「君がしたくてやってること」妻のワンオペ送迎に夫が衝撃発言!夫婦のすれ違いから学んだ「外の力を借りる」選択【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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朝は5時半に起き、息子を学校へ送り、帰宅して下の子を幼稚園へ送り、そのまま在宅で仕事。毎日なんとか回していましたが、だんだんと限界を感じるようになりました。そんな日々の中で夫から言われたのは、「君がしたくてやってることでしょ」という言葉でした。【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「夫婦のすれ違いとワンオペ育児」についてのエピソードをご紹介します】

監修者初川久美子のアイコン
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
投稿者のプロフィール
  • 年齢:30代後半 
  • お子さんの診断名:長男/ASD(自閉スペクトラム症)、長女/なし 
  • エピソード当時の年齢:長男/小学3年生(特別支援学級)、長女/5歳(年中) 

毎朝の忙しすぎるハシゴ送迎。でも夫はノータッチで自分の身支度だけ……

子どもたちの準備と送迎でバタバタの私。夫との朝の風景は対照的でした
子どもたちの準備と送迎でバタバタの私。夫との朝の風景は対照的でした
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わが家の長男は、少し離れた区域の小学校の特別支援学級に通っています。1人で通わせるには不安があり、毎日の送迎が必要でした。私の朝は5時半のアラームとともに始まります。

自分の支度と朝食、子どもの準備をバタバタと済ませ、7時20分には長男を連れて自宅を出発。電車と徒歩で8時頃に学校へ送り届け、急いで自宅へ戻るのが8時半頃。休む間もなく、今度は8時45分に長女を幼稚園へ送り届けます。9時半にようやく帰宅し、パソコンを開いて業務開始。この分刻みのスケジュールを、夕方のお迎えでもう一往復繰り返すのです。

夫はその間家にはいますが、基本的には自分の身支度をしていて、長女の面倒はみません。朝の送迎や子どもたちの準備は、ほとんど私が担っています。

夫が送迎から離れていったきっかけ

夫も最初からこうだったわけではありません。長男が1歳で保育園に入ったばかりの頃は、1〜2年ほど送迎を担当してくれていた時期もありました。しかし、園が変わったことをきっかけに、夫は突然送迎から手を引いてしまったのです。

前の園は玄関で先生に子どもを預ければOKだったのですが、新しい園は親が靴を脱いで中に上がり、オムツや着替えを所定の場所にセットするルールでした。それが夫には耐えられなかったようです。

「僕は靴を脱ぎたくない。どこに何を置いていいか分からないし、いちいち先生に質問するのも嫌だ」

そう言って以来、朝の手伝いから完全に手を引いてしまいました。私にとっては面倒でもやるしかないことですが、夫にとっては、身支度を整えて仕事に向けた「臨戦態勢」になった後に靴を脱ぐのは、思った以上に大きな負担だったようです。とはいえ、一切手伝ってくれなくなるとは……。とてもつらかったです。

「君がしたくてやってることでしょ」夫の言葉に驚いた私

思いがけない言葉に、怒りよりも驚きが上回った瞬間
思いがけない言葉に、怒りよりも驚きが上回った瞬間
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そんな生活の中で、夫から言われた言葉がありました。思ってもみなかった言葉でした。
「これは君がしたくてやってることでしょ」
これを聞いて、怒りというより、まず驚きがありました。「へー、こう考えていたんだ」と。

私は、好きで全部やっているわけではありません。夫がやらないので、私がやるしかない。子どもたちの生活を回すために、私が動くしかない。でも夫からは、それが「自分で望んでやっていること」のように見えていたのです。夫には伝わっていなかったんだということが、驚きでした。

悪気というより、夫には本当にそう見えていたのかもしれません。私は頑固な武士みたいだなと、妙に達観してしまいました。
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私を助けてくれた、幼稚園児の娘

そんな毎日の中で助けになったのは、幼稚園に通う娘が少しずつ自分で支度をしてくれるようになったことでした。

ある時期から「ママが帰ってくるまでに、お着替えとごはんを済ませて待っててね」と伝えると、自分なりに頑張ってやってくれるようになりました。私が長男を送って帰ってくると、娘は制服を着た姿で「ママ、できたよ!」。
本当にありがたいと思う一方で、まだ小さい娘にここまで頼っていることへの申し訳なさもあります。私の帰宅からわずか10分で次の送迎に出発できるのは、娘の健気な協力があるからこそです。

夫は「勉強」、私は「メンタル」。子どもを想う気持ちは同じでも、見ているものが違った

夫のスタンスは、これからもすぐには変わらないかもしれません。
ただ、子育てについて話しているうちに、夫婦で見ているものが違うのだと感じるようになりました。

夫は勉強を大事に考える人です。子どもが学校生活を送るには、勉強のフォローが必要だと考えていて、どうすればいいかを熱心に検討していました。夫自身、勉強を頑張ることを人生のよりどころにしてきたところがあり、だからこそ、子どもにも「勉強が大事」と考えるのだと思います。

