お金やスケジュール管理方法が学べる本や、当事者の女性が結婚生活を語った本などーー具体的なサポートを考えるときに読みたい、保護者や支援者のための5冊

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今月はさまざまな発達障害について、特性や具体的な支援方法が解説された書籍、女性の発達障害当事者が書いた書籍などをご紹介。支援者から保護者まで、発達障害のある人に関わるさまざまな立場の人に参考にしてもらえそうな本を集めました。

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お金の使い方や予定の管理ーー必要な力の身につけ方を学ぼう『未来に飛び立て!発達の気になる子の大人になるためのチャレンジ〈学齢期編〉 』

将来就職できるのか、ひとりで生活していけるのかーーなど、子どもが成長するにつれて悩みの種類が変わってきたという方も多いのではないでしょうか。大人になる前に身につけて欲しい行動はたくさんありますが、家庭でどのように教えていったらよいのでしょう。

3つの章で構成される本書。第1章では中高生の親子からの相談に対してのアドバイスや、子どもへの関わり方の解説など、思春期の子どもに身につけてもらいたいスキルや親の接し方が紹介されています。そして第2章では身だしなみや家事、お金やスケジュールの管理、コミュニケーション方法など具体的な行動について、用意するもの・やり方・工夫や配慮などがイラストも用いながら細かく説明され、その後の第3章では家庭学習、ゲームや動画サイトの閲覧など、気になる人が多いテーマについてさまざまな家庭の取り組みやエピソードを紹介するなど、実践的な内容を多数取り扱っています。

スキル獲得の具体的な方法を紹介しながら、保護者の悩みや子育ての難しさにも寄り添ってくれる一冊です。
未来に飛び立て!発達の気になる子の大人になるためのチャレンジ〈学齢期編〉
鹿野 佐代子 (著), 橋本 美恵 (著)
翔泳社

家族関係や結婚生活など、当事者女子の体験談『#発達系女子 の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました』

著者の宇樹義子さんは、子どものころからいじめを受けたり、心身の調子を崩したり、社会に出てからも職場の人を怒らせてしまったりと、多くの生きづらさを抱え、32歳で診断を受けた発達障害当事者です。過去には10年にわたるひきこもり生活も経験してきた宇樹さん。そんな宇樹さんは、発達障害について自覚しはじめた年の翌年に突然結婚します。結婚後、たびたびの離婚危機を乗り越え夫婦生活を安定させていく様子も、自身の特性と絡めて分析しながら綴っています。

現在は福祉系ライターとして働きながら明るく毎日を過ごす宇樹さんの、波乱万丈な人生が詰まった書籍です。家族との複雑な関係や結婚までの過程とその後の生活、抱えていたトラウマの問題など、大人の当事者だからこそかける赤裸々な体験談は、当事者が読んでも保護者が読んでも参考になりそうです。
#発達系女子 の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました
宇樹義子 (著)
河出書房新社

『感情や行動をコントロールできない子どもの理解と支援: 児童自立支援施設の実践モデル』

本書の著者である大原天青(おおはらたかはる)さんは、ソーシャルワーク・福祉心理学・非行臨床を専門とし、実際に児童自立支援施設で子どもを自立に導く支援活動に携わり、さまざまな研修に参加して得た知識を現場に還元し続けています。感情や行動を自分自身でうまくコントロールできない子どもたちを支援するときに必要とされる、子どもの心理を読み解く理論やアプローチ方法を、仮想事例を用いて大原さんが分かりやすく解説しているのがこの本です。

子ども本人との向き合い方から、生活の基盤となる家族や地域環境との関わり方といった環境へのミクロアプローチ、社会システムのあり方のようなマクロ環境へのアプローチまで、児童自立支援施設で過ごす子どもたちの支援について幅広い視点から説明されています。

支援者がより質の高い支援を提供するために知っておきたい研究や実践の知見が詰まっており、児童福祉施設で働く人や心理職、教員など、子どもと関わる機会のある人に読んでもらいたい一冊です。
感情や行動をコントロールできない子どもの理解と支援: 児童自立支援施設の実践モデル
大原 天青 (著)
金子書房

学校で取り入れられる、吃音のある子への具体的な支援方法を紹介『イラストでわかる 子どもの吃音サポートガイド: 1人ひとりのニーズに対応する環境整備と合理的配慮』

「クラスに吃音のある子がいるけどどう対応したらいいのか」「吃音のあるわが子、ちゃんと学校生活を送れているかしら」といった不安を持つ先生や保護者に向けて、学校のさまざまな場面で必要な支援や配慮がまとまった本書。著者の金沢大学教授の小林宏明先生ご自身も吃音当事者です。

吃音の症状の種類の分かりやすい説明と、症状がどのようなときに出るのか、そのとき本人がどのような気持ちでいるのかがイラスト付きで解説されています。日直や国語の授業の音読、委員会活動など、学校生活の中で多くある場面に基づいた事例が多数掲載されており、支援の工夫も具体的に紹介されているので、実際の学校生活の中で無理なく実践できそうです。

クラスでの支援以外に専門的な支援を提供する場についての解説、支援者が作成したい支援計画や本人の自己理解促進のために活用できるワークシートなどもついており、吃音のある子どもを総合的に支援するために必要な情報が詰まったガイドブックです。
イラストでわかる 子どもの吃音サポートガイド: 1人ひとりのニーズに対応する環境整備と合理的配慮
小林 宏明 (著)
合同出版

定義から最新の支援ツールまでがまとまった専門書『LDの定義を再考する』

知的発達に遅れがなく、おもに「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力のうち特定の能力の習得や使用に著しい困難さがあることをさすLD(学習障害)。本書は、日本LD学会が主宰する日本LD学会第28回次大会で企画されたシンポジウム5回分の内容が載せられており、LDに関する専門的かつ最新の情報がまとめられています。

LDが定義されるまでの過程について述べられた第1章からはじまり、これまでのLDの流れからLDの未来にかかわる技術までが紹介されており、この1冊だけでLDのこれまでとこれからを知ることができるよう構成されています。また第3章では、実際にLDと診断もしくは判断したあとの対応に関する議論内容や、ICT活用方法、LDのある子への指導法が分かりやすく解説されているほか、第4章ではLDのある子どもに対する合理的配慮について、小学生から大学生にいたるさまざまな年齢にあわせながら、多面的な切り口で述べられています。

LDの基礎から具体的な支援方法まで分かる、支援に携わる人が知っておきたい内容が詰まった専門書です。
LDの「定義」を再考する
一般社団法人 日本LD学会 (監修), 小貫悟 (著, 編集), 村山光子 (著, 編集), 小笠原哲史 (著, 編集)
金子書房
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