抱っこを嫌がる?赤ちゃんの「反り返り」の原因は?病気や発達障害との関係、対処法などを解説【医師監修】

ライター:発達障害のキホン
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一般的な育児書には「赤ちゃんは抱っこが大好き」と書かれていることが多くあります。でも、うちの子は抱っこをするととても嫌がって…ということはありませんか。抱っこをすると反り返ってしまう赤ちゃん、どう対応したらいいのでしょうか。またどうして反り返ってしまうのでしょうか。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

赤ちゃんを抱っこしたときの「反り返り」ってどういう状態?

反り返る赤ちゃん
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赤ちゃんを抱き上げたときに、背筋をピーンと伸ばし、足までつっぱったり、体をよじらせたりするようにして反り返ることがあります。

同じ大きさ・重さの赤ちゃんだったとしても、抱っこしたときに、腕と胸の中にすっぽりと納まってくれたら、そこまでつらくなるほどの重さは感じません。でも、反り返ってしまうというだけで抱っこはしづらくて、とても疲れるものです。

赤ちゃんの意思表示としての「反り返り」

「反り返り」には、赤ちゃん自身の意思が現れているようなときがあります。成長段階を追って見てみましょう。
生まれたばかりですと、まだ反り返ることはできませんが、音に反応して両手足を挙上するモロー反射などの原始反射があります。さまざまな原始反射が消失していくことで徐々に次のステップへ発達していくのです。

首がすわる少し前くらいから、赤ちゃんが横抱きにされた姿勢を嫌がって泣くことがあります。こんなときは、抱っこの仕方を変えてみましょう。座らない首を支えて縦抱きにすると、泣き止むことがあります。首がすわる3~4ヶ月ごろからが多いようですが、この時期は抱っこがイヤというよりも、横に寝かされた状態がイヤだと言っているかのようです。

心と体が成長してくると、自分の意志で体を動かしたいという欲求が赤ちゃんには生まれてきます。寝返りが始まる5~6ヶ月ころには、反り返るというよりは、腰をひねろうとする様子が見られるようになります。この寝返りも原始反射が消失しないとできません。

こうしてだんだん、興味の対象物の方向に体を向けようとして、体を動かすようになっていきます。

7ヶ月ころになると手をついて座れるようになります。このときに反り返りがあると座れません。 また、ハイハイや伝い歩きが始まって、自分の意志で行動できるようになるころにも、抱きかかえられて行動を制限されるのを、のけぞって嫌がることがあります。

反り返ったり、抱っこを嫌がったりすることは赤ちゃんの意思表示であり、成長にともなってよくあることなのです。

反り返りがあるときの対処法。こうすると安心

赤ちゃんの意思表示であることは分かっていても、抱っこしなくてはならないときもたくさんあります。抱っこをすると反り返ってしまうときには、まずは抱っこの仕方を変えてみましょう。いつも横抱きにしていたら縦抱きにしたり、前向き抱っこにしてみたり、見える景色を変えてあげてみてください。

また、あぐらをかいてその上に前向きに座らせて背中を丸めたり、丸めた布団の上にうつぶせで乗せて背中を丸める方法もあります。このとき、顔の下に玩具などを置いて見せるといいでしょう。リハビリの理学療法でよく行われている手法です。

寝転がらせたときに反り返るのは、寝返りをしたいからかもしれません。仰向けに寝かせるといやがると言う場合は、寝具や着ている服の背中が不快ではないかを確認して、着替えをしたり、肌に触れるものを見直したりしましょう。仰向けの姿勢そのものが嫌いな赤ちゃんもいます。自力で寝返りができるようになるまでは、そばで見ている必要がありますが、うつぶせにすると安心して落ち着くこともあります。

リハビリテーションとしては作業療法の一つに感覚統合訓練があります。お馬さんごっこで親の背中にうつぶせに乗せてみると、子どもは落ちないように必死につかまります。うつぶせで馬乗りすることで、反り返りを防ぐ姿勢を覚えることができます。

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