リスパダールとエビリファイの違いは?リスペリドンなどジェネリック薬が処方?ASD(自閉スペクトラム症)の衝動性、癇癪を抑える薬の選び方と副作用への対策【医師監修】
リスパダールはASD(自閉スペクトラム症)のある子どもに発症しやすい衝動性やかんしゃく、落ち込みなどの易刺激性症状を緩和させるための治療薬です。統合失調症にも効果があり、抗精神病薬の中でも第一選択薬として使用されることが多い薬です。リスパダールがどういった薬なのか、副作用はあるのか、エビリファイとの違いは何かなど、解説していきます。
リスパダールとは?リスペリドンとの違いは?
このコラムで分かること
- ASD(自閉スペクトラム症)の「易刺激性(かんしゃく・衝動性)」に対するリスパダールの効果と働き
- 子どもが服用する際に出やすい副作用(眠気・体重増加)と家庭でのケア・対策
- よく比較される「エビリファイ」との違いや、ジェネリック医薬品の小児への適応について
- 体重ごとの用量目安や、錠剤・内用液など薬の形状による使い分け
- 薬はあくまで「補助」。療育や環境調整と組み合わせて生活を安定させる考え方
アメリカでは統合失調症の治療薬の代表薬として用いられており、リスパダールは日本でもASD(自閉スペクトラム症)の易刺激性に対する治療に第一選択薬として使用されることが多くあります。
リスパダールは2002年に販売が始まった第二世代に分類される新しい薬です。第一世代は従来型抗精神病薬と呼ばれ、ドーパミンに作用する薬もありますが、副作用が多いと言われてきました。
そのために副作用が少ない、ほかの伝達物質への働きがある新しい薬として開発されたのがリスパダールです。
リスパダールとリスペリドンとの違いは?
リスパダールの効能・効果
リスパダールのASD(自閉スペクトラム症)に対する効能・効果
易刺激性は不機嫌、無視、怒りっぽさ、かんしゃく、泣き叫ぶ、暴力や暴言、器物破損、抑うつ気分、気分の変わりやすさ、自傷などの行動を起こしやすいなどの症状のことを指します。
統合失調症に対する効能・効果
陽性症状は幻聴や妄想のような、実際にはあるはずのないものが出現し、それによって精神的に追い詰められることを指します。陰性症状は無気力になり物事への意欲が低下したり、感情の起伏が乏しくなったりすることです。
リスパダールにはそれらの陽性症状と陰性症状の緩和や、回復期に起こる認知機能障害を緩和させるはたらきがあります。
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リスパダールの用法・用量
小児期のASD(自閉スペクトラム症)に伴う易刺激性
通常、1日1回0.25mgより開始し、徐々に薬を増量していきます。ただし1日量は1mgを超えてはいけません。
・体重20kg以上の子ども
通常、1日1回0.5mgより開始し、同じように徐々に薬を増量していきます。ただし1日量は、体重20kg以上45kg未満の場合は2.5mg、45kg以上の場合は3mgを超えてはいけません。
ただし、これらは一般的な内服の仕方であり、ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さんにはできるだけ少量のリスパダールで治療するのが望ましいです。実際には10㎏に対して0.1mg程度がいいと考えられています。
発達障害児はてんかんを伴いやすいと言われています。てんかんがある方のリスパダールの服用は、けいれんを引き起こしやすくする作用があるため、服用は医師の指示のもとに、慎重に行なうようにしてください。
統合失調症
ほかの薬との併用について
またアドレナリンとの併用も、アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を招くおそれがあるため併用を避けてください。
リスパダールは錠剤・内用液・注射があります
内用液は即効性が高く、突発的な興奮や不安が生じた際に服用して状態を和らげます。ただし錠剤と比べて内用液は3倍ほど値段が高く設定されています。そのため錠剤が飲めない場合や突発的な症状に見舞われた場合に服用することが推奨されています。
リスパダールコンスタ注射はお尻か肩への筋肉注射を行います。効果が約2週間持続することが特徴です。ただしこちらは統合失調症の方のみが使用でき、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもへの適応は現在認められていません。
リスパダールの副作用のリスクと注意すべきこととは?
