3名の女性当事者が語る――発達障害を受容して前を向くには?便利グッズも活用した生活術とは?動画も配信【part1】

2020/03/04 更新
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発達障害のある方が抱えるお悩みの中でも、女性に特有の困りごとやその対処法となると、なかなか情報が得られない...という方も多いのではないでしょうか。発達ナビでは、ユーザーのみなさんへのアンケートをもとに、発達障害当事者の女性3名にお話を伺いました。女性特有の悩みはもちろん、日常生活でのライフハック術、障害受容の過程など幅広くお話しいただきました。共感できる部分や、生活に取り入れられそうと思える部分もみつかるかもしれません。今回は、コラムに加えて、動画も配信。ぜひ見てみてくださいね。

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3人の女性当事者が語りあう。発達障害のある人生

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「女性の発達障害鼎談企画」に集まっていただいた3名の当事者の方々。3名とも成人してから診断を受け、それぞれ発達障害に関する情報の発信をされています。今回は発達ナビユーザーへのアンケートももとにして、ご自身のことから女性特有のお悩みとの向き合い方まで幅広くお話を伺いました。

まずはご自身の特性や診断を受けたきっかけ、障害受容について、困難もあった人生を生き抜いてきたライフハック術などをお話しいただきました。

診断を受けて服薬して、「これまで無駄な努力をしていた」と傷ついた(宇樹さん)

ライターとして活躍している宇樹義子さんは、32歳のときに高機能自閉症と診断されたそう。鍼灸院で聴覚過敏ではないかと指摘されたことをきっかけに特性を自覚し、その1年ほど後に心療内科で診断を受けたそう。診断されたとき、どのような心境だったのでしょうか。
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宇樹さん――診断を受けて薬を飲み始めて1日目に、10年ぐらい悩んでいた昼夜逆転がピタッと治ったんですよ!それでものすごく救われた面と、私はその薬を飲まないと生活できない障害者なんだっていう2つの間で引き裂かれるようになっちゃって。

私は今まで無駄な努力というか、頑張ってもできないことを一生懸命してきてしまったんだなっていう喪失感があって、30年分ぐらいさかのぼって傷ついた。ただ、これからどうするべきかっていうのを早く考えなきゃいけないと思って支援を受け始めました。

それまでの自分の生活を振り返って納得感があった(姫野さん)

姫野桂さんは、ご自身の著書のほか、発達障害当事者への取材もたくさんされています。

今から約1年前に算数LDと不注意優勢のADHDの診断を受けたそう。算数LDについては小学1年生からいくら努力しても算数ができなかったことから自覚があったそうですが、ADHDについては特に自覚はなかったとか。
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姫野さん――診断を受けて、いろいろ納得がいきました。自分が算数ができないということと、ちょっと人より行動が遅いこととか。そういうことがあったんだなぁって思いました。

息子の発達障害の可能性...調べてみたら、自分に当てはまることだらけ(鈴木さん)

鈴木希望さんは、発達ナビでもおなじみのライターで、自閉スペクトラム症の診断があります。
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鈴木さん――息子が可能性があるって言われている自閉スペクトラム症とADHDについて調べたときに、これは私じゃないか!と思ったんですよ。息子より私の方がこれは強くないか?と。
診断については、「努力不足や性格の問題ではないことが分かって嬉しかった」とおっしゃっています。もともとてんかんがあることから、発達障害の診断についても抵抗はなかったそうです。

支援を受けることに後ろ向きな人へ――考え方ややるべきことは?3つのアイディア

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自身の障害を受け入れて生活されている3名ですが、当事者や家族のお悩みとしては、「周りと違うことに抵抗感が強く、受容できない」「支援を拒否してしまう」といったケースもよく耳にします。自身の特性を受け入れて、支援をうまく活用しながら生活していくにはどうしたらよいか、アドバイスを伺いました。

悪いことばかりではなく得意なことにも目を向ける・自分に合ったサポートを知る

姫野さん――得意なことも具体的に書き出してみるとよいですね。友人が就労移行支援を利用して最近就職したのですが、その友人は今まで接客業が多かったから自分は接客が向いてると思ってたらしいんです。でも就労移行支援事業所でのワークで適性を見てもらったところ、マニュアルがあれば大丈夫だと気づいたらしくて。そういうふうに、”自分はこれがあれば大丈夫”っていうのが分かると、なんだか前に進めそうな気がしますね。

自分にとってロングスパンで考えて得になることをやっていこう

宇樹さん――抵抗感が強いのは分かるんですけど、その抵抗感の中にいたらずっと自分が被ってきた損をこのまま被り続ける。でも勇気を出して踏み出してみたら、もうちょっと楽に生きられるようになるかもしれない自分のためなんだとなるべく考えるようにすればいいのかなと思います。
また、支援を受けるにあたっての「情報収集」の大切さについては、3名ともがお話しされていました。

