しかけなさいと先生から教わった通り、つとめて冷静に長男に聞いてみました。
「どうしたの?なぜ泣いてるの?」
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すると、怒ったような顔をして私の顔を見つめた長男は、大声で叫びました。
怒ったような顔をして私の顔を見つめた長男は、大声で叫びました。
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思わず、私と夫は顔を見合わせました。

「今、お茶って言った?」「うん、言った!」
「今、お茶って言った?」「うん、言った!」
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あまりの感激で、私と夫はお茶を持ってくることも忘れてしまいました。

その様子を見た長男は再び「おちゃ~!」と苛立ったように大声で連呼しました。

「ああ、そうかお茶、お茶ね!」と慌てて冷蔵庫からお茶を取ってくると、長男はやっと来たか!という顔をしてごくごく喉をならしながらお茶を飲みました。

自分の言葉が伝わったのが嬉しかったのか、長男はどこか得意げな様子です。
次ページ「自閉症の子どもにとっては、言葉を話す=コミュニケーションとは限らない」

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