1歳半で歩かない、立てない。療育相談待ちの不安な日々の中、1歳半健診で言われたことは…【マンガ体験談】

ライター:くら
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1歳5ヶ月を過ぎても歩かない息子・たまおのことが気になり、療育相談の窓口に電話をした私。療育につながれることは、とてもありがたい。けれど実際には、予約まで待ち、面談でまた同じ説明をし、次の予約を取って……と、思った以上に時間がかかるものでした。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

電話から約1ヶ月、ようやく面談へ。でも……

ようやく面談の予約が取れた
ようやく面談の予約が取れた
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今日の面談いる⁉
今日の面談いる⁉
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療育相談の窓口に電話をしてから、約1ヶ月。
予約を取るまでにも時間がかかり、ようやく面談の日を迎えました。

電話でもたまおの様子は話していたのですが、面談でもまた、発達の状況や今困っていることを説明します。
この頃の私は、たまおが歩かないことについて、あちこちで同じ話をしていました。11ヶ月健診でも相談していましたし、療育相談の電話でも話して、今回の面談でもまた話す。
もちろん、必要な確認だとは分かっています。
でも、不安なことを何度も言葉にするのは、思っていた以上に気力がいるものでした。

そして10分ほど話したあと、言われたのは、
「次回は医師が問診します」
「予約は1ヶ月後になります」
という案内でした。
……心の中では、思わず「今日の面談いるか!?」とツッコんでしまいました。

療育につながれるのは、本当にありがたい。
でも、困っている“今”から見ると、次のステップまでが遠く感じる。
少し前に進んだようで、また待つ時間が始まるような、そんなもどかしさがありました。

数日後の1歳半健診。ここでもまた「歩かない」相談を

そして1歳半健診では
そして1歳半健診では
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その数日後、今度は1歳半健診がありました。
ここでも、やはり相談したのは「たまおがまだ歩かない」ということ。
健診の医師は、たまおの膝や関節の様子を見てくれました。

診察の結果、パッと見た感じでは、健康上大きな問題はなさそうとのこと。
その言葉を聞いて、少しホッとしました。
けれど同時に、
「じゃあ、なぜ立たないんだろう?」
「このまま様子を見ていていいのかな?」
「何かしてあげたほうがいいのかな?」
という不安も残りました。

“問題なさそう”と言われると安心する。
でも、目の前の「歩かない」という状況が変わるわけではない。
その安心と不安の間で、気持ちはまだ揺れていました。

「お母さんが抱っこしてくれるって分かっているから?」医師のひと言に拍子抜け

お母さんが抱っこしてくれるって分かっているから?
お母さんが抱っこしてくれるって分かっているから?
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診察中、医師から「外に出て待っていてくれる?」と言われました。
私がいない状態で、たまおがどんな反応をするかを見るためだったのだと思います。

そして医師から言われたのは、
「お母さんが絶対に抱っこしてくれるって分かっているから、立たないんじゃないかな?」
という言葉でした。
えっ、そういうこと……?
体の問題なのか、発達の問題なのか、気持ちの問題なのか。
私の中では、ますます分からなくなった部分もありました。
でも同時に、少し笑ってしまいました。
たまおは、私が抱っこしてくれることを分かっている。
もしかしたら、歩かなくても移動できる方法を、たまおなりにちゃんと知っているのかもしれない。
そう考えると、心配ばかりしていた気持ちが、少しだけゆるみました。

そして一方で、療育相談の予約が取れていることに、少しホッとしている自分もいました。
すぐに何かが変わるわけではなくても、「相談できる場所につながれている」と思えることは、当時の私にとって大きかったのです。
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聞けたのは“ほっこりエピソード”

ほっこり
ほっこり
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結局、たまおはその場で立つことはありませんでした。
けれど私が見えなくなったあと、たまおはお母さんがいないからと医師に向かって「抱っこして」と手を伸ばしていたことを教えてくれました。
「かわいい〜!」と言ってもらえて、私も思わずほっこり。

この頃の私は、「立つのか」「歩くのか」「いつできるようになるのか」ばかりに意識が向いていました。
でも、たまおはたまおなりに周りを見て、私のことを分かっていて、自分の気持ちを伝えようとしていたのだと思います。

すぐに答えが出なくても、少しずつ相談先につながっていく

療育につながるまでの道のりは、思ったより時間がかかるものでした。
同じ説明を何度もすることも、待つことも、不安を抱えたまま過ごすことも、正直しんどかったです。
それでも、相談したからこそ見えてきたこともありました。

すぐに答えが出なくても、少しずつ相談先につながっていく。
その積み重ねが、当時の私には必要だったのだと思います。

執筆/くら

専門家コメント 新美妙美先生(小児科医)

歩行の遅れを心配しながら、療育相談につながるまでの過程を率直に聞かせてくださりありがとうございます。
発達が気になって相談しようと決心した保護者の方からは、「相談先につながるまでが長い」「何度も同じ説明をしなければならない」「次の予約までまた待つことになった」という声をよくお聞きします。近年は発達支援への理解が広がった一方で、相談件数も増えており、地域によっては初回相談や療育開始までに時間がかかることも少なくありません。不安を抱えながら待ち続ける期間は、本当に長く感じられるものです。
今回の記事にもあるように、保護者にとっては「歩くのか」「いつ歩くのか」が一番気になることですよね。しかし、相談や評価の過程では、発達だけでなく身体的な問題がないか、どのような支援が必要かなどを一つずつ確認していくため、どうしても段階を踏む必要があります。そのプロセス自体にも意味はあるのですが、保護者からすると「なかなか前に進まない」と感じるのも自然なことだと思います。(監修:小児科医 新美妙美先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35031075
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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