限界だった発達障害の娘、中2で特別支援学級へ――そして高校選択も最終段階に【わが家の進路選択 Vol.6】

ライター:荒木まち子
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今思えば、小学校5年生で将来に向けた進路選びをスタートさせた時から、周りの支援者の方々はこうなることを予想していたのかもしれません…。それでも「最初からあきらめるのではなく、やれるだけのことはやりたい」ともがき続けた私達を否定することなく、ずっと見守っていてくれていたのかも…。そんな想いがよぎるような出来事が起きたのです。そしてそれは、その後の娘の進路選びに大きな影響を与えました。

中学入学後すぐから、高校見学をすすめていたけれど

発達障害の娘が、小学5年生のころからスタートした進路探し。娘の意思で地域の中学校の通常学級に進学し、入学後すぐから、通信制、単位制、特別支援学校高等部など、中学卒業後の進路に向けた学校見学をすすめていました。その中で、中1のころの娘は、見学した中で心に決めた学校があったようです。

しかし、次第に体調を崩すようになり「クラスにいるのがつらい」と訴えるようになった娘。学校側は特例として特別支援学級に机を設けてくれるなど対応をしてくれました。ですが、進路選びに大きく影響する出来事がおきたのです…。
発達障害の娘が求めたのは「居場所」。中学時代、通常学級と特別支援学級で揺れた娘がたどり着いた、高校選びの基準【わが家の進路選択 Vol.5】のタイトル画像

発達障害の娘が求めたのは「居場所」。中学時代、通常学級と特別支援学級で揺れた娘がたどり着いた、高校選びの基準【わが家の進路選択 Vol.5】

球技大会がトリガーに

娘の通う中学では毎年11月にクラス対抗の球技大会があります。

「優勝を目指す!」という熱い思いを抱く一部の男子生徒は、休み時間を利用した自主練習の時、ミスをするクラスメイトを強い言葉で責めました。その強い口調に泣き出してしまう女子生徒も複数いました。障害の特性もあり、球技が苦手な娘も、何度も注意を受けました。

本人への障害告知の後、ほとんどの時間を通常学級で過ごすようになっていた娘でしたが、再び体調を崩し始めました。保健室の先生が「練習は2回に1回は休むようにしたら?」と助言をしても、娘は「皆が団結して頑張っているから」と受け入れようとはしませんでした。

担任の先生は休み時間に娘に用事を頼んだりして練習に参加しなくても良いようにさりげなく工夫をしてくれました。

幻聴が聞こえる!?そして発作まで…!娘の体調に大きな異変が

ある日、顔面蒼白、涙目で帰って来た娘は家に入った途端、崩れ落ち泣き出しました。それまでの娘の様子から早退は予想していましたが、玄関先での号泣は想定外でした。

そして娘は泣きながら言いました。
「先生には黙ってたけど、そこにいないはずなのに、男子が「あいつサボった」っていう声が聞こえて、怖くなって帰ってきたの~!!」

中1の時にクラスメイトからいじめを受けて学校で過呼吸発作を起こしたことがあった娘でしたが、今回のようなことは初めてでした。娘は私の目の前で「あっ、また聞こえた!」と怯え、過呼吸発作を起こしました。

私は過去に娘が過呼吸発作を起こした時に処方された薬を娘に飲ませました。そして娘を毛布で包み抱きしめました。
※過呼吸には口に袋を当てるという対処法もありますが、私は保健室の先生からこの“毛布で包み込んで抱きしめる”という方法も“気持ちを落ち着かせるのに有効な方法のひとつ”と教えてもらっていました。

娘が落ち着いた後、私はかかりつけの病院に電話をし、看護師さんに娘の様子を伝えました。折り返しの電話で看護師さんは医師からの指示を伝えてくれました。
それは
「薬は不安が強くなった時の頓服として使用する」
「次回の診察予約を早めて受診する」
「球技大会が終わるまで学校は休む」

というものでした。
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