情報をたくさん手に入れ、自分にあった支援者や機関を見つける

宇樹さん――それまでに結構、発達障害の人ってズタズタに傷ついているんですね。人によっては助けてもらおうとして誰かに頼って裏切られてってことを繰り返してきているので、なかなかそこから出ていくのって難しいと思うんですけど、まずは情報を手に入れること。支援者はいろんな人がいて1人ダメだったら他の人にどんどん当たればいいんだということ、支援機関もどこがダメだったら他のところにどんどん当たればいいんだっていうこと、そういうあたりを知ること。

鈴木さん――ご自身が障害を受け入れられないっていう方もそうだし、ご家族の理解を得られない場合も人と繋がるというか、情報を得られる方法とかが分かれば。

姫野さん――SNS時代なのでクチコミかなぁと思っていて。病院を探していた友人に相談をされたことがあって、私も病院のことはよく知らないので、とりあえずそういう発達障害系の自助会とかをひらいている方にSNSで相談をしたらいろんな人に聞いてくれて、いろんな病院のリストが集まったっていうこともありました。
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障害や自身の特性をどう捉えて受容していくか、その考え方のポイントも参考になりますが、情報収集を幅広く行い、どんな支援が受けられるのかをまず調べてみることも大切だと実感されているようです。

日常から仕事まで!3人が教えてくれた7のライフハック

ご自身が障害を受容したあと、こういう工夫をしたら生きやすくなったなど、具体的なライフハック術についてもいろいろとお話しいただきました。まずは姫野さんから。

ボロボロだった確定申告は、税理士さんにお任せ!

姫野さん――私は確定申告がボロボロだったので、税理士さんをつけてお金で解決しました!できないことはできないって認めていろいろ人に頼っています。

忘れ物は玄関を出る前にホワイトボードでチェック

姫野さん――忘れ物を結構しちゃうので、玄関に100円ショップで買える小さいホワイトボードを貼って、そこにいつも持っていくものや必ず持っていくものを書いて、家を出る前にチェックして忘れ物対策をしています。

これについては鈴木さんも同様の方法を取り入れていました。
鈴木さん――忘れ物しないように、うちは貼り紙だらけなんですよ。よく息子が玄関の鍵を閉め忘れるので、もう”鍵を閉める!鍵を閉める!鍵を閉める!”みたいに、めちゃくちゃいっぱい紙が貼ってあったりとか。目に付くところにとにかく貼り紙を。

仕事でも対策を。誤字脱字は大きな画面に映すことで防止!

姫野さん――仕事では基本ノートパソコンを使いますが、家で仕事をするときは27インチの大きい画面に映して作業します。そうすると誤字脱字を防ぎやすいです。
宇樹さんは先端技術をいろいろと取り入れて生活をしているそうです。

日常の細々した作業は音声アシスタントを活用してもれなく対応

宇樹さん――「タイマーをかけて」とか言えば、手で操作しなくてもタイマーをかけられたりして便利です。

見える化して体調を管理

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宇樹さん――活動量計っていう、自分の心拍数とかのログをとってくれて、自分の体力の残り具合とか今のストレスレベルとかを計ってくれる機械を愛用中。主治医に体調を伝えるときにも活用しています。
鈴木さんは、身近な人と苦手をカバーしあっています。

家族と協力!得意な人が苦手をフォロー

鈴木さん――息子が私と正反対で、数字にすごく強いんですよ!お互いちょうど得意なことや苦手なことが逆だったりする。なので、数字を見間違ってないか確認してもらったり。

私の母も、“覚えのないところから郵便が来たんだけど、これは詐欺ではないか”みたいな不安があると、私が実家に行って確認したり。とにかく相談できる相手と確認するようにしています。

気になることはメモして主治医にこまめに相談

鈴木さん――気になることは書いて主治医のところに持って行って、「コミュニケーションの中でこの反応はどうだったんだろう」とか、そういうことも含めてこまめに相談するようにしています。
貼り紙をすることや家族と確認しあうことなど、日々気をつけたいことへの対策は日常生活の中にしっかり落とし込んでいるようでした。

そしてお話しいただいた中でも、宇樹さんの「先端技術の活用」には他のお2人も興味津々で盛り上がりました。忘れがちなタスクは機械に頼って管理したり、見えないものを見える指標で計るようにしたり...最近はスマホアプリなども本当にさまざまな種類があるので、自分の苦手に合ったものを探してみるのもよいかもしれないですね。

ここまで、まずは性別に関係なく、当事者としてのご自身のことや生活術を伺いました。次回は女性ならではの話題にも切り込んでお話を伺っていきます。今回お話しいただいた内容はyoutubeでも公開中。コラム文面に乗り切らなかったお話もご視聴いただけます。

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