思い切って申し込んだ養成研修
気になりつつ踏み出せずにいた2017年の春先、所属している親の会を通してメンター募集の案内が来ました。
いろいろなサポートのおかげで当時6年生の次男の状態がだいぶ落ち着いていたこと、また次男の中学進学を前に自分の知識や情報を増やしたい、もっといろんな人に会いたい、と思っていた矢先だったこともあり、「今しかない!」と夫や実家の家族にサポートを頼んで応募しました。
養成研修は朝から夕方まで丸1日の研修が月1回程度のペースで組まれており、修了証を頂くためには全5回の研修を全て受けなければならない仕組みになっています。
研修のなかではペアレントメンターとしての活動の基本から始まり、ピアの立場からの寄り添い方、お話の聴き方、相手を侵害しないよう気をつけながらお話を進めるスキルなど、相談を受けたときにお話を聴く手法、いわゆる「傾聴」の研修に多くの時間が割かれました。
私も含め、同期の皆さんが難しさを痛感したのがそのなかの傾聴のロールプレイ(役割を決めて演技をする研修)です。
3人1組で「相談者・メンター・観察者」に分かれて、それぞれの役割を演じます。
「相談者は何歳の自閉症と診断された子を持つこういうことに困っている保護者」という設定が決まっている回もあり、また設定は特に決められず自分で考えながら演じる回もありました。
いろいろなサポートのおかげで当時6年生の次男の状態がだいぶ落ち着いていたこと、また次男の中学進学を前に自分の知識や情報を増やしたい、もっといろんな人に会いたい、と思っていた矢先だったこともあり、「今しかない!」と夫や実家の家族にサポートを頼んで応募しました。
養成研修は朝から夕方まで丸1日の研修が月1回程度のペースで組まれており、修了証を頂くためには全5回の研修を全て受けなければならない仕組みになっています。
研修のなかではペアレントメンターとしての活動の基本から始まり、ピアの立場からの寄り添い方、お話の聴き方、相手を侵害しないよう気をつけながらお話を進めるスキルなど、相談を受けたときにお話を聴く手法、いわゆる「傾聴」の研修に多くの時間が割かれました。
私も含め、同期の皆さんが難しさを痛感したのがそのなかの傾聴のロールプレイ(役割を決めて演技をする研修)です。
3人1組で「相談者・メンター・観察者」に分かれて、それぞれの役割を演じます。
「相談者は何歳の自閉症と診断された子を持つこういうことに困っている保護者」という設定が決まっている回もあり、また設定は特に決められず自分で考えながら演じる回もありました。
相談者を演じ、流した涙
相談者役になったとき、なんとなく設定を決めつつ話の流れで結局、その当時本当に困っていた次男についての悩みを話しました。
メンター役の同期の方が私の話に相槌を打ちながら、ゆっくり聴いてくれます。ところどころに同じ親として自分のときはこうだった、こう思った、と体験談を挟みながら、こちらの言葉を遮ることなく5分の制限時間の間、ただただ私の話を聴いてくれました。
研修のなかのロールプレイングだと分かっていたはずなのに、気づいたらボロボロと涙がこぼれていました。
私につられてメンター役のお母さんも観察者さんももらい泣き、終了の合図を受けて周囲を見回すとあちこちのグループで涙を拭きながら笑い合う参加者の姿がありました。
たった5分間、ただただ自分の話をしただけなのに、なんの結論も解決策もなかったのに、自分の中で何か整ったような、落ち着いたような、そんな不思議な気持ちになったのを覚えています。
「これが、傾聴してもらうということなのかな」
研修を終えて自宅に帰る車内で、ぼんやりと、何かが見えてきたような気がしました。
メンター役の同期の方が私の話に相槌を打ちながら、ゆっくり聴いてくれます。ところどころに同じ親として自分のときはこうだった、こう思った、と体験談を挟みながら、こちらの言葉を遮ることなく5分の制限時間の間、ただただ私の話を聴いてくれました。
研修のなかのロールプレイングだと分かっていたはずなのに、気づいたらボロボロと涙がこぼれていました。
私につられてメンター役のお母さんも観察者さんももらい泣き、終了の合図を受けて周囲を見回すとあちこちのグループで涙を拭きながら笑い合う参加者の姿がありました。
たった5分間、ただただ自分の話をしただけなのに、なんの結論も解決策もなかったのに、自分の中で何か整ったような、落ち着いたような、そんな不思議な気持ちになったのを覚えています。
「これが、傾聴してもらうということなのかな」
研修を終えて自宅に帰る車内で、ぼんやりと、何かが見えてきたような気がしました。
ペアレントメンターとして話を聴くだけで
研修を終えて修了証を手にしたのは昨年の11月。そこから私の生活はペアレントメンターとして一変…したわけではありません。
大分県ではペアレントメンターとしての活動は原則として親の会を通してに限られています。そのため、私がメンターとしてできるのは所属している親の会の勉強会や座談会のなかでお話を聴いたり、そこで個別に相談を持ちかけられたらお話をしたりする程度です。
日常のなか、例えば小学校や次男の通いはじめた中学校などで「私はペアレントメンターです」と宣言して何かをしたり、肩書きを書いた名刺を配るようなことも今のところはありません。
親の会のなかでメンターとしてできるのは具体的な解決策の提示ではなく、主にただ、お話を聴くだけです。
それでも「話してスッキリした」「聴いてもらえて整理できた」「元気が出た、がんばれる」と言ってもらえたり、その時間を糧に次のステップに踏み出していくお母さんたちに、逆に私が元気をもらっているような気がすることもよくあります。
大分県ではペアレントメンターとしての活動は原則として親の会を通してに限られています。そのため、私がメンターとしてできるのは所属している親の会の勉強会や座談会のなかでお話を聴いたり、そこで個別に相談を持ちかけられたらお話をしたりする程度です。
日常のなか、例えば小学校や次男の通いはじめた中学校などで「私はペアレントメンターです」と宣言して何かをしたり、肩書きを書いた名刺を配るようなことも今のところはありません。
親の会のなかでメンターとしてできるのは具体的な解決策の提示ではなく、主にただ、お話を聴くだけです。
それでも「話してスッキリした」「聴いてもらえて整理できた」「元気が出た、がんばれる」と言ってもらえたり、その時間を糧に次のステップに踏み出していくお母さんたちに、逆に私が元気をもらっているような気がすることもよくあります。