ASDの高校生娘、初めてのバス通学!事前練習では失敗の連続で母は不安に…入学後の今は?【体験レポ】
ライター:SAKURA
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広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、高校1年生。4月からバスで高校に通っています。娘にとっては初めてのバス通学。
これまで、小学校の時も中学校の時も、車で送迎していたため、一人でのバス通学は、受験と同じぐらい私にとっては心配なことでした。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている(産業医のご依頼を随時受付中)。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
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高校1年生になった娘。4月からバスで高校に通っています。
広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、高校1年生。4月からバスで高校に通っています。
娘にとっては初めてのバス通学。これまで、小学校の時も中学校の時も、車で送迎していたため、一人でのバス通学は、受験と同じぐらい私にとっては心配なことでした。
娘にとっては初めてのバス通学。これまで、小学校の時も中学校の時も、車で送迎していたため、一人でのバス通学は、受験と同じぐらい私にとっては心配なことでした。
高校時代に同じ路線バスを利用していた夫は、とてもバスに詳しく、ひとまず夫主導のもと、娘のバス通学の練習が始まりました。
言葉での説明のみだと、理解するのに時間がかかる娘のため、まずは路線図を見ながら説明しましたが、イメージが付かなかった娘は、きょとんとしていました。とにかく、実際に乗ってみることにしたのですが……。
初めてのバスでは、娘は寝てしまっていました。
2回目のバス練習は寝なかったのですが、帰宅後、クイズを出してみると……
自分の乗ったバス停やバスのことを全く覚えていませんでした。
しかし、これも想定内。
とにかく練習を重ねました。その間に、ちょっとしたクイズを出し、
しかし、これも想定内。
とにかく練習を重ねました。その間に、ちょっとしたクイズを出し、
覚えていなかったらそれを次の課題にしていました。夫と2人で5回ほど乗ったところで、一人で片道だけ乗ってみました。
無事、一人で片道乗れるようになったら次は、往復に挑戦し、帰りのバスまで時間がある時は、時間をつぶす方法をいくつか教えました。
しかし不測の事態には、弱いようで……
こんな失敗を何度か繰り返し、中学3年生になるころには、友だちと一緒にバスで遊びに行ったりできるようになりました。
バスの時間を調べ、その時間までにバス停に行き、バスに乗るということは不安なくできるようになりましたが、今乗れるバスを、時刻表を見ながら探すことは苦手なようで、いつまでも「どれに乗ればいい?」と聞いてばかりでした。
無事高校に合格し、中学校を卒業してからは、一人でのバス通学が間近にせまり、私は慌てていました。なんとか娘に時刻表を臨機応変に見れるようになってほしいと思い、最終確認をすることにしました。
バスの時間を調べ、その時間までにバス停に行き、バスに乗るということは不安なくできるようになりましたが、今乗れるバスを、時刻表を見ながら探すことは苦手なようで、いつまでも「どれに乗ればいい?」と聞いてばかりでした。
無事高校に合格し、中学校を卒業してからは、一人でのバス通学が間近にせまり、私は慌てていました。なんとか娘に時刻表を臨機応変に見れるようになってほしいと思い、最終確認をすることにしました。
娘は他人事のようにぼーっとしているだけで、心配で慌てて最終確認をしている自分が、みじめになったりもしました。
夫に相談すると……
失敗という経験が大事だということは分かっていました。
失敗を経験させるために、あえてフォローしないことは今までもありました。しかし、こちらのペースが乱されてしまう失敗は困ると考えてしまいました。その気持ちから、先走ってしまったようです。結局、夫がフォローに回ってくれると言ってくれ、私は様子を見ることにしました。
高校に入学し、バス通学が始まった娘。こちらの心配をよそに、すっかりバスに慣れた娘は、一人で遊びに行くことも増え、自由にバスを乗りこなしています。失敗や経験から自分で考えることの大切さを学ぶと、改めて感じました。
執筆/SAKURA
失敗を経験させるために、あえてフォローしないことは今までもありました。しかし、こちらのペースが乱されてしまう失敗は困ると考えてしまいました。その気持ちから、先走ってしまったようです。結局、夫がフォローに回ってくれると言ってくれ、私は様子を見ることにしました。
高校に入学し、バス通学が始まった娘。こちらの心配をよそに、すっかりバスに慣れた娘は、一人で遊びに行くことも増え、自由にバスを乗りこなしています。失敗や経験から自分で考えることの大切さを学ぶと、改めて感じました。
執筆/SAKURA
おまけ漫画
専門家コメント(医師・公認心理師 森しほ先生)
「失敗から学ぶことが大切」と頭では分かっていても、「もし何かあったら」と心配してしまうのが親心ですよね。少しずつ手を離しながら、お子さんの成長を信じて見守ってこられましたね。発達障害の傾向のあるお子さんは、新しい環境や予定変更への対応が苦手なことがあります。一方で、一度経験して見通しが持てるようになると、自信を持って行動できるようになることも少なくありません。
