クレーン現象って?発達障害との関連はあるの?子どもの言葉やコミュニケーションの促し方も解説――マンガで学ぶ幼児期の気になる行動【医師監修】

ライター:マンガで分かる発達障害のキホン

クレーン現象とは、子どもが何かをしたいときに、保護者やほかの人の手を取って物を指す、保護者やほかの人の手を使って欲求を解消しようとするなど、相手の手などで自分の要求を表現する動作のことです。
まだ言葉が使えないので、動作で要求を実現させようとするものだと言われている「クレーン現象」をマンガで解説します。

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監修: 藤井明子
さくらキッズくりにっく院長 
小児科専門医
小児神経専門医
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年より東京都世田谷区にあるさくらキッズくりにっくで発達外来を行っている。病気に限らず、子どものすべてを診るクリニックをめざし、お子さんだけでなく、親御さん子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。三人の子供を育児中である。

クレーン現象とは?発達障害(自閉スペクトラム症)との関連性は?

クレーン現象とは、子どもが保護者などの手をとって物を指す行動のことです(監修:さくらキッズくりにっく院長 小児科医 藤井明子先生)
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クレーン現象とは保護者などの手を使って欲求を解消しようとすることです。(監修:さくらキッズくりにっく院長 小児科医 藤井明子先生)
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クレーン現象が見られたら発達障害(自閉スペクトラム症)があるということなのでしょうか(監修:さくらキッズくりにっく院長 小児科医 藤井明子先生)
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ジュースが飲みたいが説明ができずにクレーン現象になる場合がある(監修:さくらキッズくりにっく院長 小児科医 藤井明子先生)
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まだ言葉で要求を伝えられない場合は定型発達児でもクレーン現象が見られることがあります(監修:さくらキッズくりにっく院長 小児科医 藤井明子先生)
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クレーン現象とは、子どもが何かをしたいときに、保護者やほかの人の手を取って物を指す保護者やほかの人の手を使って欲求を解消しようとするなど、相手の手などで自分の要求を表現する動作のことです。まだ言葉が使えないので、動作で要求を実現させようとするものだと言われています。

クレーン現象は問題ない?子どもにクレーン現象が見受けられたら?

自閉スペクトラム症や知的障害がある子どもなどに、この「クレーン現象」がしばしば見受けられます。自閉スペクトラム症の特性として「人」よりも「もの」への関心が強いため、相手の気持ちよりも、物事の達成を重要視する傾向があるからだと言われています。

ただ、クレーン現象が多く出ると言われている1歳前後の年齢は、まだまだ言葉を使っての要求を伝えることができないことも多くあります。その場合、さまざまな方法で要求を伝えますが、その方法の1つとしてクレーン現象も挙げられます。

例えば、定型発達の子どもでもジュースをとってほしい場合には「ジュース」や「冷蔵庫」などの単語が分からなければ、意思を言葉で伝えることはできません。言葉や指さしでの要求がまだできない場合は、保護者の手を介してその欲求を伝えることも多くあります。

子どもに何度かクレーン現象が見られたからといって、必ず自閉スペクトラム症や知的障害がある訳ではありません。クレーン現象とは、まだうまく言葉で伝えられない子どもが起こす表現方法の一つなのです。

コミュニケーションの発達を促すために

指さし

クレーン現象が見られるなどの場合には、指さしの意味に気づくための練習が必要なこともあります。指さしができることによって、子どもの意図が周囲に伝わりやすくなるなど、子どもにとってもメリットがあるでしょう。

大人の指さしに注目する練習
まずは大人が指さしのお手本をやってみましょう。ぬいぐるみや絵本などを目の前において、指さししながら「かわいいね」「わんわんだね」と言ってみます。「一緒に見ようね」と注意を引きながら行いましょう。

どっちが欲しいか選ぶ練習
おもちゃと絵本を置いて、どっちで遊ぼうか? と聞いてみます。子どもは自分の興味があるほうに手を伸ばします。指をささなくても、「こっちがいいのね」「選べたね」とほめてあげてください。

欲しい物を指さしで伝える練習
たくさんの種類があるものを並べて、あるいは表示されているところで、どれがいいのかを選ばせてみましょう。

指さし練習の動画を見せる
指さしの練習には、動画や絵本を活用してみましょう。
ただし、動画の音声があったとしても、一人で見させっぱなしにはしないで、大人が近くにいて、「どれかな~?」「できたね!」など、肉声で声をかけるようにしましょう。

言葉

情報をキャッチする力・見て・聞いて・体験して「分かる」力を育む
・聞こえてくる音や言葉へ耳を傾けることを楽しむ
ものを操作する音や、電話やチャイム・飛行機の音に耳を澄ましてみたり、楽器や歌を楽しんだり、関わり合い遊びの中で言葉かけをすることで、さまざまな音や言葉に親しむ
子どもの正面で、ものを見せたり身体に触れたりしてから声をかけるなど、注意をひきつけてから言葉をかける
子どもが何気なく音や言葉を聞いている様子が見られたら「リンリンと音がするね」「楽しいね」「よく聞いているね」と声をかける

・見たり、聞いたり、体験して分かることを増やす
その場所に行く・体験して「分かる」:プールに入ってようやく「水遊びをするんだな」ということが分かる、身体介助をされ座ってようやく「座る」ということが分かる
繰り返し習慣化しているものは「分かりやすい」:玄関に行くと「靴を履く」ことが分かる、朝起きると「トイレに行く」ことが分かっている
実物を見ると、次に起こること・何をすべきかが「分かる」:プールバッグを見ると「プールに行く」ことが分かる、車の鍵を見せられると「車に乗る」ことが分かる

情報を「伝える」力・言葉や言葉以外の手段を使って「表現する力」を育む
・子どもの伝えたいことは何か、身近な大人が推測する
子どもの現在の気持ちを探り、「伝えたいこと」を推測、代弁してあげることから始める

・表現手段を紹介し、一緒に練習してみる
相手に向かっていく、肩をトントンとたたく、行動で示す、実物・写真・絵を持っていく、絵や文字を書いて示すなど

人と一緒に過ごしたい、分かりたい、伝えたいと思えるモチベーションの源「関わる」力を育む
・子どもの世界で一緒に過ごす
子どもが注目しているものや、取り組んでいることに対して嫌がらない程度に近づき、声をかけ過ぎず、干渉し過ぎず、一緒にゆったりと過ごす

・子どもの見ているもの・聞いているもの・感じていること・動きにコメントしてみるする
世話をしながら話しかける:オムツをはかせながら「はい、オムツがはけました」「気持ちいいね」
子どもの興味関心に合わせて言葉をかける:おもちゃの車を走らせながら「パトカーがく るよ」、青いブロックを積みながら「青いブロックだね」など

・子どもが「思いが叶った」「気持ちを満たしてもらえた」と思えるよう関わる
嬉しいことが起こった、思いが叶った、不快な気持ちが軽減した、不安が和らいだという体験を積み重ねることが大切

・子どもにもっと期待してワクワクしてもらえるような関わりを心がける
体を使ったふれあい遊び、繰り返し遊び(いないいないばあ、シャボン玉あそび、かくれんぼ)など
次ページ「まとめ」


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