不登校だった小4息子のための付き添い登校。保護者の服装や持ち物は?メンタルケアの大切さも実感して

ライター:花森はな
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私、花森はなはASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害のある高校1年生の息子と小学6年生の娘を育てています。息子が小学3年生の頃、学校への行き渋りが始まり、小学4年生の時に不登校となりました。不安の強い息子が少しでも安心して登校できるよう、わが家は付き添い登校を選択しました。今回は、付き添い登校についてお話ししようと思います。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

付き添い登校の始まりと試行錯誤

ASD(自閉スペクトラム症)と強度行動障害のある息子が不登校になったのは、小学3年生の3学期でした。4年生に進級し、最初の4月は何とか登校できていましたが、どんどん行き渋りがひどくなり、学校に何とか連れて行っても靴箱の靴を投げたり、教室で過ごすことが難しくなっていきました。そしてある朝、とうとう布団から起き上がれなくなり、約1ヶ月間、自宅に引きこもる日々が続きました。その後、学校で話し合いが行われ、特別支援学級への転籍が決定。そして1日1時間だけと時間を区切り、付き添い登校をする日々が始まりました。

付き添い登校をするにあたって、まず困ったのは「親はどうすればいいんだろう!?」ということです。子どもたちは毎日持ち物が決まっていますが、付き添い登校自体がイレギュラーなため、大人の具体的な情報は全くなく、持ち物も手探り状態で、何を着ていけばいいのかさえも分からないのです。とにかく『迷惑にならない』『邪魔にならない』ようできるだけ荷物を最小限にしつつ、いかにもお母さんらしい服装を心がけて付き添うことにしました。
付き添い登校で当時学校に持って行ったもの
付き添い登校で当時学校に持って行ったもの
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「子どものために」から「私自身のために」

「全ては子どものために」その一心で、私は黒子に徹し、付き添い登校を続けました。登校時間は最初の1時間だけから、2時間になり、給食以降の午後だけ登校、午前中だけなど、少しずつ学校での滞在時間が増えていきました。その変化は確かにうれしいものでしたが、その一方で、私はどんどん自分の心がすりへっていくのを感じていました。

母親も一人の人間です。これまで築いてきた仕事やキャリア、そして自身の人格があります。それら全てを費やして、心を殺して、付き添い登校を続けるというのは決して容易なことではありませんでした。「生んだ責任」「母親だから当たり前のこと」世間の暗黙の視線はよく分かっていますし、私自身も責任感から自らに課していました。しかし次第にその重圧に押しつぶされそうになり、息子の学校への前向きな気持ちと裏腹に、私の足取りがどんどん重くなっていきました。これではよくないと思いました。

「どうせなら、付き添い登校を楽しもう!」

そう思ってからは、気持ちが一気に軽くなりました。
どうせなら、付き添い登校を楽しもう!
どうせなら、付き添い登校を楽しもう!
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いっそ全力で楽しもう!付き添い登校ライフ

学生の頃から私は洋服が好きでした。なので、毎日自分らしい、大好きな洋服で登校することを決めました。『母親らしさ』という枠にとらわれず、「今日はこれが着たい!」「明日はあれを着よう!」と純粋な気持ちだけで服を選び、前日に決めて枕元に置いて寝ると、学校への重たい気持ちが少しずつ軽くなっていくのを感じました。ただ、それにもいくつかルールを自分の中で決めました。

・体育に一緒に参加できるよう必ずズボンを選ぶ
・破れても汚れてもよく、動きやすいもの
・上着は必ずリュックに収納できるようにする(ロッカーがないので)
・靴は脱ぎ履きしやすいいつもと同じものを履く

それでも選択肢は無限のように感じました。好きな服を着て登校するだけで、湧いてくるパワーが違うのです。おかげで、休み時間には女の子たちから声をかけられることが増えました。「その服かわいい。どこで買ったの?」「今日の髪型似合う〜」「ピアスめっちゃかわいい!」そんな会話を楽しむ中で、私も彼女たちに質問したり、好きなアニメや推しの話などを聞いたり、放課後には簡単な手作りアクセサリー教室を開いたりすることもありました。

そんな日々を過ごす私の姿に、息子から「僕より学校楽しんでない?」と笑って言われることもありました。その度に、私は「そうだよ、学校楽しいもん」と答えるようにしました。それは息子に「付き添い登校で親に負担をかけている」と思ってほしくなかったからというのもあります。また、そうした「いつも楽しそうな大人」という姿勢は、教室で息子以外の児童を手助けする際にも役立っていたように思います。
自分でルールを決めて、大好きな洋服で登校する!
自分でルールを決めて、大好きな洋服で登校する!
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