「失敗を経験することが成長につながる」ということは、多くの保護者の方は頭では理解されています。しかし実際には、「その失敗が大きなトラブルになったらどうしよう」「結局、親が大変な思いをすることになるのでは」と心配になってしまうものです。お子さんを大切に思っているからこそ、責任感があるからこその自然な感情です。
今回のケースのように、一緒に練習して、片道だけ挑戦し、少しずつ手を離していく方法がベストなのではないでしょうか。成功体験を積み重ねながら、必要な時だけサポートを減らしていくことで、お子さんの「自分でできた」という自己効力感が育っていきます。「過保護じゃないだろうか」と心配する保護者の方は多いのですが、精神医学では「過保護」と「過干渉」は区別して考えます。心配して見守ったり、困ったときに助けたりする「過保護」は実は問題ではありません。本人ができることまで先回りして決めたり、挑戦する機会を奪ってしまう「過干渉」は、自立や成長を妨げることがあります。
今回のケースでは、お子さんの安全を守りながらも、成長する機会を大切にされていました。そのバランスの取り方がとっても素晴らしい関わり方だと思います。新しいことに挑戦するときの工夫として、まずおすすめなのは、「見える化」です。言葉だけでは理解しづらい場合は、バス停の写真を撮る、地図に印を付ける、時刻表にマーカーを引くなど、視覚的な情報を活用すると安心感が高まります。
次に、「小さな成功」を積み重ねることです。最初から一人で往復するのではなく、一緒に乗る、片道だけ挑戦する、少し離れた場所から見守るなど、段階的にステップアップしていくことで、「自分にもできる」という自信が育ちます。
さらに大切なのは、「困ったときの対処法」を練習しておくことです。「失敗しないこと」を目標にするより、「失敗しても立て直せること」を目標にすると、親子ともに気持ちが楽になります。
道を間違えたり、予定外のことが起こったりしても、「分からなかったら運転手さんに聞く」「駅員さんに相談する」「家族へ電話する」など、『困ったら誰に聞けばいいか』『どう行動すればいいか』が分かっていれば、多くのことは乗り越えられます。これは、お子さんにとって大きな安心材料になります。
保護者の方は「完璧に準備しなければ」と思いすぎないことが大切です。子どもは失敗を経験しながら成長していきます。もちろん、安全面への配慮は必要ですが、小さな失敗は「次はどうしよう」と考える力を育てる貴重な学びにもなります。失敗したとしても「挑戦したこと」そのものをぜひ褒めてあげてください。「自分で聞けたね」「最後まで頑張ったね」と過程を認めてもらえる経験は、次のチャレンジへの大きな自信につながります。保護者の方が少しずつ手を離し、お子さんが少しずつ自分の力で歩いていく、その積み重ねが将来の自立につながります。 (監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
「失敗を経験することが成長につながる」ということは、多くの保護者の方は頭では理解されています。しかし実際には、「その失敗が大きなトラブルになったらどうしよう」「結局、親が大変な思いをすることになるのでは」と心配になってしまうものです。お子さんを大切に思っているからこそ、責任感があるからこその自然な感情です。
今回のケースのように、一緒に練習して、片道だけ挑戦し、少しずつ手を離していく方法がベストなのではないでしょうか。成功体験を積み重ねながら、必要な時だけサポートを減らしていくことで、お子さんの「自分でできた」という自己効力感が育っていきます。「過保護じゃないだろうか」と心配する保護者の方は多いのですが、精神医学では「過保護」と「過干渉」は区別して考えます。心配して見守ったり、困ったときに助けたりする「過保護」は実は問題ではありません。本人ができることまで先回りして決めたり、挑戦する機会を奪ってしまう「過干渉」は、自立や成長を妨げることがあります。
今回のケースでは、お子さんの安全を守りながらも、成長する機会を大切にされていました。そのバランスの取り方がとっても素晴らしい関わり方だと思います。新しいことに挑戦するときの工夫として、まずおすすめなのは、「見える化」です。言葉だけでは理解しづらい場合は、バス停の写真を撮る、地図に印を付ける、時刻表にマーカーを引くなど、視覚的な情報を活用すると安心感が高まります。
次に、「小さな成功」を積み重ねることです。最初から一人で往復するのではなく、一緒に乗る、片道だけ挑戦する、少し離れた場所から見守るなど、段階的にステップアップしていくことで、「自分にもできる」という自信が育ちます。
さらに大切なのは、「困ったときの対処法」を練習しておくことです。「失敗しないこと」を目標にするより、「失敗しても立て直せること」を目標にすると、親子ともに気持ちが楽になります。
道を間違えたり、予定外のことが起こったりしても、「分からなかったら運転手さんに聞く」「駅員さんに相談する」「家族へ電話する」など、『困ったら誰に聞けばいいか』『どう行動すればいいか』が分かっていれば、多くのことは乗り越えられます。これは、お子さんにとって大きな安心材料になります。
保護者の方は「完璧に準備しなければ」と思いすぎないことが大切です。子どもは失敗を経験しながら成長していきます。もちろん、安全面への配慮は必要ですが、小さな失敗は「次はどうしよう」と考える力を育てる貴重な学びにもなります。失敗したとしても「挑戦したこと」そのものをぜひ褒めてあげてください。「自分で聞けたね」「最後まで頑張ったね」と過程を認めてもらえる経験は、次のチャレンジへの大きな自信につながります。保護者の方が少しずつ手を離し、お子さんが少しずつ自分の力で歩いていく、その積み重ねが将来の自立につながります。 (監修:医師・公認心理師 森しほ先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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