出産時のチアノーゼ、泣かない、手がかからない乳児期は、重度障害の兆しだった?1歳半健診の違和感、てんかん発作、2歳直前で先天障害を告知されたわが子の場合【ユーザー体験談】
ライター:ユーザー体験談
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娘には重度の知的障害や身体障害があります。言葉はほとんど話すことはできません。
発達の遅れは感じていたものの、2歳直前で障害があると診断されるまでは、そんなに重い障害があるとは思ってもいませんでした。
とはいえ、娘の障害が分かるまでに、何度か「おかしいな?」と感じる場面がありました。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
臨月に行ったノンストレステストでひっかかった
娘には重度の知的障害や身体障害があります。言葉はほとんど話すことはできません。発達の遅れは感じていたものの、2歳直前で障害があると診断されるまでは、そんなに重い障害があるとは思ってもいませんでした。
妊娠中は、後期になるまではとても順調でした。ですが、臨月になり、ノンストレステストを行ったところ、いつまでたっても胎児が起きないのです。
通常は、おなかの中の赤ちゃんは20分おきくらいで起きたり寝たりしているそうなのですが、ずっと寝ている状態とのこと。ほかの妊婦さんが30分ほどでテストを終えていくのに、私だけ3時間たっても終わりませんでした。産院の先生はなんども超音波で胎児の様子を見ては「脳もあるし、身体に異常は見当たらない。なんでだろう」と頭をひねらせていました。
大学病院に紹介状を書くか迷っていた様子でしたが、予定より2週間ほど早く陣痛が来て、紹介する間もなくかかりつけの産院で出産することになりました。
妊娠中は、後期になるまではとても順調でした。ですが、臨月になり、ノンストレステストを行ったところ、いつまでたっても胎児が起きないのです。
通常は、おなかの中の赤ちゃんは20分おきくらいで起きたり寝たりしているそうなのですが、ずっと寝ている状態とのこと。ほかの妊婦さんが30分ほどでテストを終えていくのに、私だけ3時間たっても終わりませんでした。産院の先生はなんども超音波で胎児の様子を見ては「脳もあるし、身体に異常は見当たらない。なんでだろう」と頭をひねらせていました。
大学病院に紹介状を書くか迷っていた様子でしたが、予定より2週間ほど早く陣痛が来て、紹介する間もなくかかりつけの産院で出産することになりました。
出生後すぐチアノーゼに
出産時も、上の子の時とは違いました。生まれてすぐ一声泣いたものの、そのあとはぐったり…胸に抱かせてもらった娘の顔色がだんだん悪くなるのを見て、私は「先生、この子おかしいです!」と叫びました。
スタッフが慌てて血中酸素濃度をチェックすると、とても低い数値。あわてて酸素ボックスの中に入れられました。ですが翌日になると落ち着いたので、予定通り3日ほどで退院となりました。
スタッフが慌てて血中酸素濃度をチェックすると、とても低い数値。あわてて酸素ボックスの中に入れられました。ですが翌日になると落ち着いたので、予定通り3日ほどで退院となりました。
泣かない、手がかからない、乳児時代。しかし4ヶ月を過ぎた頃から……
その後は特に問題はないように見えた娘ですが、上の子と比較して違ったのは「泣かない」ということでした。上の子がとにかく泣いてずっと抱っこをしていて大変だったのに、娘は寝かせておいたらずっと寝ているし、泣いてアピールすることもほとんどありませんでした。
出産祝いに来てくれたママ友に、
「こんなに手がかからないなんて、なんか変じゃない?」
と言って
「楽なのに心配するなんて、心配しすぎだよ」
と言われたのを覚えています。
今思えば、自己主張するほど脳も発達してなければ、泣くために必要な身体の力も未熟だったのだろうと思います。
出産祝いに来てくれたママ友に、
「こんなに手がかからないなんて、なんか変じゃない?」
と言って
「楽なのに心配するなんて、心配しすぎだよ」
と言われたのを覚えています。
今思えば、自己主張するほど脳も発達してなければ、泣くために必要な身体の力も未熟だったのだろうと思います。
首すわりまでは順調だったのですが、そこから先はつまづきました。
寝返りしない、ハイハイしない、座れない、伝い歩きしない…7ヶ月健診で要観察、9ヶ月健診のときにもお座りが安定しない娘をみて、産院の先生に子ども病院を紹介されました。
上の子のときを思い返せば、9ヶ月ではしっかり座り、座ったまま体をひねったり、両手でおもちゃで遊んだりしていたし、ずりばいやつかまり立ちもしていました。人見知りも始まっていました。娘は人見知りをすることもありませんでした。
寝返りしない、ハイハイしない、座れない、伝い歩きしない…7ヶ月健診で要観察、9ヶ月健診のときにもお座りが安定しない娘をみて、産院の先生に子ども病院を紹介されました。
上の子のときを思い返せば、9ヶ月ではしっかり座り、座ったまま体をひねったり、両手でおもちゃで遊んだりしていたし、ずりばいやつかまり立ちもしていました。人見知りも始まっていました。娘は人見知りをすることもありませんでした。
原因不明の発達遅延といわれて
子ども病院にはかかったものの、原因不明の発達遅延と言われただけ。発達センターを紹介され、1歳になるころから、PT(理学療法)を受けることになりました。センターの先生は、おそらく一目見て娘の障害に気づいていたのでしょう。
