誰もが暮らしやすい、まぜこぜの社会って?会場が青に染まった「世界自閉症啓発デー」イベントを取材

2019/04/16 更新
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4月2日は世界自閉症啓発デー!世界各地がテーマカラーの「青」に染まります。みなさんはどのように過ごされましたか?発達ナビ編集部では、東京タワーブルーイベントに参加してきました!

会場はテーマカラーの青い服を着た人たちが行きかい、障害のある人もない人もステージで歌や踊りを披露し、体験型で自閉症への理解を深められるさまざまなブースも並び、多くの人が参加していました。どんな人も暮らしやすい・生きやすい社会は、知ること・理解することから始まる――そんなイベントの様子をレポートします!

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4月2日は「自閉症啓発デー」

4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。3月21日の「世界ダウン症の日」とともに、世界中で想いを込めた啓発がおこなわれます。

「希望」「癒し」といった意味をもつ「青」をテーマカラーに、啓発イベントでは参加者の洋服や持ち物から世界中のランドマークまでもが青く染まります。日本でも各地でイベントを目にした方もいるのではないでしょうか。

日本では、さらに4月2日から8日までの一週間を「発達障害啓発週間」と定めています。自閉症のみでなく、発達障害に関して理解を深め、当事者やそのご家族への暖かな支援に繋げていく契機として取り組みがなされています。さまざまな支援の輪を広げる啓発イベントは日本の各地で開催されています。町中を歩いていて、またニュースなどでも目にした方も多いのではないでしょうか。

今回発達ナビ編集部では、2019年4月2日に行われた東京タワーブルーイベントを取材してきました!当日の様子から開催者のイベントにかける想いまでをレポートします。

東京タワーブルーイベント

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毎年行われる東京タワーでの自閉症啓発デーイベントも今年で8回目を迎えました。個性豊かなブースやステージに道行く人々も思わず足をとめてしまうほど、会場は賑わいを見せていました。

自閉症をはじめとして、発達障害にまつわるさまざまな活動や支援を知ることのできるブースや日中のイベントは、当事者の方々やご家族・関係者、東ちづるさんが理事をつとめるGet in touchや自閉症協会などの団体から成る「TT2019実行委員会」が、日没後に行われる点灯式は厚生労働省が主催。

盛り上がりを見せたブースやステージは、寒さや雨も吹き飛ばすような終始パワフルな雰囲気で、会場を包み込んでいました。

体験型ブースには、子どもから大人までたくさんの人が

真っ先に目の前に広がるのはブースの数々。青のパーカーや洋服を着た人々が多く集まる光景に思わず目を惹かれました。

ブースでは"体験型"のものが多くありました!こうしたブースでは、知識として知ることだけでなく、実際に自閉症の感覚を体験してみたりゲームや作品を通すことでより身近に感じることができます。体験型ブースに参加している子ども達も楽しみながら知識や理解を深めていましたよ!

「まぜこぜ」の社会へ

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写真は、2013年から自閉症啓発のイベントを行なっているGet in touchのブースです。

当初は数十人規模ですべてを手がけていましたが、今では(Get in touchに関わる)さまざまな団体が積極的に参加し、それぞれが「自走」できるようになりました。「今回のイベントのメインである自閉症や発達障害だけでなく、話せない、聞こえない、歩けないなどいろいろな障害や病気の有無など関係なしにすべての人がもっと気楽に、自由に暮らせる”まぜこぜ”の社会を"エンターテイメント"を通してつくっていきたい」(Get in touch担当者)と言います。

会場では、青い服を着てない人も顔認証技術によって画面上で青いものを身につけることができるという映像体験や、かわいらしいデザインのグッズなども販売されていました。

「日本では”大変そう”といったイメージのある福祉ですが、人のためになるというかっこよさや、アートや映像を用いて楽しそう、スタイリッシュというイメージに変えていきたい」(Get in touch担当者)とも話してくれました。

自閉症のある人の感覚を体験

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こちらはADDSによる”自閉症の特性を体験”できるブースです。

自閉症がある人には、視覚、触覚、聴覚と感覚の過敏さがある場合が多くあります。頭では理解しているつもりでも、どのような感覚なのかを知ることは難しいもの。視界が狭くなるメガネをつけたり、手先の感覚がわかりにくくなる手袋や聴覚過敏を再現する集音器を装着し、簡単なゲームをします。

