習いごとで失敗だらけの息子が自らスイミングスクールへ!挑戦の前に、親子で交わした約束とは
ライター:林真紀
私は発達障害のある息子を育ててきて、これまで「習いごと」で良い思いをしたことはあまりありません。そのことから、かつて私は、本人の成長が追い付いて、本人がやりたいと言うまで待とうと決めたのです。そして7歳になった息子が、ついに自分から「やりたい」と言い出した習いごと。そして、そのときに私と息子が交わした約束とは…
習いごとには、苦い思い出ばかり
息子の習いごと探しは、私にとっての黒歴史ナンバーワンです。
小さな頃から手が不器用で、身体の動かし方も不器用だった息子。苦手なことだらけの息子の将来を心配するあまり、「発達障害に良い」とか「発達を促す」とか言われる習いごとを、次から次にやらせたことがあります。
しかしどんな習いごとも長続きはしませんでした。さらに悪いことに、息子にとって「習いごと=苦手なことを無理やりさせられる」という認識になってしまい、息子は習いごとに連れて行かれるたびに自信を失っていくという結果になってしまったのです。
やりたくないことをさせられるとき、息子はよく奇声を発したり、その場から逃げ出したりしていました。そのたびに、先生にも周りの父母にも「あちゃ~…」「あの子は毎回大変だよね…」という白い目で見られているのを感じ、いたたまれなくなったものです。
この失敗経験を経て、私は3つのことを心に強く決めました。
1つ目は、「息子が十分に成長して、自分の意思でやりたいと言うまでは、習いごとはさせない」
2つ目は、「苦手なことを克服させるために習いごとをさせることはしない」
3つ目は、「『発達に良い』『発達障害に良い』といった文言に振り回されない」
一生習いごとをやらないことになっても、後悔はしない。もう習いごとに飛びついて、息子を傷つける結果になるのだけは絶対にしたくない…!失敗から学んだ決心は固かったのです。
同級生のお友達がダンスやサッカーを習って楽しそうにしている姿を見ていても、私に焦る気持ちはまったくありませんでした。
小さな頃から手が不器用で、身体の動かし方も不器用だった息子。苦手なことだらけの息子の将来を心配するあまり、「発達障害に良い」とか「発達を促す」とか言われる習いごとを、次から次にやらせたことがあります。
しかしどんな習いごとも長続きはしませんでした。さらに悪いことに、息子にとって「習いごと=苦手なことを無理やりさせられる」という認識になってしまい、息子は習いごとに連れて行かれるたびに自信を失っていくという結果になってしまったのです。
やりたくないことをさせられるとき、息子はよく奇声を発したり、その場から逃げ出したりしていました。そのたびに、先生にも周りの父母にも「あちゃ~…」「あの子は毎回大変だよね…」という白い目で見られているのを感じ、いたたまれなくなったものです。
この失敗経験を経て、私は3つのことを心に強く決めました。
1つ目は、「息子が十分に成長して、自分の意思でやりたいと言うまでは、習いごとはさせない」
2つ目は、「苦手なことを克服させるために習いごとをさせることはしない」
3つ目は、「『発達に良い』『発達障害に良い』といった文言に振り回されない」
一生習いごとをやらないことになっても、後悔はしない。もう習いごとに飛びついて、息子を傷つける結果になるのだけは絶対にしたくない…!失敗から学んだ決心は固かったのです。
同級生のお友達がダンスやサッカーを習って楽しそうにしている姿を見ていても、私に焦る気持ちはまったくありませんでした。
初めての息子の「やりたい」
もう「習いごとは一生やらなくても良い」と考えていた私。
ところが、息子はある日突然「スイミングスクールに通いたい」と言い出したのです。私にとっては青天の霹靂(へきれき)もいいところです。
息子の動機はよく分かりません。学校のプールで顔をつけられず、苦戦したことが悔しかったのかもしれません。しかし、私は動機よりもむしろ、息子のこんな言葉に注目しました。
「サッカーとか野球は怖いけど、スイミングなら僕でも出来るような気がする」
運動が苦手で、運動の時間になると不機嫌になってしまう息子。そんな息子が、「これなら出来るような気がする」と思えたことがどれほど貴重なことか私には分かります。それでも息子の気持ちを試したくて私は2週間ほど、いいともダメとも答えを出しませんでした。すると2週間の間、息子は毎日「お母さん、スイミング申し込んでくれた?」と聞いてくるようになりました。
「苦手なことを克服させるために習いごとをさせることはしない」と決めていた私ですが、息子の自発的な挑戦の意欲を感じ取り、スイミングスクールへ通うことを本気で考え始めたのです。
ところが、息子はある日突然「スイミングスクールに通いたい」と言い出したのです。私にとっては青天の霹靂(へきれき)もいいところです。
息子の動機はよく分かりません。学校のプールで顔をつけられず、苦戦したことが悔しかったのかもしれません。しかし、私は動機よりもむしろ、息子のこんな言葉に注目しました。
「サッカーとか野球は怖いけど、スイミングなら僕でも出来るような気がする」
運動が苦手で、運動の時間になると不機嫌になってしまう息子。そんな息子が、「これなら出来るような気がする」と思えたことがどれほど貴重なことか私には分かります。それでも息子の気持ちを試したくて私は2週間ほど、いいともダメとも答えを出しませんでした。すると2週間の間、息子は毎日「お母さん、スイミング申し込んでくれた?」と聞いてくるようになりました。
「苦手なことを克服させるために習いごとをさせることはしない」と決めていた私ですが、息子の自発的な挑戦の意欲を感じ取り、スイミングスクールへ通うことを本気で考え始めたのです。
スイミングに伴う数々の困難
息子は突然新しい場所で新しい経験をすることが苦手なので、まずは短期教室に通って様子を見ることにしました。そして、全部で4日間の短期教室を見ているだけでも、息子の発達障害の特性がいろいろと困難をもたらしている様子が見て取れたのです。
まず、触覚過敏。息子は、自分の身体に突然触れられるのが苦手です。触覚過敏があるため、くすぐったくて我慢ができなくなってしまうのです。スイミングのコーチは、泳ぎのフォームを教えるために、どうしても身体に触る必要があります。息子は泳いでいる最中に突然触られると、パニックになってしまいます。
また、息子はボディイメージが弱いという特性があり、自分の身体のどこがどういう風に動いているのかを感じることが苦手です。特に水の中に入ってしまうと身体の感覚が鈍るようで、手足の動きがバラバラになってしまいます。