その後、同じ自治体に娘と同じ障害がある子が複数いると分かりましたし、そうした子どもたちはみんな、就学前はこのセンターに通っていたからです。ですが、立場もあるからでしょう、障害名について口にすることはなく、
「ウォーカーをつくって歩行練習をしたほうがいいと思います。障害者手帳をつくれば、公費でつくれるので手帳をつくりませんか?」
と提案されました。
おそらく、歩行に困難がある障害だから、はやめにウォーカーをつくってリハビリを始めたほうがいいと考えてくださったのだろうと思います。
その後、同じ自治体に娘と同じ障害がある子が複数いると分かりましたし、そうした子どもたちはみんな、就学前はこのセンターに通っていたからです。ですが、立場もあるからでしょう、障害名について口にすることはなく、
「ウォーカーをつくって歩行練習をしたほうがいいと思います。障害者手帳をつくれば、公費でつくれるので手帳をつくりませんか?」
と提案されました。
おそらく、歩行に困難がある障害だから、はやめにウォーカーをつくってリハビリを始めたほうがいいと考えてくださったのだろうと思います。
1歳半健診で感じた周りの子どもとの違い
1歳半健診にもいったものの、ハイハイもせず、模倣もせず、もちろん積み木もつめず。「おかあさんが髪をとかしていたら、それをまねしますか?」といわれ、1歳半の子どもってそんなことできるんだっけ、と思ったのを覚えています。
そうした模倣をするようになったのは、娘の場合は小学校に入ってからでした。健診で、すでに発達センターに通っていることを伝えると、それならと特に要観察の指示もありませんでした。
そうした模倣をするようになったのは、娘の場合は小学校に入ってからでした。健診で、すでに発達センターに通っていることを伝えると、それならと特に要観察の指示もありませんでした。
てんかん発作が診断のきっかけに
結局、障害が分かったのは、1歳半を過ぎたころにてんかん発作を起こしたことがきっかけでした。
地域の中堅病院にしばらく入院し、その後主治医になったのが、ある大学病院から月に何回か来ている脳神経の専門の先生で、その先生は脳波をみて娘の障害に気づき、大学病院への転院手続きをしてくださったのです。大学病院での遺伝子検査の結果、先天性の希少疾患があることが分かりました。
地域の中堅病院にしばらく入院し、その後主治医になったのが、ある大学病院から月に何回か来ている脳神経の専門の先生で、その先生は脳波をみて娘の障害に気づき、大学病院への転院手続きをしてくださったのです。大学病院での遺伝子検査の結果、先天性の希少疾患があることが分かりました。
3歳児健診はパス、大学病院での配慮がうれしくて
3歳児健診には、娘を連れては行きませんでした。障害も分かっていたし、すでに毎月大学病院で見ていただいていたからです。
役所に電話したら、「大学病院で毎月見ていただいているなら大丈夫ですよ」と言われました。定期通院のときに、看護師さんに「3歳児健診は行くのやめたんです」と伝えると、いつも計測している身長体重に加えて、詳しく計測をしてくれ、母子手帳に記載してくれたのがとてもうれしかったです。
役所に電話したら、「大学病院で毎月見ていただいているなら大丈夫ですよ」と言われました。定期通院のときに、看護師さんに「3歳児健診は行くのやめたんです」と伝えると、いつも計測している身長体重に加えて、詳しく計測をしてくれ、母子手帳に記載してくれたのがとてもうれしかったです。
障害告知はつらかったけれど
生後1ヶ月くらいから感じていた「何か気になる」というカンは、結局当たっていました。
わが家の場合、てんかん発作で入院した病院に、娘の障害に詳しい先生がきていたことから、早めに障害を見つけてもらうことができました。障害が分かったときはその重度さに落ち込みもしましたが、今は早く見つけてくださった先生に感謝しています。
あれから10年以上経ちましたが、私たち家族は娘を中心に幸せに暮らしています。
わが家の場合、てんかん発作で入院した病院に、娘の障害に詳しい先生がきていたことから、早めに障害を見つけてもらうことができました。障害が分かったときはその重度さに落ち込みもしましたが、今は早く見つけてくださった先生に感謝しています。
あれから10年以上経ちましたが、私たち家族は娘を中心に幸せに暮らしています。
イラスト/にれ
エピソード参考/あき
エピソード参考/あき
専門家コメント 鈴木直光先生(小児科医)
1歳までは運動面での発達が主なので、遅れのあるお子さんはとりあえず「運動発達遅滞」という病名で定期的にフォローしながら病因検索をしていきます。この時点で一般の小児科医から神経専門の小児科医のいる病院へ紹介されるのが普通です。娘さんは運動発達を遅らせることで親にイエローカードを出していたのです。それをいち早く察知するために乳幼児健診(基本コラム「0歳児健診」参照)があります。
早めに診断するメリットとしてさまざまな合併症に対する検査・診断・治療が早くできることが挙げられます。1%程度の病気の面は主治医が診るので家族のみなさんは残り99%の健康的な娘さんのできるところを見て伸ばしてあげてください。(監修:小児科医 鈴木直光先生)
早めに診断するメリットとしてさまざまな合併症に対する検査・診断・治療が早くできることが挙げられます。1%程度の病気の面は主治医が診るので家族のみなさんは残り99%の健康的な娘さんのできるところを見て伸ばしてあげてください。(監修:小児科医 鈴木直光先生)
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