冷蔵庫はまるで「腐海」…親子で発達障害の我が家に「救世主」が降臨!

2017/06/09 更新
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アスペルガーとADHDの両方を持っている私は人並み外れて家事が苦手です。どうしてそんなにできないのかわからず「自分はダメな人間だ」と落ち込んでいました。しかし、診断後にヘルパーさんを派遣してもらえたことで、自分も落ち着くことができ、娘との関係もよくなったのです。

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子どものころから家事が大嫌いだった私

私の母親は「娘に家事を仕込まなくては」と使命感があったようで、「お母さんと一緒に台所に立って料理を覚えなさい」と口を酸っぱくして言われました。

母は料理が上手で、とても手際よくおいしい料理を品数多く作ってくれました。だけど、いざ手伝おうとしてもその手順を見ているだけで目が回るような気がして、何をすればいいのかわからず呆然と立ち尽くすありさま。母には呆れられ、それ以来「絶対に嫌!」と二度と台所には立ちませんでした(皿洗いはできたんですけどね)。

大学に行って一人暮らししてからは、餃子や肉を焼くだけ。あとは味噌汁とカレーライスくらいでしょうか。それさえも作っていることを忘れ、鍋を真っ黒に焦がしてしまったこともありました。部屋の床はろくに見えず、もはや汚部屋と呼べるレベル。

実家に戻ってからは無理やり初心者向けの料理教室に行かされましたが、なぜかいいところは他の人に全部取られてしまって私は米洗い係。あほらしくなって1回で行かなくなってしまいました。

結婚してからは、「これからはちゃんとした料理を作らなきゃ」と意気込んで、料理本を積み上げて3時間以上かけてご飯を作っていました。ただの家庭料理ですよ?別に特別なごちそうを作ろうとしていたわけではありません。

掃除も嫌いで、「掃除しなくちゃ」と思うだけでうんざり。

「私って家事嫌いのズボラ人間なんだな」
こんな日々の中で、私の自己肯定感は地に落ちていました。

「頑張らなくちゃ」と自分を追いつめる日々

その後、31歳で子どもが生まれ、「ちゃんとやらなきゃ、頑張らなくちゃ」と、私はどんどん追い詰められてゆきました。

「できないのはだらしない性格で今まで怠けていたからだ」と自分を責める日々。持てる力の200%を発揮して必死で料理を作り、部屋も掃除していましたが、それでもなかなか自分の育った家庭のような状態にはなりません。せめて母がしてくれたことくらいは、子どもにもしてあげたいのに。

いくら頑張ってもどうしてうまくいかないのかわからず、無理して家事をこなすと心身ともにどんどん疲れがたまっていき、次第に鬱状態になってしまいました。

昔から家事をすると疲れの余り機嫌が悪くなる傾向があった私。掃除しているとき、小学生にもならない娘に「邪魔だから出て行け」と言ってしまったり、料理をしながら「どうしてこんな思いをしなきゃいけないんだろう」と声に出して言うようになってきてしまいました。娘は泣くし、私も泣きたいし、もう消えてしまいたいほど苦しかったです。

発達障害専門医にかかってから苦手の正体がわかってきた!

それから、46歳で発達障害の専門医にかかり、アスペルガー症候群に加えてADHDの診断が下りました。先生に掃除と料理が苦手なことを話すとこういわれました。

先生「掃除は段取りを組む必要があって、それは発達障害の人は苦手なんです」
私 「ルーチン化してできるだけ迷わないようにしたのですが」
先生「そうすると、掃除を遂行するのに過集中を起こして疲れてしまうんですよ」

まさにその通りで、掃除が嫌いなのにアスペルガーのこだわりゆえに隅々まできれいにしようとして疲れて泣きそうになったり、逆に怒りが湧いてきて子どもに当たり散らしていました。

私 「先生、私料理が大嫌いなんです」
先生「料理はマルチタスクが必要な上、段取りよく進める必要があります。手早くすることも必要になりますね。(検査結果を見て)あなたの苦手なことばかりですから、苦手なのはしょうがないのです」

そういえば、2品同時に作ろうとしたら片方は失敗する、何度作ってもレシピが頭に入らない、レシピを何度も見直さなければ手順を忘れるということがありました。

ちなみに同じアスペルガー症候群の娘も、レシピと首っ引きでないと料理を作ることができません。やはり同じ特性があるのだなと納得しました。

こうして解説してもらうと、自分の力ではどうしようもないことで苦しんでいたことが分かり、「苦手なものはどうしようもないんだ」と心が軽くなりました。

障害福祉サービスを利用してヘルパーさんに来てもらうことに

市の相談支援事業所で相談したところ、生活の自立能力が低いということでヘルパーさんが派遣されることになりました。最初の月2回からだんだん増やして、今月からは週2回の計4時間になります。

私の場合は、料理を主にお願いすることにしました。材料は適当に野菜や肉を買っておきます。それが難しければ買い物に同行してもらうことも可能です。

ヘルパーさんが来たら、一緒に冷蔵庫を見ながら「今日は小松菜はベーコンいためにして肉は唐揚にしよっか」という風にヘルパーさんに案を出してもらい作ってもらうものを決めていきます。そのときに古くなった調味料やダメになってしまった肉や野菜など、冷蔵庫の腐海を整理してもらうこともあります。

あとはおしゃべりしながらヘルパーさんがメインで料理を作っていきます。毎週決まった日に4~5品の作り置き料理を作ってもらうことで、「あと3日間は何もしなくてもごはんがある」と思うことができるようになり、ものすごく心が軽くなりました。

それまで、疲れたときはお惣菜を買ったり、冷凍食品に頼っていましたが、コンスタントに手作りの料理が食べられるようになり、罪悪感が減って心が明るくなってきました。

娘は味覚が敏感なので、「ママが作った料理が食べたい」と言うこともあります。これだけ料理の負担が減ると、ストックがなくなった日にリクエストされた料理を作る余裕もできてきました。それにヘルパーさんが作る料理にもだいぶ慣れてきたようです。今では、料理が出来上がったらすぐ味見に来るほどになりました。

また、うちの場合は、ヘルパーさんが来てる間に見守ってもらいながら掃除をすることにしました。そうすると過集中を起こすことを避け、掃除をすることができることに気づいたのです。

ヘルパーさんが来ることで、家の中に吹き込んだ新しい風

うちは母子家庭かつ娘が引きこもりという特殊な環境であるため、家のなかは閉じられた空間でした。だけどヘルパーさんという新しい風が入ってきたことで、私も人としゃべる機会が増えて元気が出てきましたし、娘に家事のことで当たることもほとんどなくなってきました。

ヘルパーさんに聞くと、だんだん発達障害の利用者さんが増えているそうです。苦手なことは人に手伝ってもらうことで、日常の困難を軽減し、より充実した時間を過ごせるようになるといいですね。

困難なことを助けてもらう。それは甘えではありませんから。
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