また、将来子どもたちがお金に困らないようにするにはどうしたらいいか、教育費をどこまでかけるべきかも考えてくれていました。そういう意味では、夫なりに子どもの将来を真剣に見つめているのだと思います。

一方の私は、まずはメンタルだと思っていました。
環境が変わる不安、人間関係の不安、集団の中で授業を受けることへの負担。そこが崩れたままでは、勉強だけを頑張ることは難しいと思うのです。

夫は勉強のことを見ている。私は生活や心の安定を見ている。
どちらも子どものことを想っているのだとは思います。でも、見ている場所が違うから、話がかみ合わないこともあるのだと感じました。

そしてもう1つ、私自身も気づいたことがあります。
子どものために頑張ることと、1人で全部抱えることは違うということです。
送迎も、家事も、仕事も、学校とのやり取りも、私がやれば何とかなる。そう思って動き続けていました。でも、親が倒れてしまったら、子どもの生活も回らなくなってしまいます。

家族の中で分かってもらえないことがあるなら、学校や支援機関、信頼できる人に話してみる。必要なら、専門家の意見を聞いてみる。夫婦だけで答えを出そうとせず、外の人の力を借りることも必要なのだと思うようになりました。

今も、すべてが解決したわけではありません。
それでも、「私が我慢して全部やればいい」とは思わないようにしたいです。子どもを守るためにも、まずは親が倒れないこと。生活のあり方を少しずつ見直しながら、無理をしすぎない形を探していきたいと思っています。
イラスト/プクティ
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

夫婦のすれ違いについてのコラムをありがとうございます。私も一人の母であり、妻であるので、投稿者さんのつらさ、苦しさを想像し、どうして夫氏は自分の子ども・家族のことなのに、妻に任せきりにするのだ!と、自分のことのようについ熱くなってしまいました。冷静に書いてくださったこのコラムを読んで、こう思うのですから、投稿者さんのつらさや苦しさ、怒り、諦めはいかばかりかと思います。

夫氏は「靴を脱ぎたくない」をきっかけに支度を手伝わなくなったとのこと。「したくない」から手を引いて、それでも生活が回るということは、誰かしらがその分の負担をしてくれているということで、「したくない」でタスクを手放せる立場がうらやましいですね……(皮肉)。ただ、「したくない」のだとしても、そのあたりを夫婦で話し合えていたら、投稿者さんの気持ちはまだ救われただろうと思います。せめて一緒に問題解決(よりよく子育てを分担する)のために話し合いたかったですね。

夫氏は勉強やお金のことを考えていて、投稿者さんはメンタルを大事に考えているとのこと。お2人のお考え、どちらも大事ですね。ただ、思うのは、長男くん・長女ちゃんにしても、その慌ただしい朝や夕方を経て、日中学業や幼稚園での生活に臨むわけです。夫氏が大事に思う学業や園での大切な学びをより充実したものにする、あるいは、学業がより定着するための生活リズムを考えるには、どうしてもその下支えとなる日々の生活をスムーズに営み、子どもたちがストレスや負担を感じずにいることが前提として必要になるのではと感じます。また、子どもたちが徐々に身につけていく“自分で支度をする”についても、発達段階に応じて見守り、自分たちでできるように監督してほしいなと思うくらいです。夫氏が大事に思う「勉強」は単体でできるものではなく、その下支えや環境調整、また日常生活で学びとる生活経験の上にこそ成り立つものだろうと感じます。そうしたものに目を向けずに単体での「勉強」だけを見てしまうと、学習を支えるうえで、おさえておきたい発達的な段階を飛ばしてしまうことにならないだろうかと心配も感じます。
そうしたことを夫婦だけで話し合うのが難しい場合には、学校や相談機関などのスタッフもまじえて一緒に検討できたらいいかもしれません。子どもたちが心身ともに健やかに、お金の心配なく生きていってほしいというところで、ご夫婦のお考えは一致しているはずです。そのために何ができるか、家庭や学校でどんなサポートがあったらよさそうか、考えられるといいですね。

投稿者さんが最後に書かれていたように、「私が我慢して全部やればいい」ではない道をぜひ模索していただきたいと思います。保護者がいつも元気とは限りません。ぎりぎりのバランスで保っている状態だと、何かあったときに大変な思いをするのは子どもたちです。周囲の方(学校や支援機関、またお友だちなど)の知恵やお力をいただきながら、持続可能性の高いあり方をぜひ模索していただきたいと思います。応援しています。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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