【小児科医 井上建先生】子どもの飛び跳ね、足踏みが止まらない理由は?応用行動分析で分かる関わり方/「こどものクセ外来」―小児科医による行動療法―
ライター:井上 建
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「ドンドンしないで!」と響く音にヒヤヒヤして、つい叱ってしまう。飛び跳ねたり足踏みしたりする子どもの姿に、「何度言ってもやめない」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。実は、そうした体を動かすクセにも、子どもなりの大切な「理由」が隠されています。
シリーズ「こどものクセ外来」について、獨協医科大学埼玉医療センターの井上建先生に、ジャンプなどの行動の裏にある理由と、望ましい行動を増やす関わり方についてご執筆いただきました。
執筆: 井上 建
獨協医科大学埼玉医療センター 子どものこころ診療センター 准教授/センター長
小児科医として、子どもとその家族に寄り添うことを大切にしています。
トロント小児病院で培った多様性への理解を背景に、チック症やゲーム行動症、摂食症などに関する診療・研究に取り組んでいます。
X / Instagram:@inoue_take_med
何度言っても飛び跳ねる……!ヒヤヒヤする「身体のクセ」の裏側とは?
「ドンドンしないで!」と響く音にヒヤヒヤして、つい叱ってしまう。飛び跳ねたり足踏みしたりする子どもの姿に、「何度言ってもやめない」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。実は、そうした体を動かすクセにも、子どもなりの大切な「理由」が隠されています。
シリーズ「こどものクセ外来」について、獨協医科大学埼玉医療センターの井上建先生に、ジャンプなどの行動の裏にある理由と、望ましい行動を増やす関わり方についてご執筆いただきました。
シリーズ「こどものクセ外来」について、獨協医科大学埼玉医療センターの井上建先生に、ジャンプなどの行動の裏にある理由と、望ましい行動を増やす関わり方についてご執筆いただきました。
ある日の外来でのやり取り「夫がお土産を買って帰ってくると5歳の娘が喜んでジャンプするんです」
行動やクセには理由(機能)がある
私たちは、つい「気になる行動をやめさせたい」と考えがちです。しかし、まず「なぜその行動をしているのだろう?」と考えると上手くいくことがあります。実は、望ましい行動にも望ましくない行動にも、それぞれ理由があるからです。
前回のコラムで取り上げた「つめ噛み」もそうでした。退屈なときや不安なときに生じやすい場合は、その子にとっては緊張を和らげたり、気持ちを落ち着けたりする役割を持っていることがありました。
では、今回のジャンプはどうでしょうか。お父さんがお土産を買って帰ってきたときにジャンプするのは、確かに嬉しい気持ちが表れているのかもしれません。またジャンプそのものが気持ち良いのかもしれませんし、喜ぶ姿を見てお父さんがニコニコしてくれることが嬉しいのかもしれません。
同じジャンプでも、お母さんが電話中に飛び跳ねるなら「注目してほしい」のかもしれません。高い棚のお菓子を指さしながら、大きな声を出して飛び跳ねるなら欲しいという「要求の表れ」でしょう。宿題中に足の踏み鳴らしやジャンプが増えるなら、嫌なことから離れたいという「回避の気持ち」が関係していることもあります。
このように、同じ行動やクセでも、その理由は子どもや状況によって異なります。応用行動分析という考え方では、この行動の理由や役割のことを「行動の機能」と呼びます[注1]。
前回のコラムで取り上げた「つめ噛み」もそうでした。退屈なときや不安なときに生じやすい場合は、その子にとっては緊張を和らげたり、気持ちを落ち着けたりする役割を持っていることがありました。
では、今回のジャンプはどうでしょうか。お父さんがお土産を買って帰ってきたときにジャンプするのは、確かに嬉しい気持ちが表れているのかもしれません。またジャンプそのものが気持ち良いのかもしれませんし、喜ぶ姿を見てお父さんがニコニコしてくれることが嬉しいのかもしれません。
同じジャンプでも、お母さんが電話中に飛び跳ねるなら「注目してほしい」のかもしれません。高い棚のお菓子を指さしながら、大きな声を出して飛び跳ねるなら欲しいという「要求の表れ」でしょう。宿題中に足の踏み鳴らしやジャンプが増えるなら、嫌なことから離れたいという「回避の気持ち」が関係していることもあります。
このように、同じ行動やクセでも、その理由は子どもや状況によって異なります。応用行動分析という考え方では、この行動の理由や役割のことを「行動の機能」と呼びます[注1]。
【小児科医 井上建先生】子どものつめ噛み、「やめさせる」ではなく「置き換える」。家庭で試せる3つの具体策/「こどものクセ外来」―小児科医による行動療法―