3歳児検診で初めて言われた「発達障害かも」――不安や抵抗を感じる余裕もなく...7年経った今、息子について思うこと【障害受容 前編】
ライター:丸山さとこ
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息子のコウにはASDとADHDがあります。乳幼児健診にて「発達障害の可能性があること」をやんわりと伝えられたものの、当時の私は「コミュニケーションに不安があること」や「人に興味を示さないこと」が何を意味しているのか、よく分かりませんでした。
そんな私がコウを通してどのように発達障害のことを知っていったのか、受容はできたのかについて書きました。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
“子どもの発達障害”にサッパリ気付かなかった私
「うちの子、もしかして...?」と思わなかった、息子の乳幼児期。
ここ数年、テレビや書籍などで“子どもの発達障害”に関する情報を目にする機会も多くなりました。「もしかして発達障害なのでは...?」と薄々不安を感じながら乳幼児健診を受けられる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
息子のコウが乳幼児だった10年前を振り返ってみると、今に比べ積極的に情報を得ようとしなければ詳しく知る機会は少なかったかな?と思います。私はコウの発達に凸凹があることは何となく気付いていましたが、得意・不得意の範囲だと認識していました。
息子のコウが乳幼児だった10年前を振り返ってみると、今に比べ積極的に情報を得ようとしなければ詳しく知る機会は少なかったかな?と思います。私はコウの発達に凸凹があることは何となく気付いていましたが、得意・不得意の範囲だと認識していました。
“発達障害”という言葉を使わないアドバイス達
1歳半検診で「人間への興味関心が薄い」と指摘され、追加で行われた2歳検診では明確に「コミュニケーションに不安がある」と告げられていたコウでしたが、そこでは“発達障害”という言葉を聞くことはありませんでした。
確定診断が難しい年齢であることから、いたずらに親を不安にしないよう気を使われていたのかもしれません。
確定診断が難しい年齢であることから、いたずらに親を不安にしないよう気を使われていたのかもしれません。
「発達障害の可能性が高いです」とキッパリ言われた3歳児検診
ついに出てきた“発達障害”という言葉!
3歳の検診では、ハッキリと「発達障害の可能性が高い」と告げられ、心理士さんによる知能検査を受けることと、療育園への入所を勧められました。
療育園について教えてもらった私は「コウのためになるのなら是非通いたい!」と思いましたが、コウの保育園入所がようやく決まったところだったので、週5日の療育園通いは私にとってかなり決心が要る選択でした。
療育園について教えてもらった私は「コウのためになるのなら是非通いたい!」と思いましたが、コウの保育園入所がようやく決まったところだったので、週5日の療育園通いは私にとってかなり決心が要る選択でした。
「療育園には行かせたいけど...」 悩む私に提案された“週1通園”という形
『仕事はどうしよう……でも療育が必要なのであれば、受けさせないわけにもいかないし……』と迷う私に、相談員の方は「週に1日のコースもあります。そちらには参加できそうですか?」と提案してくれました。
仕事の方も、週1日なら何とか都合が付きそう!ということで、療育園に申し込みました。
仕事の方も、週1日なら何とか都合が付きそう!ということで、療育園に申し込みました。
流れで何となく受け入れることになった“息子の発達障害”
“わが子が発達障害であること”への抵抗は?障害受容は...?
当時、私はコウに発達障害の可能性があるということで不安や抵抗を感じることはありませんでした。“ありのままの我が子を受け入れる愛情深い母親”だからではありません。状況に対応するだけで一杯一杯だったからです。
療育園も週1で通うことにはしたものの、「通っていく中で『やっぱり週5にした方が良さそうだな』と思うことがあれば、仕事を辞めることになるかもしれないな」と考えていました。
「何だか急に色々と状況が変わっていくな...。」と思ったことを覚えています。
療育園も週1で通うことにはしたものの、「通っていく中で『やっぱり週5にした方が良さそうだな』と思うことがあれば、仕事を辞めることになるかもしれないな」と考えていました。
「何だか急に色々と状況が変わっていくな...。」と思ったことを覚えています。
もっと早く“発達障害”のことを知っていたら、何か違った?
