自閉症娘の育児は一緒に?けんかばかりだった夫婦が二人三脚で向き合った結果…【読者体験談】
ライター:ユーザー体験談
【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「夫婦関係」についてのエピソードをご紹介します。】 3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断された現在19歳の娘、夫(59歳)、私の3人家族です。結婚して最初の数年は些細なことでよくけんかをしていましたが、娘が生まれてから少しずつ、歩み寄れるようになりました。
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
3人家族のわが家。夫婦で性格は正反対
現在19歳の娘は3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。娘は明るく穏やかですが、思う通りにいかないと多少パニックになるところがあります。小さな頃から絵画教室に通っていることもあり、絵を描くことが大好きです。
夫は現在59歳です。冷静沈着で客観的、物事を俯瞰して見ることができるのですが、一方で、冷たい人といった淡白な印象を受けるかもしれません。私は夫とは全く真逆で、どちらかというとすぐに頭に血がのぼりがち。このようにお互いが全く違う性格だったため、結婚して最初の数年は些細なことでよくけんかをしていました。ですが、娘が生まれてから少しずつ、歩み寄れるようになりました。
夫は現在59歳です。冷静沈着で客観的、物事を俯瞰して見ることができるのですが、一方で、冷たい人といった淡白な印象を受けるかもしれません。私は夫とは全く真逆で、どちらかというとすぐに頭に血がのぼりがち。このようにお互いが全く違う性格だったため、結婚して最初の数年は些細なことでよくけんかをしていました。ですが、娘が生まれてから少しずつ、歩み寄れるようになりました。
ワンオペ育児から、子ども関係のものは夫婦一緒に行動するに変わるまで
結婚から数年後、待望の赤ちゃんを授かりました。ですが当時から夫は仕事が忙しく、子どもが生まれてからも毎晩の帰宅は23時過ぎ。育児は私のワンオペでした。初めての育児に一人で向き合うのはとても孤独でした。
そして成長するにつれ、パニックや不安の強い娘を見て「他の子と違う?」と感じることが増えてきた私。一人で抱えることができず、夫にその不安を伝えるようになりました。夫も仕事で疲れていたはずですが、家族二人きりだけだった時とは違い激しいけんかになることはありませんでした。かけがえのない娘のことです、真剣に話を聞いて、冷静に状況をまとめてくれました。
そして成長するにつれ、パニックや不安の強い娘を見て「他の子と違う?」と感じることが増えてきた私。一人で抱えることができず、夫にその不安を伝えるようになりました。夫も仕事で疲れていたはずですが、家族二人きりだけだった時とは違い激しいけんかになることはありませんでした。かけがえのない娘のことです、真剣に話を聞いて、冷静に状況をまとめてくれました。
発達相談へ行くことから始まり、娘は3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されることになります。当時は発達相談など娘に関わることは、できるかぎり夫にも一緒についてきてもらうようにしました。忙しい夫にすべて同行してもらうのはなかなか難しかったのですが、ともかく一緒に行こうと努力してくれたことは、夫婦の繋がりを強くしたと思います。また一緒に行けると娘の発達に関する認識を共有しやすく、夫婦で意見が違っても、お互いに歩み寄るのがスムーズで良い事だらけでした。
その後、娘は特別支援学校へ入学。入学式や授業参観、運動会、学校祭、卒業式など、娘が参加する学校関連のイベントもできるだけ、夫と私で一緒に行きました。夫とイベントに参加して、「娘はこんなことをしてたね」「こんなことに気付いたよ」といったことを話すことで、「娘は、こんな特性がある子どもなんだ」と娘への理解も深まったと思います。
その後、娘は特別支援学校へ入学。入学式や授業参観、運動会、学校祭、卒業式など、娘が参加する学校関連のイベントもできるだけ、夫と私で一緒に行きました。夫とイベントに参加して、「娘はこんなことをしてたね」「こんなことに気付いたよ」といったことを話すことで、「娘は、こんな特性がある子どもなんだ」と娘への理解も深まったと思います。
夫に似た娘は片付けができなくて…
このように二人で娘を見守ってきましたが、夫と娘それぞれを見ていて「親子って面白いな」と思ったのは『片付け』です。
夫は片付けが大の苦手です。書斎の机の上は、いつも物が山のように積まれています。夫は家で持ち帰った仕事などをするのですが、物の中のわずかなスペースにパソコンを押し入れて作業しています。よく文字が打てるなあといつも感心しています。
娘も夫に似て、片付けが苦手です。特性もあって物事に夢中になると、周りの事が見えなくなるためか、より物を散らかします。
夫は片付けが大の苦手です。書斎の机の上は、いつも物が山のように積まれています。夫は家で持ち帰った仕事などをするのですが、物の中のわずかなスペースにパソコンを押し入れて作業しています。よく文字が打てるなあといつも感心しています。
娘も夫に似て、片付けが苦手です。特性もあって物事に夢中になると、周りの事が見えなくなるためか、より物を散らかします。
私はとにかく散らかっているのが嫌な性分なので、嫌がるのは分かっていても夫の書斎や娘のものを 時々勝手に片付けてしまいます。すると、あれがないこれがないと文句を言われてしまいますが……。
そんな二人ですが、19歳になった娘はだんだんと片付けることができるようになってきたのです。今の娘は自分が使う机まわりや、引き出しを取り出しやすいよう綺麗に整理しています。なぜできるようになったかというと、現在就いている職業が関係しているのです。
娘は食品を扱う仕事をしているのですが、使用したものはきちんと所定の位置にしまう、一つを出したらいくつも同じものを出さないなど、職場で徹底されています。それもあって片付けを意識できるようになったのでしょう。「習うより慣れろ」だったのですね。
一方夫はまだ片づけられません。これは直らないかな? と思いつつも、娘が克服したように日頃から「出したらしまう」を徹底すれば治るのかもしれないと、ちょっと思っています。
そんな二人ですが、19歳になった娘はだんだんと片付けることができるようになってきたのです。今の娘は自分が使う机まわりや、引き出しを取り出しやすいよう綺麗に整理しています。なぜできるようになったかというと、現在就いている職業が関係しているのです。
娘は食品を扱う仕事をしているのですが、使用したものはきちんと所定の位置にしまう、一つを出したらいくつも同じものを出さないなど、職場で徹底されています。それもあって片付けを意識できるようになったのでしょう。「習うより慣れろ」だったのですね。
一方夫はまだ片づけられません。これは直らないかな? と思いつつも、娘が克服したように日頃から「出したらしまう」を徹底すれば治るのかもしれないと、ちょっと思っています。