「甘やかさないで」理解されなかった発達障害息子の幼稚園時代。就学前の「3つの特訓」で小学校生活は笑顔に!【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「就学の悩み」についてのエピソードをご紹介します。】現在7歳の息子は、3歳の時に自閉スペクトラム症、ADHDと診断を受けています。幼稚園では理解を得られなかったため、就学に向けては親子で準備をしてきました。その時のエピソードをご紹介します。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

幼稚園では理解が得られなかった息子。就学へ向けて少しでも過ごしやすくなるよう「練習」をしました!

現在は7歳の息子は3歳で聴覚過敏気味、視覚優位の自閉スペクトラム症、ADHDの診断を受けました。現在は通常学級在籍、特別支援教室に通っていて、粗大運動がぎこちないところがあるのですが、発達性協調運動症(DCD)の診断名まではつかないと言われています。

幼稚園の頃は、無理解な先生が多く、
「息子にほかのお子さん方と同じことを求めるのは難しいと思うんです。頑張って頑張っても頑張っても、ほかのお子さんの足元くらいにしか到達しない。ほかのお子さんの6~7割いけば十分だと思っています」
とお伝えしても、
「子どもはみんな同じ。特別扱いはできません。発表会等の行事も経験させたいので疲れていても幼稚園を休ませないで下さい、甘やかさないで下さい。こんなんじゃ小学校上がってからが心配です」
と言われ続け、お迎えの時には、あれができないこれができないと、できないことばかり報告される日々……。できないことは息子や親の努力不足といわれつらい思いを抱えていました。
「特別扱いはできません。発表会等の行事も経験させたいので疲れていても幼稚園を休ませないで下さい、甘やかさないで下さい。こんなんじゃ小学校上がってからが心配です」と言われた幼稚園時代。
「特別扱いはできません。発表会等の行事も経験させたいので疲れていても幼稚園を休ませないで下さい、甘やかさないで下さい。こんなんじゃ小学校上がってからが心配です」と言われた幼稚園時代。
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そんな状態だったので、小学校では息子ができることも増やして自信をもって過ごせるように、学校側と連携がとれるように、就学へ向けて家や療育でいろいろと練習をしてきました。今回は、わが家が行ったことと、小学校入学前の校長先生との面談から1年生になった今の様子をご紹介します。

就学までに一歩一歩! わが家で取り組んだ3つのこと

就学までを目標に取り組んだことは大きく3つあります。トイレと着替え、そして連絡帳の書き方です。

目指せ小便器マスター! トイレトレーニング

息子は年長になっても用を足すときは洋式トイレに座ってしていました。立って用を足すと、おしっこが飛び散ってしまい、濡れることに過敏な息子はパニックになってしまうからです。

そこで絵を使いました。
1.どの位置に足を置くかを示す
2.ズボンとパンツは膝下まで下ろす(おしっこが飛んで濡れてパニックになるので)
3.膝を少し曲げる


これらを毎日見せて教えてました。幼稚園では、子ども用の立ってするトイレに抵抗があったようで、大人用を特別に使用させてもらっていました。回数を重ねるごとに飛び散ることも減っていきました。

タイマーで時間短縮! 着替えトライアル

年長の頃からタイマーを使って着替えトライアルを開始! 成功するごとにじょじょに時間を短くしていきました。
年長の頃からタイマーを使って着替えトライアルを開始! 成功するごとにじょじょに時間を短くしていきました。
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年少の頃から、「自分で脱いで自分で着替え自分でたたむ」ことを毎日幼稚園で実施していたので、家庭でもそうしました。うまくできないところは手伝う、頑張ったら褒める、を繰り返しました。ただ、息子に疲れが見える時は、家庭では無理にさせませんでした。たたみ方は、幼稚園の先生が絵に描いてくれていたので、家庭でもそのやり方に合わせました。

また、年長の頃からタイマーを使って着替えトライアルを開始! 成功するごとにじょじょに時間を短くしていきました(例えば10分→5分)。時間内に一人で着替えができたらご褒美シールをつけ、たまったらご褒美をあげるを繰り返し、今では、一声かけたら2分で着替えられるようになっています。ただ、気分が乗らないと時間がかかりますが……。

「学校ごっこ」で連絡帳を書く

年長の冬頃からは連絡帳の練習も始めました。通っていた療育の小集団で連絡帳を書く練習をさせていただくのと、自宅でも「学校ごっこ」として、ホワイトボードに時間割を書き、それを写す、できたらご褒美ポイントをつけるといったことを遊びを通して行っていました。小学生になった今は、しっかり連絡帳を書いてこられるようになっています。

就学前の面談で、校長先生に息子のことをしっかり説明

そして就学前健康診断の際には、息子と私と校長先生とで面談をしました。私は準スーツのような動きやすく落ち着いた服装で参加。気合いが入って体がガチガチに固まっていました。

面談には診断名が書いてある診断書と発達検査の結果を持って行き、子どもの性格、幼稚園や家庭ではこんなことに困っている、でも、こうしたらスムーズに行く、というような内容を説明しました。

面談中の息子は、目を輝かせてウロチョロしながら、目新しい教室で好奇心をかき立てられて「これは何?」と質問攻めでした。そんな様子も校長先生に見て頂くことができたので、なぜ息子がこのような動きをしているのかを説明し、このようなときはこういう声かけをして頂けたら望ましい行動に移れますと、たまたまですが先生の前で普段の対応の仕方を実践でき、よかったと思います。
校長先生は、うんうんと穏やかににこやかに返答してくださり、ほっと安堵しました。
なぜこのような動きをしているのかを説明し、このような場合はこういう声かけをして頂けたら望ましい行動に移れますと、校長先生に伝えたところ、うんうんと穏やかににこやかに返答してくださりほっとする母。
なぜこのような動きをしているのかを説明し、このような場合はこういう声かけをして頂けたら望ましい行動に移れますと、校長先生に伝えたところ、うんうんと穏やかににこやかに返答してくださりほっとする母。
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また、良い機会だと学校のトイレを使用させてもらいました。1度でも経験があると違うので、ありがたかったです。

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