実際に感覚を体験することで、身近にいる自閉症のある人たちへの関り方のヒントを得られるようになればと、体験型のブースで啓発を行っているそうです。小さな子どもでも体験することができるので、多くの人が参加していました。

体をゆるめるタッチケア体験

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おうちdeタッチケア ぐるーみんのブースでは、体をほぐす体験ができます。

この団体は、自閉症の子どもを2人育てるお母さんが立ち上げたそうです。最初は母親自身の体が辛かったことから学び始めた体のケアでしたが、子どもたちに試してみると体が休まるだけでなく睡眠にも良い効果があったそう。「自閉症がある子どもは体が緊張し、硬直している場合が多くあります。そんな体をほぐしていくマッサージを、自宅でも簡単にできるように広めていきたい」(ぐるーみんの担当者)との思いから活動を始めたそうです。

感覚過敏などもあり外でプロに施術してもらうのが不安な場合も、保護者がケアできる環境は安心できます。絵本の読み聞かせのような、心地の良い親子のコミュニケーションにもつながるホームケアです。

歌やダンスのステージで会場が一体に!

夕方になるとステージでパフォーマンスが行われました。「ダンデライオンゴスペルクワイア」の元気な歌声、「チームカラフル」の楽し気なダンスから始まり、演奏や歌を披露した「ミス日本」や「Necco楽団」も出演しました。

HIPHOPで「話せない、伝えられない」想いを伝える

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「晋平太」さん、「SOCIAL WORKEEERZ」、「MUKU」のみなさんからなる、「STREET FUKUSH!」はダンスとラップでオーディエンスを惹きつけます。

音楽やダンスを通じて会場にいる人たちが通じ合う空間になっていました。話すことが難しい人たちにとっての大切なコミュニケーション手段でもある”手話やジェスチャー、ハンドサイン”などを織り交ぜたダンスを披露。ラップでは「話せない」「伝えられない」という悩みや葛藤をリズムに乗せ、まっすぐな言葉で表現されていました。途中から2人の女性が壇上に上がり、ダンスで想いを伝えてくれました。

元気づけられる歌詞と歌声が会場を包んで

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シンガーの清貴さんはじめ「WE ARE ONE クワイア」のみなさんが素敵な歌を披露してくれました。

清貴さんはリオ、平昌パラリンピックのフジテレビ系列テーマソングを手がけています。「一人一人がもっと自分らしく、好きなことを好きと言って生きられる世の中になっていってほしい」という思いで音楽を続けているそうです。希望を与えてくれるような歌詞や歌声に、観客の中には涙する人も…。心が温まるステージパフォーマンスの締めくくりとなりました。

自閉症のあるキャラクター・ジュリアも参加!青い光に包まれる点灯式

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厚生労働省主催の点灯式では、今年は東京タワーが工事中のため、ハート型の巨大モニュメントがブルーにライトアップされました!この作品を手がけたのは、マスキングテープを用いたハートの作品を展開する作家の西村公一さん。会場に集うみんなの心に青い光が灯るようで今回のイベントにぴったりの作品です。

また、点灯のボタンを押す際には、自閉症のあるセサミストリートのキャラクター・ジュリアと仲間たちも加わりました!会場に集う人々がひとつのモニュメントを見つめる中、光が灯りブルーに輝くハートのモニュメントはとても幻想的でした。

もっと生きやすい社会へ。知ること、伝えることを広げていこう

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イベントには大人から子どもまで多くの方が参加していました。また、道を歩いていた人たちもブースやパフォーマンスに足を止め、当事者や関係者はもとより幅広い人々を巻き込んだイベントとなりました。啓発イベントを始めた頃は参加者も少なかったそうですが、回を重ねるごとに認知の輪は広がってきました。

生きづらさを抱えた人々が自由に、自分らしく生きられる社会をつくるには、多くの人が力を合わせて取り組む必要があります。変化は行動の積み重ねによって少しずつ現れるものですが、今回のように、さまざまな人が参加しやすい啓発の機会をつくり、多くの人に自閉症をはじめ、さまざまな障害を伝え、理解を広げていくことの大切さを感じられるイベントでした。
取材協力:日本自閉症協会、TT2019実行委員会
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