発達グレー息子の習い事遍歴。泣いて嫌がり親子でストレスフル…あきらめかけていたとき本人が「やりたい」と言ったのは意外なもので

ライター:星河ばよ
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お子さんはどんな習い事をしていますか?
現在、小学5年生の長男タロの習い事は、通信教育と将棋教室に落ち着いています。長男は発達グレーで放課後等デイサービスに週に1度ほど通っていますが、これも個人的には習い事のように感じています。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「TOIRO」の制作スタッフ。

発達グレーの長男がスイミングを始めたわけ

発達障害グレーゾーンの長男タロは現在、小学5年生。今のところ習い事は、通信教育将棋教室に落ち着いています。現在に至るまで、いくつかの習い事を経験しました。

最初に始めたのは、スイミング。長男が3歳の夏でした。理由は単純明快、保育園が夏休みになってしまってどう過ごそうか私が頭を悩ませていたからでした(通っていた保育園は夏期も受け入れてくれますが、保護者が育休中の場合は基本的に登園は不可でした)。

同じ保育園で、育休中に知り合ったママ友二人と一緒に、スイミングの夏期講習に申し込みました。
長男は最初こそおっかなびっくりな様子でしたが、次第に一緒に参加している友達と楽しそうな笑顔を見せ始めたので、ほっとしました。

ちなみに、この時点では私は長男の発達特性には気づいていませんでした。
体力向上を期待して、夏休み以降もスイミングは継続しました。

通信教育と学習塾、どちらがいいの?

その後、保育園の主任保育士より長男の発達の遅れを指摘され、療育センターに通うことになった私たち親子。
私は長男の学習のことで悩んでいたことがあり、臨床心理士の方に尋ねました(当時長男は4歳9ヶ月)。

「先生、長男の学習について悩んでいます。通信教育と学習塾なら、長男はどちらがいいのでしょうか」
発達障害グレーゾーンの息子には通信教育と学習塾のどちらが合っているか臨床心理士にアドバイスを求めました。(イラスト、星河ばよ)
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「そうですね。家での学習となるとどうしても気が散ってしまいがちですが、学習塾なら勉強に関連したもの以外は置いてないですよね。そういった点で学習塾はありかもしれません。
何よりも大事なのは、年齢にあった学習内容より、タロくん本人が楽しんでできるかということだと思います」
学習塾と通信教育どちらがいいか聞くと「何よりも大事なのはタロ君本人が楽しんでできるかだと思います」という臨床心理士。(イラスト、星河ばよ)
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私はなるほどと思い、夫に相談、長男を学習塾に通わせることにしました。

臨床心理士の方が言ったとおり、長男は教室で集中して学習に取り組んでいました(国語と算数)。そのうち次男も通うことになり、兄弟でお世話になりました。

ですが、3年ほどたったころ(長男7歳半)には嫌がるようになり、連れて行くと泣いて拒否するようになってしまいました。
理由を聞いてもただ「行きたくない」というばかりでらちがあきません。私が「先生がこわいの? それともお友達?」と聞いてみると首を振って否定する長男。

ちなみに同時期にスイミングも嫌がるようになり、連れて行くだけで親子共々ストレスフルな状況になっていました。
学習塾に行きたくないと泣き出してしまうようになった発達障害グレーゾーンの長男。(イラスト、星河ばよ)
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夫は「ここでやめさせたら何事も長続きしない人間になる」と言い、私も迷いましたが、泣いて嫌がる習い事を続けさせてどんな意味があるんだろうと徐々に思えて、学習塾もスイミングも思い切ってやめることにしました。

今思うと、長男は聴覚が過敏なところがあるので、学習塾のように人が大勢いるところはしんどかったのかなと思います。ちなみにスイミングは「先生が怖かったから」とあとになって長男が言っていました。

長男が自分で決めた習い事は意外なものだった

学習塾をやめたあとは、通信教育を始めました。通信教育の長所は学習塾よりは安価なことと、送迎の必要がない、それから宿題がない、ということでした。
読み物の教材も毎回ついてきて、本が好きな長男にはうってつけでした。毎日コツコツではなく週末にぼちぼちやる程度ですが、11歳の現在も続けています。

通信教育以外に、長男が楽しんでできそうな習い事は何かないかといろいろ検討しましたが、これといったものは見つからず。

あきめかけていると不思議なもので、長男が自分から見つけてきました。それはなんと将棋

一度もやらせたことがないのにいったいなぜと不思議がっていると、長男は「放課後等デイの先生と遊んだ。楽しかった。習ってみたい」と言うのです。
将棋を習いたいと話す発達障害グレーゾーンの長男。(イラスト、星河ばよ)
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私は翌日、長男のお迎えがてら放課後デイの先生に前のめりで将棋のことを尋ねると、先生から思いもよらない返答がありました。

「タロくん最近よく将棋をしています。最初は勝てなかったのですが、先生たちにだんだん勝てるようになって。あとは教室長の先生だけです」

私は驚きました。知らないうちにメキメキ上達したということなのでしょうか。 子どもは自分で好きなものを見つけてくるんだなと思いました。

実はこの当時コロナ禍になっていたので、新しい習い事を探しつつも私は慎重になっていたのですが、「せっかくの長男のやりたい気持ちを止めたらダメだ」と思い直し、自治体がやっている将棋教室にたまたま空きがあり、申し込みました。
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