知識があれば、もっと違和感を感じとることができていたら、もう少し療育を意識した関わりができていたのかな?と思ったことはあります。
ですが、心配性な私のことなので、躍起になって療育をしようとし過ぎていたかもしれません。全部、今だから言えることなのだろうなと思います。
ですが、心配性な私のことなので、躍起になって療育をしようとし過ぎていたかもしれません。全部、今だから言えることなのだろうなと思います。
今、息子の発達障害のことをどう思っているのか
7年経って改めて感じる、「こういう子なんだな」という気持ち
「発達障害の可能性が高いです」と言われた3歳児検診の頃から早7年、コウは10歳になりました。現在ではASD・ADHDの診断を受け、ストラテラを服用しています。
今、彼の発達障害について私がどう思っているかと言えば、そのことを知る前の頃のように「こういう子なんだな」と思っている感じです。気付いていないだけで、心の底では戸惑いや拒絶、迷いなどの、“受け入れたくない気持ち”があるかもしれませんが、意識の上では「それがコウなんだな」という感覚でいる現在の私です。
今、彼の発達障害について私がどう思っているかと言えば、そのことを知る前の頃のように「こういう子なんだな」と思っている感じです。気付いていないだけで、心の底では戸惑いや拒絶、迷いなどの、“受け入れたくない気持ち”があるかもしれませんが、意識の上では「それがコウなんだな」という感覚でいる現在の私です。
「名前がついたこと」による変化
違いがあるとすれば、「彼の中にあるいくつかの要素に名前がついた」というところでしょうか。
髪が短い状態に“ショートヘア”という名前があるように“発達障害”という名前があって、“得意なヘアアレンジ・難しいヘアアレンジ”があるように“できること・難しいこと”があって、“おすすめのケア方法”があるように“おすすめの関わり方”があるのではないかな?と、コウの発達障害を認識しています。
「発達障害」の言葉で表される特性にも一人ひとり個性はあるけれど、「上手くいかない時に参考になる情報」があるのは凄くありがたいです。発達障害の診断を受けて、得られる情報が増えてよかったなと思います。
髪が短い状態に“ショートヘア”という名前があるように“発達障害”という名前があって、“得意なヘアアレンジ・難しいヘアアレンジ”があるように“できること・難しいこと”があって、“おすすめのケア方法”があるように“おすすめの関わり方”があるのではないかな?と、コウの発達障害を認識しています。
「発達障害」の言葉で表される特性にも一人ひとり個性はあるけれど、「上手くいかない時に参考になる情報」があるのは凄くありがたいです。発達障害の診断を受けて、得られる情報が増えてよかったなと思います。
7年前より“身近で当たり前なもの”になった発達障害
感性が独特でコミュニケーションの癖が強く、忘れ物がしょっちゅうで、ユニークで、「お母さんの好きなもの折ってあげたい」と言いながら私の部屋を折り紙博物館のようにしていくコウ。
彼の中にあるいくつかの要素に強く影響している“発達障害”というものを、7年前より“身近で当たり前なもの”に感じているということが、以前の私と今の私の大きな違いかもしれません。
彼の中にあるいくつかの要素に強く影響している“発達障害”というものを、7年前より“身近で当たり前なもの”に感じているということが、以前の私と今の私の大きな違いかもしれません。
息子の障害を知った夫は...?
そんな風にしてコウが発達障害であることを知り、受け入れた私ですが、夫はどうだったかと言うと...。
『かわいいわが子にまさか障害があるなんて...』というショックからの否定ではなく、本気で『え?問題なく意思の疎通とれてるでしょ?』と思っていたことから出てきた夫の素直な反応に、「分かる分かる...!」と思いながらも頭を抱えるしかない私でした。
ということで、次回はそんな夫がどのように息子の発達障害を認め、受け入れるに至ったかを書いていきたいと思います。
執筆/丸山さとこ
ということで、次回はそんな夫がどのように息子の発達障害を認め、受け入れるに至ったかを書いていきたいと思います。
執筆/丸山さとこ
監修コメント 井上雅彦先生(公認心理師)
障害の診断を受けるということは親にとって大きなショックであり、そのことについての将来の心配やさまざまな不安も生じてくると思います。
一方では、診断がつくことで子どもの困りが続いて行くことに対して環境調整や療育など支援が始まるきっかけにもなると思います。
個々の子どもの特性や、行動には違いがありますが、生じやすい環境や生じにくくなる工夫を考えていく中で困りが軽減されていくと思います。(監修:公認心理師 井上雅彦先生)
一方では、診断がつくことで子どもの困りが続いて行くことに対して環境調整や療育など支援が始まるきっかけにもなると思います。
個々の子どもの特性や、行動には違いがありますが、生じやすい環境や生じにくくなる工夫を考えていく中で困りが軽減されていくと思います。(監修:公認心理師 井上雅彦先生)
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