リスパダールを子どもが服用するときの副作用は?
リスパダールの副作用は統合失調症の方と比べて、小児期のASD(自閉スペクトラム症)のある子どもに多く現れます。ですが一般的には人体に大きな影響を及ぼすような副作用ではなく、よく眠るようになるとか、体重が増えるといった副作用が現れます。
小児期のASD(自閉スペクトラム症)
・傾眠・・・63.2%
・体重増加・・・34.2%
・食欲異常・・・26.3%
・高プロラクチン血症・・・10.5%
・不安・・・7.9%
・よだれ・・・7.9%
・浮動性めまい・・・5.3%
・便秘・・・5.3%
・倦怠感・・・5.3%
自閉スペクトラム症のある子どもの場合は眠気や体重増加、食欲増加の副作用が発生する可能性があります。
参考文献:医療用医薬品 : リスパダール | 17.1 有効性及び安全性に関する試験<小児期のASD(自閉スペクトラム症)に伴う易刺激性>(https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049728)
統合失調症
・アカシジア(座ったままでじっとしていられず、そわそわと動き回ること)・・・17.4%
・振戦(筋肉の収縮、弛緩が繰り返された場合に起こる不随意のリズミカル運動のこと)・・・13.1%
・易刺激性・・・12.7%
・不眠症・・・12.0%
・筋固縮・・・11.8%
・流涎過多・・・11.2%
注)承認用量外の本剤を投与された患者20例を含む。
参考文献:医療用医薬品 : リスパダール | 17.1有効性及び安全性に関する試験<統合失調症>(https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049728)
副作用かな?と思ったら
体重増加の副作用については、肥満気味になることを避けるために、普段の食生活などで工夫することが必要です。適度な運動をすること、バランスの良い食事をすることなどで、体重の増加をコントロールしやすくなります。ご飯を食べて、すぐ寝てしまう前に、親子で散歩に行くなどひと工夫を凝らすことが大切です。薬をやめれば元の体重に戻ることが多いです。
リスパダールとエビリファイとの違いは?
リスパダールはドパミンとセロトニンに働きかけて症状に作用し、エビリファイはドパミンに働きかけて作用するという違いがあります。どちらの薬剤を使用するかは医師の判断によりますが、リスパダールの副作用が強かったり、薬が合わなかったりするとエビリファイを処方されることもあります。
リスパダールやエビリファイのジェネリックは?
リスパダールはリスペリドンという名称でのジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。2020年から小児期(5歳から17歳まで)におけるASD(自閉スペクトラム症)の易刺激性に対して先発品同様、投与が認められております。
■エビリファイのジェネリック
エビリファイはアリピプラゾール(+製薬名)という名称でのジェネリック医薬品がありますが、まだ小児期のASD(自閉スペクトラム症)のある子どもへの投与は認められておりません。
参考文献:商品一覧:リスペリドン|KEGG MEDICUS(http://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D00426)
まとめ
リスパダールには細粒・錠剤、内用液、注射の4種類があり、突発的な症状にも対応できたり、効果を持続させたりすることができます。しかし注射に関してはまだ小児期のASD(自閉スペクトラム症)のある子どもへの投与は認められておりません。ジェネリック医薬品もまだ小児期のASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちへの投与が認められておりません。
治療薬の選択肢が広がってきた一方で、薬物治療というのはあくまでも困りごとを解決するための一要素にすぎないということを忘れないでください。本人が自分の力で生きていくスキルを獲得する過程での補助的な役割として治療薬を利用しながら、適切な環境設定や療育などの取り組みも並行して行うとよいでしょう。
抗精神病剤 日本薬局方 リスペリドン錠 リスペリドン細粒 「MEEK」|小林化工株式会社
抗精神病薬剤 日本薬局方 リスペリドン内服液 リスパダール内用液|ヤンセンファーマ株式会社
特効性抗精神病薬 リスパダール コンスタ筋注用|ヤンセンファーマ株式会社
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